ATACK NET ブックレビュー
トレーニングやリハビリテーションなど、スポーツ医科学と関連した書評を掲載しています。
エンデュランストレーニング
トレーニング科学研究会
本書では、“局所的持久力や全身的な持久力の改善を目的として行うトレーニング”をエンデュランストレーニングと定義している。
様々なスポーツで走り込みなどのエンデュランストレーニングを行ってはいるが、目的をしっかり把握してトレーニングをしているアスリートやコーチは多くないと感じる。それどころか、非合理的な根性論が蔓延し、トレーニングはきつくなくてはいけない、あるいはきつければよいという、時代錯誤な考えが根強く残っている。ただ単に時間や距離を多くこなすだけのエンデュランストレーニングでは、パフォーマンスの向上につながらないだけでなく、障害のリスクを高めてしまう。
本書では、エンデュランストレーニングを科学的に分析し、論じている。長距離走、スピードスケート、競泳をはじめとして15種類の競技スポーツにおけるエンデュランストレーニングの現状と科学的考察や、暑さや寒さとの関係、加えて幼児やマスターズの選手のエンデュランストレーニングについても書かれている。
18年も前の本ではあるが、エンデュランストレーニングの科学の土台が紹介してあり、そのアプローチは現在においても古さを感じさせない。
(久保田 和稔)
カテゴリ:トレーニング
タグ:エンデュランストレーニング 長距離 スケート 水泳
出版元:朝倉書店
掲載日:2013-01-22