ATACK NET ブックレビュー
トレーニングやリハビリテーションなど、スポーツ医科学と関連した書評を掲載しています。
インベストメントハードラー
為末 大
為末 大。
言わずと知れた、400mハードルの選手。世界大会において、トラック種目で日本で初めて2つのメダルを獲得した、プロの陸上選手である。
今まで読んできたスポーツ選手の著書は、その選手がスポーツを行う上で特化している能力についてスポットを当てて書かれたものが多かった。しかし、この本の帯には大きく「為末大」と書かれた横に、「初期投資30万円が現在2000万円に増えた話」と書かれていた。そしてインベストメントの意味は、「投資」である。
本の題名と帯のコメントから推測すると、プロの陸上選手である為末大が投資で儲けた話について書かれたと予想されるが、読み進めていくと全く違う内容であった。
なぜ、投資を始めたのか。投資とはどういうものなのか。為末選手が陸上競技を通して経験してきたことや、確固たる人生哲学に基づいた投資の話は、お金の話だけにとどまらずとても興味深い。多角的で広い視野を持つこと、興味や疑問を紐解いていくこと、プロだからこそのお金の捉え方など、世界を舞台に戦うアスリートのみならず意識していきたいこと多々である。
(石郷岡 真巳)
カテゴリ:人生
タグ:陸上競技 投資
出版元:講談社
掲載日:2012-10-16