ATACK NET ブックレビュー
トレーニングやリハビリテーションなど、スポーツ医科学と関連した書評を掲載しています。
患者術
鱸 伸子
月刊スポーツメディスン74号の特集記事に登場していただいた鱸氏が書いた患者に向けたコーチングの本。皮膚粘膜、眼、外陰部、血管等に急性炎症を繰り返す慢性疾患「ベーチェット病」の患者としてコーチングを受けた経験を持つ同氏が、コーチとして、そして「元患者」としての立場からその活用法を解説している。副題は『賢い患者になるための会話テクニック』。
コーチングは、聞くことを通して相手の目標やその達成手段をその人自身の言葉に引き出すスキルで、近年ビジネスの世界で新しい概念として導入されている。医療の世界でもスタッフ間のコミュニケーションを円滑にすることなどを目的に取り入れられているが、鱸氏は患者自身にもコーチングを活かせると主張する。本書は鱸氏の体験をもとに構成されており、体験を綴った第5章「ずっと病気と付き合わなくてはならなくなったら<例えば、私の場合>」を始め、患者自身が実感を持って読める内容である。
2005年8月30日刊
(長谷川 智憲)
カテゴリ:指導
タグ:コーチング 患者
出版元:枻出版社
掲載日:2012-10-09