運動の生理学 新版
P.V.カルポビッチ W.E.シニング 石河 利寛
この書は、運動生理学の分野では権威があり、最初に訳本が出されてから17年が過ぎているが、1976年に新版として、内容が新しくなった。
記述も膨大で、索引も参考文献も完備されていて、運動生理学を学ぼうとする人には使いやすい。ただし、この書を読むには、カルポビッチ、シニング両博士の序文にもあるとおり、基礎生理学の知識があったほうがよい。体育を専攻する学生だけでなく、トレーニングを考える人すべてに、一度は目を通し、疑問が生じたときの参考書として使っていただきたい書である。
P.V.カルポビッチ、W.E.シニング共著、石河利寛訳
(月刊トレーニング・ジャーナル編集部)
出版元:ベ-スボ-ル・マガジン社
(掲載日:1979-10-10)
タグ:運動生理学
カテゴリ スポーツ医科学
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骨盤力 アスリートボディの取扱い説明書
手塚 一志
素晴らしいパフォーマンスを見せてくれているアスリートがいるとします。しかし、その動きを言葉で表現するのは難しくはないですか? しかもその動きを人に教えようとすると、「踏み込んで」とか「力をためて」とか、はたまた「ブワー」とか「グッと」なんて表現になってしまうかもしれませんよね。この本はそんなもどかしさを解消してくれる一冊です。
著者の手塚さんが、多くのアスリートが言葉にならない感覚をイメージで表現してきたもの、そしてそれを一つのメソッドとしてつくり上げたものを、惜しみなく披露してくれています。どこの関節を、とか何筋とかではないのです。外からは触れることのできない、骨盤の中にその秘密が隠れているのです。静かに読んでいても、思わず立ち上がって自分でやってみたくなる、そんな本でした。
(大槻 清馨)
出版元:ベ-スボ-ル・マガジン社
(掲載日:2012-10-13)
タグ:トレーニング
カテゴリ 指導
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ジュニアサッカーコーチングメソッド
平野 淳
ゴールデンエイジと呼ばれる年代があり、神経系発達の著しい時期で将来のポテンシャルに大きく影響することは知られている。そんな大事な年代へのコーチングが具体的かつ豊富な経験談から綴られている。
サッカーのコーチングにおいてジュニア期をさらにU-6年代、U-9年代、U-12年代と区切り解説してある。初めにジュニア期の全体を通した特徴やコンセプトについての総論、次に3つの年代の各論へと続き、理論の後に具体的なトレーニングメニューの紹介といった流れになっている。
各年代での特徴や相違点などが、心理面と身体面の双方からはっきりと述べられておりわかりやすい。サッカーの指導はもちろんだが、土台となる人間形成における教育やトレーニングに対して楽しむ(Fun)という気持ちを育む重要性を念頭におき、その他の要素を展開している。
著者の海外での豊富な経験から、日本と各国の違いや多様なトレーニングメニューが記載されている。トレーニングメニューはアレンジ次第で他の競技でも用いることが可能であり、ジュニア期を指導するさまざまな競技の指導者の方々にはぜひ、読みこなしていただきたい1冊である。
(池田 健一)
出版元:ベ-スボ-ル・マガジン社
(掲載日:2012-10-15)
タグ:サッカー ジュニア指導
カテゴリ 指導
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克つための弓道 的に克つ、己に克つ
村川 平治
弓道の一連の流れ(弓を持ってたち、矢を放った後まで)である射法八節が写真つきで解説されている。
足踏みから残心まで8つのphaseからなっている射法八節。自分の動作がおかしいと思ったらその前の節に戻る、八節の後半の動きがおかしい場合は八節の前半に戻ることを著者は勧めている。それぞれの型に名前はあるものの、あくまでも一続きの動作であり、心技体の「技」の部分である。
著者の父が弓道家ということで、著者である村川平治氏の幼少期は弓道が身近に感じられる生活だった。「昨日当たって、翌日当たらないのはなぜか」や「日常の練習は試合のつもりで」といった心技体の「心」の部分にせまる記述や「試合数日前から直前の練習法」という「体」の部分は他の競技選手が読んでも参考になる。
また、弓具(弓、矢、弦)の性質や選び方、調整のアドバイスが写真つきで丁寧に解説されている。
(1997年の)弓道界の現状として中学体育連盟に弓道が加盟していないことで、中学校に弓道部が少なく、弓道部員も中体連に参加できない。そして弓道を高校や大学でやってきていても、社会人になってから弓道場がないことや公営の弓道場の使用時間などの関係で競技の継続が難しいとのこと。
著者は「本当に強くなりたいのなら、外にも目を向け、いろいろな人の射を見て、取り入れて行った方がいい」と語っている。弓道のプロ化を願っている著者の言葉はひょっとしたら以下のように解釈できるのかもしれない。“本当に弓道を普及させたいのなら、他の競技にも目を向け、いろいろな競技のシステムを見て、取り入れて行った方がいい”(あくまでも想像だが)
自分の道場を持ちたい。自分なりの「村川流」をつくりたい。著者の自分の夢への強い気持ちを表す言葉でしめくくられている一冊。
(大塚 健吾)
出版元:ベ-スボ-ル・マガジン社
(掲載日:2012-10-16)
タグ:弓道
カテゴリ 人生
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