ATACK NET ブックレビュー
トレーニングやリハビリテーションなど、スポーツ医科学と関連した書評を掲載しています。
命のカウンセリング
長谷川 泰三
小学生のころから自分で稼いでいた著者。それは貧困と暴力、一家離散という状況で育ったことによるもの。暴走族に入るなど、荒れた生活を送る。その後、交通事故で車椅子での生活となり、人生に絶望し、自殺しようと東尋坊へ行くが、その旅の中で誰かに必要とされることが、相手にとって迷惑ではなく喜びなのだということに気づいた。一方で友人からの相談に背を向けたことで友人の自殺を止めることができなった、という罪の意識も背負うことになる。その後も度重なる「逃げる」経験を経て、筆者は自殺しようとする人専門のセラピストになった。
後半部からはグループセラピーを受けているかのようである。心が凍り付いてしまうと、表情が固まり、身体にも影響が出てくるということが実例を通して語られる。他者とのコミュニケーションを取ることに恐怖を感じていたり、きつい状況で「助けて」と言えなくなっている人に対する直接的なアプローチが描かれている。
(月刊トレーニング・ジャーナル編集部)
カテゴリ:身体
タグ:カウンセリング
出版元:あさ出版
掲載日:2012-10-15