ATACK NET ブックレビュー
トレーニングやリハビリテーションなど、スポーツ医科学と関連した書評を掲載しています。
生き残る技術 無酸素登頂トップクライマーの限界を超える極意
小西 浩文
酸素なしで8,000m超の山を登っていく。そんな生存の限界のような世界で挑戦しているのが著者の小西氏である。本書はビジネスマン向けのシリーズでもあり、仕事でどのような考え方をすることが必要になるかのヒント、という形で書かれているが、これはそのままスポーツにもあてはまる。
大自然の中、人間の生命はときに無力である。多くの仲間の死という重いものを身近に経験しながら、それでも生きて挑戦していく。小西氏は、常に状況を正確に把握し、自分が行うべきことは何かがはっきりと見えている状況で、チャレンジすべきときにチャレンジするためには直感も働かせているという。
読み手それぞれが、自らの「困難」に立ち向かい、限界を超えていくために何が必要なのか、道しるべとなってくれる一冊である。
(月刊トレーニング・ジャーナル編集部)
カテゴリ:人生
タグ:登山
出版元:講談社
掲載日:2010-05-10