ATACK NET ブックレビュー
トレーニングやリハビリテーションなど、スポーツ医科学と関連した書評を掲載しています。
Post Isometric Relaxation 等尺性収縮後の筋伸張法
伊藤 俊一
Post isometric relaxation (PIR)とは、筋収縮をさせた後に、ストレッチングを行うもので、タイミングとしては筋の弛緩期にストレッチングが入る。このため、PIRは静的ストレッチングと動的ストレッチングの架け橋的治療とも呼ばれているそうだ。PIRは、PNFやマッスルエナジーと共通の起源を持つ徒手療法であるが、文献的な資料が乏しい現状だという。本書は、PIRの有効性と実際について整理したもの。
等尺性収縮も、最大努力ではなく穏やかな収縮から始めること、そして関節可動域の2分の1以下の筋短縮域内で開始するという。これにより、痛みを最小限に留めて、可動域を徐々に回復させていく。また呼吸や視覚との共同運動を意識することが大切となる。最終的には、セルフエクササイズへと移行させることを目標としている。
各筋へのPIRの方法が、肢位や固定部位、抵抗のかけ方などわかりやすい写真とともに細かく紹介されている。股関節などの大きな関節だけでなく、手指などの小さな筋へのアプローチ方法も収載していることが特長である。
(月刊トレーニング・ジャーナル編集部)
カテゴリ:スポーツ医科学
タグ:ストレッチング
出版元:三輪書店
掲載日:2009-02-10