ATACK NET ブックレビュー
トレーニングやリハビリテーションなど、スポーツ医科学と関連した書評を掲載しています。
日野原重明の自分で測る血圧Q&A
日野原 重明
今月の特集(月刊スポーツメディスン49号)にちなんで選択した。
日野原重明氏が理事長を務める(財)ライフ・プランニング・センターでは、1980年から血圧測定について自分で自分の血圧を測る技術を指導し、血圧と身体の関係に関する教育を行い、自己血圧測定の普及を図ってきた。正しい血圧測定方法を身につけた人には「血圧測定師範」の資格を与えて、同センターの活動にボランティアとして参加している。1987年に手引書『名医が答える血圧何でもQ&A』を発行。その改訂版と言える書である。
100問の質問に答える形で、血圧とは何か、ということからわかりやすくまとめられている。
正しい測り方の解説では、水銀式、アネロイド式(空気圧と圧力計で測定するもの)、電子血圧計のそれぞれの特徴と、実際の測定方法や注意が網羅されている。
さらに、日常生活で注意すべき点や、食事・トイレ・入浴・飲酒・喫煙と血圧の関係など、ちょっとした疑問に丁寧に答えている。薬物療法は一生続けないといけないのか、という不安にも答えており、血圧に関する全般的な疑問が解決される。極めて実践的な書である。
血圧は、全身の健康状態を、食生活や生活習慣も含めて反映していると考えられる。また、現在は自動血圧計の発達で手軽に家庭で測定ができるので、高血圧の人は自分で生活をコントロールしやすいし、健康な人もバロメーターとしてチェックすることができる。
日野原氏が言っているように、体重計、体温計、血圧計があれば家庭でかなりの自己管理ができるだろう。
(清家 輝文)
カテゴリ:医学
タグ:血圧 健康管理
出版元:中央法規出版
掲載日:2012-10-08