ATACK NET ブックレビュー
トレーニングやリハビリテーションなど、スポーツ医科学と関連した書評を掲載しています。
メロスたちの夏 夜久弘のウルトラマラソン
夜久 弘
最初は病から逃れるように走っていたのが、やがて100kmを走破するウルトラマラソンにまで出場するようになるほどのめり込んでいく。ベテラン市民ランナーならではの視点で綴られ、トレーニング観も経験に裏打ちされた独自のものがあり、たとえば「うどん打ち」のたとえにあらわれている。これはトレーニング量という小麦粉をたくさん集め、それを打って細く長く麺にしていくことが完走の秘訣であるというもの。
ランナー仲間に励まされる様子も描写され、孤独に走っているのではないことがよくわかる。読み終えたとき、筆者の走り続けた27年間をともに走った気持ちになる。
(月刊トレーニング・ジャーナル編集部)
カテゴリ:人生
タグ:ウルトラマラソン
出版元:ランナーズ
掲載日:2008-10-10