ATACK NET ブックレビュー
トレーニングやリハビリテーションなど、スポーツ医科学と関連した書評を掲載しています。
登山の体をつくる
大森 義彦
今年(2004年)3月まで高知大学教育学部で教授を務め、体育学・スポーツ科学を担当していた大森氏が書き下ろした山登りのための本。副題は“「歩きの達人」になるトレーニング講座”。
中高齢者の体力問題に焦点を当て、無理なくできるトレーニングをイラストつきで多数掲載、登山経験の有無を問わず体力向上のために知っておきたい内容である。また、クライミング経験を持ち、現在スキー登山を中心に活動している著者は、冬山に備えた耐寒能力の向上策やフリークライミング・山スキーの体力特性、登山に適した食べ物なども解説している。
著者は“「時は金なり」という格言があるが、「体力は金なり」もまた正しい”と語っている(あとがきより抜粋)。体力の向上はケガの予防につながるうえ、予定通りに登山ができればその後の時間を有効利用できる。それは日常生活でも変わらない。時間とお金を体力で節約する。そんな発想があってもよいのかもしれない。
(長谷川 智憲)
カテゴリ:トレーニング
タグ:登山
出版元:東京新聞出版局
掲載日:2004-07-15