バレーボールコーチングの科学
カール・マクガウン 杤堀 申二 遠藤 俊郎 福永 茂 河合 学 篠村 朋樹
バレーボール発祥の地アメリカ。過去には素晴らしい成績を残していた。しかし、近年、国際大会で思うような成績を残すことができなくなっていたが、昨年の北京五輪では男子が金メダルを獲得し回復しつつあるといえる。著者は過去の黄金時代を支え、現在の日本バレーの礎を築いたといっていっても過言ではない理論を構築した方である。
本書を読み進めていくと、著者がかなりの量の学習をしていることが読み取れる。それは浅くもなく、深すぎることもなく現場で指導する際にちょうどよい内容で書かれている。ポイントはすべて運動学習に基づいて指導している点であり、押しつけではなく、気づき、提案によってスキルアップや、人間としての成長をしてもらいたいということが読み取れる。日本の指導者の多くがこれを学び実践しているが、成績としてなかなか残せていない。運動学習のポイントとなる、正しくフィードバックをするということができていないのではないかと考えられる。
技術や戦術が進歩し、1年前に間違いだったことが半年後には正しいとされることは珍しくない。そんな中でも、この本は変わらない基本を押さえているものであり、困ったときにはもう一度や見返していただきたい本である。写真や図説は少ないが、読めば読むほど共感することが増え、自分の中の創造力を刺激してくれる。
カール・マクガウン編
杤堀 申二(監修)、遠藤俊郎(翻訳代表)、福永茂・河合学・篠村朋樹(訳)
(金子 大)
出版元:ベースボール・マガジン社
(掲載日:2012-10-13)
タグ:バレーボール
カテゴリ 指導
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バレーボールのメンタルマネジメント
遠藤 俊郎
日本のバレーボールは長い間低迷していた。正しく言えばまだ低迷中なのかもしれない。しかしながら、女子においてはアテネ、男子においては北京より再び五輪の舞台に出場することができている。それら低迷期に、メンタルという面から日本チームの基礎を築き上げ、後の五輪出場に大きな役割を果たした著者の活動を詳細に記している本である。
メンタルトレーニングについて詳細に記しているのはもちろんであるが、著者の考え方の基礎となっているのは、海外留学時代に学習した運動学習理論であろうと思われる。運動学習理論については、文中にもあるように書いていくと膨大な量になってしまうため、『バレーボールコーチングの科学』(ベースボール・マガジン社)をご覧頂きたい。端的に言えば、どう人に伝えるかを理論構築したものであり、興味深い。読み進めていくと今まで受けてきた指導法と全く違うことから違和感を感じるが、理解すればするほど感動するということを著者も述べている。
この本をバレーボールに限らず、多くの競技指導者に読んで頂ければ、指導法をより進化させられることは間違いないと思う。日本のスポーツ界のさらなる発展を祈って。
(金子 大)
出版元:大修館書店
(掲載日:2012-10-13)
タグ:バレーボール
カテゴリ メンタル
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バレーボールのメンタルマネジメント 精神的に強いチーム・選手になるために
遠藤 俊郎
本誌および『Coaching and Playing Volleyball』誌での連載を再構成してまとまった著書。
著者によると、メンタルトレーニングとは「競技力向上に劇的に作用する特効薬というよりも、好不調の波を高値安定に調整する、心身の調子を整えるサプリメント」なのだそうだ。練習日誌に自己分析のためのチェック項目を設けることを提案するなど、具体的なエピソードを交えながら、どうすればよいのかについて書かれている。メンタルトレーニングは決まりきったメニューを行うのではなく、状況に応じて自在に変化させ得るものだと認識が新たになる。
(月刊トレーニング・ジャーナル編集部)
出版元:大修館書店
(掲載日:2007-12-10)
タグ:メンタルトレーニング
カテゴリ 指導
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