ATACK NET ブックレビュー
トレーニングやリハビリテーションなど、スポーツ医科学と関連した書評を掲載しています。
肩の痛み
Rene Cailliet 萩島 英男
まず著者の紹介からすると、「訳者のことば」に開業医であり、南カリフォルニア大学医学部リハビリテーション医学講座を担当する大学教授であり、Kaiser病院リハビリテーション部長の任にもあるという。リハビリテーション専門医として著したこの書は、アメリカでベストセラーになっただけでなく日本語版も昨年12月で12刷を数えるほど、多くの人に読まれてきた。訳者の萩島秀男氏は米国リハビリテーション専門医アカデミー正会員であり、わらび診療所(リハビリテーション、ペインクリニック)の設立者かつ所長でもある。
巻頭の「日本語版出版によせて」によると「このシリーズはリハビリテーション医療の一面を示し、多くの人々を悩ます数多くの障害および痛みを起こす様々な状態に関し、完全治癒でなくとも、改善をもたらす過程の説明を行う目的で書かれたもの」だ。
とくにアスレティック・リハビリテーションとして書かれたものではないが、肩とはどんなものかを説明する第1章「機能解剖」は、肩をよく使うスポーツマンにはぜひとも目を通しておいてもらいたい。また2章以下、肩に起因する痛みについて、筋骨格系、カフ断裂、癒着性嚢炎、二頭筋腱炎、および断裂、外傷性、また7、8章の肩への関連性:外傷性、神経性その他も、それぞれの悩みを持っている人には、症状の把握に役立ち、その知識は治療過程においてもプラスになることだろう。
(月刊トレーニング・ジャーナル編集部)
カテゴリ:医学
タグ:解剖学 肩
出版元:医歯薬出版
掲載日:1980-10-10