ATACK NET ブックレビュー
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坐のはなし
森 義明
「歩く」ことについては健康への関心の高さから多くの研究がされているが、それと比較すると「坐る」ことについての研究は少ない。著者の森氏は、膝障害における正座の有効性の有無について明らかにするという医学的な分野から「坐る」ことに着目しているが、本書は坐りの文化について言及、現在の日本人の「坐る」ことの意義についてまとめている。
副題は『坐りからみた日本の生活文化』。「坐る」を“尻(坐骨結節)で上体を支える”ことと捉え、「坐の習慣」「坐の変遷」「国々、宗教と坐り」「『坐』の種類」「坐りと身体」「坐具」「『坐』の分類」の各項目で考察されている。
坐りにはざまざまな型があり、それぞれ休息、礼儀、構えなどの異なる目的がある。現在では移動中でも坐っていることが多い。環境によって変化する坐り方が身体にどのような影響を与えているのか。「坐る」ことにももっと目を向ける必要がありそうだ。
2005年6月20日刊
(長谷川 智憲)
カテゴリ:身体
タグ:日本文化 坐る
出版元:相模書房
掲載日:2012-10-10