ATACK NET ブックレビュー
トレーニングやリハビリテーションなど、スポーツ医科学と関連した書評を掲載しています。
運動処方 健康と体力つくりのために
M・ポラック J・ウィルモア S・フォックス 広田 公一 飯塚 鉄雄 中西 光雄 石川 旦
いずれも著名な3人の専門家が、最新の運動・スポーツ科学の成果を、一般の人々に理解しやすいようにとの目的で著した書である。
運動処方については、ケネス・H・クーパーのエアロビック理論以来飛躍的な発展を遂げてきたが、本書は、そうした理論を基礎として個人の運動プログラムをつくるための総合的な知識を得る上で格好のテキストといえるだろう。
第1章では、まず現代人の生活様式からくるいわゆる「運動不足病」について平易に解説。さらにその対抗策として個人別運動プログラムの必要性を説いている。第2章では、「運動、健康の保持及び運動能力に関する研究成果」についてこれまでの多くの研究結果をまとめている。続く第3章では、医学的適性検査及び体力測定についての説明と実際的な方法を解説し、第4章で具体的な運動処方について述べている。また、第5章の「心臓疾患患者のリハビリテーション」は病院や学校などにおいても十分役立つものだし、第6章「運動と栄養」、第7章「特別留意事項」は、日常出くわすさまざまな問題についてのきめ細かな指針となっている。
一般の人々だけでなく、体育・スポーツの指導者にもぜひ読んでいただきたい書である。
M・ポラック、J・ウィルモア、S・フォックス共著
広田公一、飯塚鉄雄、中西光雄、石川旦共訳
(月刊トレーニング・ジャーナル編集部)
カテゴリ:指導
タグ:運動処方
出版元:ベースボール・マガジン社
掲載日:1982-03-10