ATACK NET ブックレビュー
トレーニングやリハビリテーションなど、スポーツ医科学と関連した書評を掲載しています。
リハビリテーションのための解剖学
鵜尾 泰輔 山口 典孝
「ポケットブック」と明記されているとおり、手帳のような体裁。2色刷りで赤い透明シートがついていて、赤い字で記された部位名や起始・停止を記憶できているかどうか確認できる(赤い字で見えなくなるのは起始のほう)。受験参考書のように活用できる。
著者らの「まえがき」によると、2002年、学生に夏休みの宿題「上肢の機能解剖のノート作成」を課したとき、学生から「先生も作ってきて!」と言われたのが本書の出発点だそうだ。
どこでも勉強できるように、また解剖の本は重いと言わせないよう、新書判サイズにし、小さくても内容は精密さを心がけ、目でみてわかりやすいよう工夫したと記されている。
筋の章では、起始・停止・支配神経・作用のほかに、「(筋)の特徴」「ADL・スポーツ」の項目があり、たとえば大腰筋の「ADL・スポーツ」の項では「脚を前方に振り出す、すなわち、ランニング、階段を上る時などに主に働く」と表現されている。
全体は、「骨」「筋」「関節・靱帯」の3章からなる。電車の中などで勉強するのに最適と言える1冊。もう少し廉価だとなおよいのだが。
2009年6月9日刊
(清家 輝文)
カテゴリ:スポーツ医学
タグ:解剖
出版元:中山書店
掲載日:2012-10-13