レッドソックスはなぜ松坂投手をとったのか
佐山 和夫
みごとにワールドシリーズ優勝を果たしたボストンレッドソックス。昨年から松坂投手を獲得することで日本でも話題は大きなものになった。
ボストンは古くから、清教徒が集まる街として、また世界的な大学があるアカデミックな街として知られ、住民も白人層が多い街である。チームも白人選手を中心に集めてきた。そんなレッドソックスが、独占交渉権に5,111万ドル(約60億円)、選手契約に6年5,200万ドル、合計額1億311万ドル(約123億円)と、なぜそこまでして松坂が欲しかったのか。
著者はアメリカ野球学会にも所属する佐山和夫氏。アメリカスポーツ史のなかでもあまり知られていないニグロベースボールについての書籍も出している。そんな同氏がメジャーリーグの歴史でも伝統あるレッドソックスを、歴史的な視点から触れていく本書は、国際化をはかるレッドソックスの本当の戦略が見えてくる。
2007年10月1日刊
(三橋 智広)
出版元:三修社
(掲載日:2012-10-12)
タグ:野球
カテゴリ その他
CiNii Booksで検索:レッドソックスはなぜ松坂投手をとったのか
紀伊國屋書店ウェブストアで検索:レッドソックスはなぜ松坂投手をとったのか
e-hon
野球場で観客はなぜ「野球に連れてって」を歌うのか
佐山 和夫
2010年夏、明治神宮球場を中心に行われた世界大学野球選手権大会では、7回表終了時のグラウンド整備の間にこの曲が流されました。もっとも、普段、この曲を歌うことに慣れていない神宮親父たちはキョトンとしてしまったのですが。
タイトルにもある、「私を野球に連れてって」を野球場でなぜ歌うのかや、野球のベースがなぜ左回りか、なぜ他の球技と違ってボールを持っているチームが守備であるかといった筆者が抱く疑問は、普段野球に近い距離にいる人ほど、疑問に思わない点であるように思います。私自身はそんなことを考えたことさえありませんでした。
しかし、野球のルールのルーツを知ることにより、アメリカ人の価値観や野球というものの本質をアメリカ人がどう考えているのかということに触れることができました。ルールや習慣は、今の形に至るまでに形ややり方が変化していき、なるべくしてなっています。あとがきで筆者自身が「私個人の勝手な思い込み」と述べているように、ところどころに疑問を持ってしまう見解もありますが、こういったことに着目し、考えることは、野球を、ひいてはスポーツをより楽しんで観たりプレーしたりすることができるのではないでしょうか。
(松本 圭祐)
出版元:アスキー・メディアワークス
(掲載日:2012-10-16)
タグ:野球
カテゴリ スポーツ社会学
CiNii Booksで検索:野球場で観客はなぜ「野球に連れてって」を歌うのか
紀伊國屋書店ウェブストアで検索:野球場で観客はなぜ「野球に連れてって」を歌うのか
e-hon