ATACK NET ブックレビュー
トレーニングやリハビリテーションなど、スポーツ医科学と関連した書評を掲載しています。
野球の見方が180度変わるセイバーメトリクス
データスタジアム
本書はスポーツのデータを集積し分析を行う(株)データスタジアムの企画編集。
野球ゲームなどでも優れた選手を選択する際の目安となる、打率や打点、本塁打。投手ならば防御率や、勝利数、奪三振数など、こうした明確な数字は記憶にも残りやすい。
実際に野球選手の多くは、こうした成績で査定され年棒へと置き換えられることが多いが、しかしながら必ずしもそれがチーム編成を考えた場合にベストな選択とは言えない。
そこで、これまでとはまったく異なるアプローチでの戦略補強を行うというのがセイバーメトリクスである。たとえば出塁率に目を向けてみるととても優れた選手がいる。ヒットで出塁しなくても、結果的にはベースを踏む確率の高い選手ということだ。つまりヒットと四死球で出塁することの価値は、数字的に見れば同等。セイバーメトリクス的な考えでは、総合的に出塁率が高い選手がよい選手ということになる。
このようにセイバーメトリクス的な考えならば、ちょっと違った見方で一味違うベースボールを観察できるかもしれない。
2008年3月22日刊
(三橋 智広)
カテゴリ:その他
タグ:分析 セイバーメトリクス 野球
出版元:宝島社
掲載日:2012-10-12