育ての流儀 個性を磨き、大きく伸ばすコーチング
乾 眞寛
本書には歴代の福岡大学サッカー部の選手を例に出して、どのように指導をしてきたのかが書かれている。「指導」といっても100名の選手がいれば100通りの指導法があり、誰にでも同じように接するわけではない。
たとえば、全日本大学選抜チームに選出されるような選手は、常に「自分がどんなことをしたら、ワンランク上のレベルに達するのか?」を考えているため、課題を与え続けるとのこと。ただし課題を与えるにもタイミングが重要で、選手自身が壁にぶつかっていることが、その条件になる。
選手自身が、「本気でプロサッカー選手を職業とすることを目指す」ということを発するまで、プロを目指すための指導は行わない。
もちろんプロサッカー選手を目指すことだけに価値があるわけではない。同チームでは、最終学年までサッカーと学業の両立に取り組んできた選手は1名だけ、1軍のリーグ戦後半に出場することができる。どのような実力であっても、1年生の頃から取り組み続けたことを評価し、観客動員の多い1軍の試合に出場し、輝く機会を用意するのである。その選手が出場するときは、チームからの応援は、その日一番といってもよいくらい盛り上がる。
自身も大学サッカーに関わる身として、福岡大学サッカー部がどのようなチームなのか非常に興味があった。また、サッカーに身を置く人でなくとも、本書は「人」に関することに重点を置いて書かれているので、読む価値のある一冊と言える。
(平松 勇輝)
出版元:スタジオタッククリエイティブ
(掲載日:2013-05-30)
タグ:サッカー
カテゴリ 指導
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「育て」の流儀 個性を磨き、大きく伸ばすコーチング
乾 眞寛
福岡大学サッカー部の監督である幹眞寛氏が、自身の指導概念について語った書籍である。
100人以上の選手や学生たちを指導するにあたって、監督でもあり一教員でもある乾氏が繰り返し伝えていることは、「個々の可能性を信じ、見つけ、伸ばすこと」であると私は思う。それは指導者のみではなく、選手や学生自身が強くそう思うことを非常に重要視している。そのために、指導者はチャンスを与えることもあれば厳しい言葉をかけるときもある。個々が持つ可能性に気づきを与え、それを伸ばそうとするセルフモチベーションに火をつける。
第7章「困難を突き抜けて手にする成長」の中では、「NEXT ONE」という言葉が出てくる。チャールズ・チャップリンの言葉から抜粋された、指導の際に乾氏が忘れずに掲げている言葉だ。過去よりも今、今よりも未来の自分を高め続ける努力、目標を実現する確固たる決意と信じる力の大切さが詰まっており、サッカーや人生そのものと向き合う学生たちと指導者である自分自身を鼓舞する一言ではないだろうか。
躍進のきっかけとなる言葉、エピソードが語られている本書は、指導者のみならず選手や学生、何かに取り組んでいる全ての人に勧めたい一冊である。
(椙村 蓮理)
出版元:スタジオタッククリエイティブ
(掲載日:2014-09-18)
タグ:サッカー 育成 コーチング
カテゴリ 指導
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「育て」の流儀 選手を導くすべての指導者へ
乾 眞寛
福岡大サッカー部監督を長く務める著者の、読み応えのある指導者論。
本書によると、まず指導者としてのあり方を明確にすることの重要さがわかる。乾氏は「チームを日本一にする」「世界で活躍する選手を育てる」という目標を掲げ、どうしたらそれができるかとポジティブに考えていった。達成に向けて周囲に常に気を配っているからこそ、選手が成長のきっかけをつかむタイミングを逃さず、背中を押すことが可能になる。また、失敗も含めて学べる場である大学という環境を最大限に活かしているのも印象的だ。
永井謙佑などスター選手とのエピソードも多く紹介されているが、種目やカテゴリー、レベルを問わずどんな選手を指導する際にも参考になるだろう。
(月刊トレーニング・ジャーナル編集部)
出版元:スタジオタッククリエイティブ
(掲載日:2013-07-10)
タグ:サッカー
カテゴリ 指導
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