ATACK NET ブックレビュー
トレーニングやリハビリテーションなど、スポーツ医科学と関連した書評を掲載しています。
フェルデンクライス・メソッドWALKING 簡単な動きをとおした神経回路のチューニング
ジェームズ アマディオ 橋本 辰幸
本書のタイトル、フェルデンクライスメソッドとは物理学者モーシェ・フェルデンクライス博士によって開発されたメソッドで、「動き」を通して人間の持つ潜在能力を引き出す学習システムである。私は体験したことがないが、聞くところによるとこのメソッドは、レッスンでのさまざまな動きを体験することで、これまでに身に染みついた動きから離れ、より自然な動きや姿勢を獲得し自分の身体への気づきを高めることができ「心地よい体の動きが“脳”を刺激し活性化させる」ボディーワークだそうである。
本書では、レッスンの具体的な方法が豊富な写真と付属のDVDで解説されており、寝て行うレッスン、立位・歩行によるレッスン、トレッドミルでのレッスンと段階的に進みそれぞれの実践者にあったプログラムを選べるよう構成されている。ただ、理論的背景などにはあまり触れられておらず、なぜそのような姿勢や動作なのかの説明がないのが残念だが、姿勢や動作を改善することでパフォーマンスを向上させようとする選手・指導者やリハビリテーションに関わるセラピストには、新たなアイデアを引き出してくれる一冊となるだろう。
(打谷 昌紀)
カテゴリ:ボディーワーク
タグ:身体
出版元:スキージャーナル
掲載日:2012-10-15