ATACK NET ブックレビュー
トレーニングやリハビリテーションなど、スポーツ医科学と関連した書評を掲載しています。
運動療法と運動処方
佐藤 祐造
本書は2005年2月に刊行された『生活習慣病対策および健康維持・増進のための運動療法と運動処方』の改訂第2版である。初版が刊行された2005年と言えば、2000年に策定された「健康日本21」、2002年「健康増進法」の制定により、国民の生活習慣病やメタボリックシンドロームへの意識がいっきに高まっていった時期でもある。さらに2008年「特定健診・保健指導」が保険者に義務づけられ、ますます運動療法や運動処方への注目は高くなっている。
今回の改訂では、この「特定健診・保健指導」にも対応できるよう「エクササイズガイド2006」など、運動療法、運動支援に関する最新の内容が加筆されている。また、整形外科の分野でも運動器不安定症への取り組みが行われているが、本書では整形外科疾患に関する項目を増頁し、整形外科医、理学療法士による最新の内容が掲載されている。さらに脳神経外科の項目も新たに設けられ、小児科臨床面の増強、運動指導者向けの実践的知識として、運動施設での救急対応などの項目も追加されている。
副題に「身体活動・運動支援を効果的に進めるための知識と技術」とあり、コメディカルスタッフはもちろんのこと、健康科学を学ぶ学生にも、わかりやすく学ぶことができる本である。
(田口 久美子)
カテゴリ:指導
タグ:運動処方
出版元:文光堂
掲載日:2012-10-13