ATACK NET ブックレビュー
トレーニングやリハビリテーションなど、スポーツ医科学と関連した書評を掲載しています。
器質か心因か
尾久 守侑
内科外来も行う精神科医が、臨床において「器質か心因か」、つまり身体疾患かそうでないかの見分けを日々迫られる中で、二元論ではない見立てと治療を整理する。
症例を読むと、器質でも心因でもあり、そのどちらでもないときもあるというような複雑さに驚く。また、非身体疾患として治療するにも、本人への伝え方1つとってもさまざまな配慮が必要だという。器質か心因かを見分ける技術技法はなく、最終的には目の前の患者といかに向き合うかになる。正解はない。患者という「人間」の見方は、詩人でもある著者ならではかもしれず、興味深い。
(月刊トレーニング・ジャーナル編集部)
カテゴリ:身体
タグ:疾患
出版元:中外医学社
掲載日:2021-04-10