ATACK NET ブックレビュー
トレーニングやリハビリテーションなど、スポーツ医科学と関連した書評を掲載しています。
コンパクト生化学
大久保 岩男 賀佐 伸省
生化学というと難解な学問と感じる方も多いかもしれないが、身体運動を考える上では避けて通ることはできない。この書籍は純粋な生化学というよりも代謝、臓器やガン、免疫における生化学、解剖学、生理学と幅を広げて解説している。イラストなども比較的多く、生化学を多方面から理解できる作りになっている。
名称にコンパクトとあるが基本的な内容は網羅されており、決してコンパクトという印象はない。初期の資料としても十分に役に立つ。
これらの書籍はもちろん内容をすべて記憶できればそれに越したことはないが、必要になったときにどこに記述があるかを思い出し、確認をするという辞典のような使い方をするのも1つの使い方ではないだろうか。
受験のための勉強ではないので単に記憶だけしても、本質を理解していなければ応用力もついてこない。一度ではなく、二度三度と見ることにより、より理解が深まったり、またはさらなる解釈がひらめいたりしてくる。
基礎医学に分類される生化学は研究者だけでなく、現場で指導しているコーチも理解しておくべき内容だ。これが理解できればまた違ったトレーニングを見いだすことができるかもしれない。
(澤野 博)
カテゴリ:スポーツ医科学
タグ:生化学 入門
出版元:南江堂
掲載日:2012-02-07