ATACK NET ブックレビュー
トレーニングやリハビリテーションなど、スポーツ医科学と関連した書評を掲載しています。
からだの“おかしさ”を科学する
野井 真吾
著者は埼玉大学で教鞭をとる野井真吾准教授。1~11章に分けられ、1~10章までは現代のこどもたちのからだの問題事実についてまとめている。副題は「いるいる! そんな子、うちの子」。ページをめくっていくと「前頭葉問題:すぐ“疲れた”という子どもたち」「自律神経問題:すぐ“疲れた”という子どもたち」「体幹筋力問題:“二足歩行”の危機…!?」と現代の子どもたちの問題点が明らかになっていく。
考えさせられたのは「子どものからだと心 ちょっと教えて Q&A」という欄で、「今の子どもたちは、自律神経が心配ということですが、どうすれば自律神経は発達するんですか?」という質問に対し、「正直この質問に対する回答は、持ち合わせていません」と答えているところ。 つまり生活の中で自律神経の発達を阻害する原因を絞りきることが難しく、それは運動不足、テレビやゲーム、さらには食べ物、化学物質と原因を特定することが困難ということ。社会は絡み合った問題が多くなっているし、わからないことはまだまだある。自分のからだへの変化にも気づく感覚と意識が重要になりそうだ。(M)
2007年6月20日刊
(三橋 智広)
カテゴリ:身体
タグ:子ども
出版元:かもがわ出版
掲載日:2012-10-12