ATACK NET ブックレビュー
トレーニングやリハビリテーションなど、スポーツ医科学と関連した書評を掲載しています。
テクニックはあるが、「サッカー」が下手な日本人
村松 尚登
日本のサッカーが上手になるためのヒントを求めてスペインへ単身乗り込んだ著者。テクニックはあるが、サッカーは下手な日本人という評価に対して、どのようにして活路を見出したのだろうか。本書は、スペインでの生活を織り交ぜながら書き上げた、コーチという立場からの問題提起である。
「戦術的ピリオダイゼーション」を理論的根拠とし、サッカー選手をサッカーの中で鍛えていくことがの必要性を実感に基づいて訴えている。サッカーのゲームをどのように分析するかという点において複雑系の枠組みを取り入れて考えているのが特徴。「バタフライ効果」(チョウの羽ばたきが別の場所で嵐を引き起こすように、予測不可能な効果を発揮することのたとえ)を期待し、締めくくっている。コーチング領域において意義ある提案である。
(当初は講談社ランダムハウスより刊行、現在は武田ランダムハウスジャパン)
(月刊トレーニング・ジャーナル編集部)
カテゴリ:指導
タグ:サッカー
出版元:武田ランダムハウスジャパン
掲載日:2009-12-10