ATACK NET ブックレビュー
トレーニングやリハビリテーションなど、スポーツ医科学と関連した書評を掲載しています。
100km・ウルトラマラソン
夜久 弘
ウルトラマラソンのランナーでもある著者が出場した「丹後100kmウルトラマラソン」の体験記とウルトラマラソンを介して出会った8名のランナーの物語をまとめた書籍。ウルトラマラソンの持っている魅力が様々な視点から語られている。
競技となると勝敗やタイムにこだわる必要はある。しかしどうやらウルトラマラソンの魅力はそこではないらしい。景色を楽しみ、空気を楽しみ、出会いを楽しむ。マラソンと名前は付いているが、競技とは全く別物のようだ。
もちろん途中で制限タイムも設定されているので、それをクリアできなければ強制終了となってしまう。しかしそれをクリアするために、速さを求めているわけではない。
本書の中には途中の制限タイムに間に合わないのが確実だが、そこに向かって歩みを進める方の話も出てくる。10時間以上走り続け、それでも途中で強制終了させられる。決して良い結果は待っていないのがわかっていながら、そこに向かって歩みを進める彼ら。彼らの脚を動かす原動力はいったい何であろう。
(澤野 博)
カテゴリ:人生
タグ:ウルトラマラソン ノンフィクション
出版元:ランナーズ
掲載日:2012-02-07