ATACK NET ブックレビュー
トレーニングやリハビリテーションなど、スポーツ医科学と関連した書評を掲載しています。
じょうずになろう およぐこと
宮下 充正 加古 里子 武藤 芳照
月刊トレーニング・ジャーナル連載「水泳の医学」の執筆者である武藤氏が文を書き、工学博士であり技術士でもあり、絵本の作品も多い加古氏が絵を担当、そしてお馴染みの宮下氏が監修といった三拍子揃った制作陣による絵本である。しかし、絵本とはいっても内容は科学的であり、絵を楽しみながら「およぐこと」に関する理解を深め、泳げない人は泳ごうという気持ちに、泳げる人は子どもをこうして教えようという気持ちにさせる。つまり、大人でも十分読める本となっている。とくに指導者には「すいえいのこうか」の頁や「すいえいれんしゅうのやりかた」「およぐときのちゅうい」などの頁のほか、宮下氏の「解説」をよく読んでいただきたい。
水泳は誰にでも楽しめるスポーツであり、いざというときには人を助け、自らを助けるものである。また、最近は単なるスポーツとしてではなく、障害者や妊婦のための水泳も盛んに行われるようになってきた。
水泳については誰でもよく知っているように思うだろうが、子どもと一緒にこの本を読めば、改めて教えられること、気をつけねばならないことなどがいくつもあることを知るだろう。
付け加えれば、宮下、武藤両氏とも水泳部に属してプールで泳ぎ込んだ人であり、現在も日本の水泳界の指導者として活躍されている。なお、この本は「じょうずになろうシリーズ」の1冊で、続刊として「じょうずになろう なげること」「じょうずになろう うつこと」などが予定されている。
宮下充正監修、加古里子絵、武藤芳照文
(月刊トレーニング・ジャーナル編集部)
カテゴリ:運動実践
タグ:水泳
出版元:評論社
掲載日:1981-10-10