ATACK NET ブックレビュー
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金属は人体になぜ必要か
桜井 弘
人体は主要構成元素といわれるC、H、O、N。準主要元素としてCa、P、Mg、Cl、S、K、Na。これら11種類で人体の96~97%を占めるともいわれている。そのほかにもさまざまな元素が組み合わさり、人体が構成されている。
その中でも金属類というものは意外に多く、本書によると体内での役割がある程度解明されている金属でCa、K、Na、Mg、Fe、Zn、Mn、Cu、Se、Mo、Ni、Cr、Co、Vの14種類が確認されている。
エネルギー代謝を考えていく上で、どうしても糖質、脂質、タンパク質、および高エネルギーリン酸結合の構成元素を中心に考えてしまうが、それらを代謝していくにあたって金属類も含めた微量元素の存在は欠かすことはできない。
またそれらは体内合成をすることができないため、食事として補給をするしかない。それをどのような食品から補給していくのか。過剰摂取をすればどのようになってしまうのか。サプリメントとして単一種類だけの摂取が可能になっている現在では摂取不足ではなく、過剰摂取や摂取バランスの乱れが問題になりつつある。
本書ではそれぞれの元素について現段階で解明されている役割をわかりやすく解説してある。とはいえ化学に関する基本的な知識は必要だ。
(澤野 博)
カテゴリ:身体
タグ:微量元素
出版元:講談社
掲載日:2012-10-16