ATACK NET ブックレビュー
トレーニングやリハビリテーションなど、スポーツ医科学と関連した書評を掲載しています。
日常生活で「導具」を使った健康体操
春山 文子
昔からお手玉や独楽(こま)、竹馬など道具を使った遊びというものはたくさんあります。子どもはいろいろなものを使いながら遊びを通して自然と身体を動かしていますが、大人になると身体を動かす機会が少なくなってしまいます。ましてや昨今では、生活様式も変化し、便利な世の中になり、布団の上げ下ろしをする家庭も少なくなり、指一本でいろいろな作業ができるようになってきています。その結果、体力は低下し、物を扱う能力も低下してしまうのは当然のことだと考えられます。
本書は、手具を使うと身体の筋肉をより使う、モノの扱い方で出来映えの確認ができるなどの特性を生かして、身の回りにあるものを使った体操が紹介されています。
1つの物の使い方には、掴む、持ち上げる、投げる、跳び超える、潜る、その他にも数えきれないくらいさまざまな使い方がありますが、それを行うだけではなくて、それらの使い方を創造することも脳にとっては十分な体操になります。実技編では、ひもや新聞紙など身近にあるものを使った動きを図解しながら詳しく説明されているので、わかりやすくすぐに使える本であると思います。
(大槻 清馨)
カテゴリ:運動実践
タグ:運動指導 体操
出版元:文芸社
掲載日:2012-10-16