ATACK NET ブックレビュー
トレーニングやリハビリテーションなど、スポーツ医科学と関連した書評を掲載しています。
力士はなぜ四股を踏むのか?
工藤 隆一
副題は、大相撲の「なぜ?」がすべてわかる本。
タイトルにもあるように、力士はなぜ四股を踏むのかについては本書を読んでいただきたい。工藤隆一氏はフォーミュラ・ワン(以下F1)での担当記者を務めていたときに、その競技の仕組みが大相撲と似ていると感じるようになったそうだ。F1は一つのチームが一座を組んで世界を興行している点がサーカスを連想させる。一座の巡業のことを英語で言うと「サーキット」、ゴルフ、テニスでも試合で世界を周ることをサーキットと呼ぶ。このようにヨーロッパのF1や日本の相撲は、トップスターから縁の下で働くものまでの“一座”で動くという特徴があるのだ。この他にも『からだのやわらかさこそ大成のカギ』、『大きさよりも「瞬発力」と「敏捷性」』、など相撲界で勝っていく条件や、『なぜ塩をまくのか』、『相撲・芝居・落語に共通する大衆文化』など歴史的な視点でもまとめられている。
2007年5月10日刊
(三橋 智広)
カテゴリ:その他
タグ:相撲
出版元:日東書院
掲載日:2012-10-12