ATACK NET ブックレビュー
トレーニングやリハビリテーションなど、スポーツ医科学と関連した書評を掲載しています。
高齢者の転倒とその対策
真野 行生
高齢者の転倒防止が重要視される要因として、さまざまな臨床的課題に発展する可能性が高いことが挙げられる。転倒それ自体で大きな障害を起こさなかったとしても、リスクが大きく広がってしまう。
本書では転倒が起こる原因、対策、復帰までの運動訓練などさまざまな角度から高齢者の転倒について記述されている。
筆者は「活発な生活をしていると転倒する確率は高く、逆に不活発な生活をしていると転倒する確率は少ない。しかし目標は活発にしていても転倒する確率の少ない生活である」と唱える。
転倒が起こらないように環境設備を整えるバリアフリーも1つの手段だが、自分自身を転倒から守るセルフコンディショニングを普段からしておくこともバリアフリーと言えると思う。
高齢者の指導に関わる方だけでなく、若い世代の方に読んでもらえたら「今自分がやれること」のヒントが見つかるかもしれない。
(磯谷 貴之)
カテゴリ:スポーツ医科学
タグ:転倒予防 高齢者
出版元:医歯薬出版
掲載日:2012-10-16