ATACK NET ブックレビュー
トレーニングやリハビリテーションなど、スポーツ医科学と関連した書評を掲載しています。
スポーツ少年の危機
武藤 芳照
以前『子どもの成長とスポーツのしかた』(築地書館)を紹介したが、同じ著者による10月10日体育の日刊行されたのが『スポーツ少年の危機』だ。「少年スポーツの今」「使い過ぎ症候群」「スポーツ少年の心のひずみ」「育ちざかりのスポーツのやり方」「よく見られる親やコーチの誤解と疑問」「スポーツ現場で役立つ応急処置」の各章からなり、著者が日頃から訴えていることがわかりやすく、各項要領よくまとめられている。新書判の200頁ほどの本だが、収められた内容は、子どものスポーツに関する事柄の相当な範囲に及び、指導者や両親にとっては一読、さらにことあるごとに開いていただきたいものだ。書名が示す通り、私たちはもっと危機感を持って、子どもたちのスポーツを見直す必要があるだろう。「たかがスポーツ、されどスポーツ」ではなく、「スポーツだからこそ、だからこそスポーツ」の観点を大切にしたい。とくに子どもたちのためには。
(月刊トレーニング・ジャーナル編集部)
カテゴリ:スポーツ医科学
タグ:子ども
出版元:朝日新聞社
掲載日:1986-01-10