ATACK NET ブックレビュー
トレーニングやリハビリテーションなど、スポーツ医科学と関連した書評を掲載しています。
高岡英夫の歩き革命
高岡 英夫 小松 美冬
本書では歩きをテーマにしてコリをほぐすメソッドを紹介している。
興味深いのが高岡英夫氏が展開する身体意識理論についても書かれていること。本書では「センター」と呼ばれる身体意識について書かれている。センターとは、よく言われる正中線や体軸と言われる身体の中心を通る線のことである。この身体意識を生み出すことにより姿勢や歩行の改善、身体のゆるみを得るというものである。詳細については本書または高岡英夫氏が身体意識理論について述べている書籍がいくつかあるのでご参照いただきたい。
一般的なスポーツなどのレッスン書との違いは、自身の身体の内面に働きかけるといったところではないだろうか。この身体の内面が非常に重要だと私も思う。人はどこかが痛いなど、自分の身体に今起きている結果的な不具合には敏感だが、その過程にある痛みの原因に目を向けないことが多い。自分の中にある不具合の原因や状態の変化に気づくことにより、身体を健康に導けるのではないだろうか。このメソッドの前後では自分の身体に対する意識の感覚が変化していることに気づくと思われる。
自分の身体の内面に気づきを与え、身体を改善するためのメソッドが豊富に書かれているのでぜひご一読いただきたい。
(三嶽 大輔)
カテゴリ:身体
タグ:歩行
出版元:学習研究社
掲載日:2012-10-16