遺伝子 vs ミーム
佐倉 統
著者は理学博士で、もともとの専門は進化生物学だが、科学史や科学論の領域に焦点を移し、生物学の理論受容史や科学技術と社会のあるべき関係を探索中とのこと。
「ミーム(meme)とは、文化的情報の伝達単位である。生命情報の単位が遺伝子であることからのアナロジーとして連想されたもので、言い換えると、文化システムを生命システムからのアナロジーで記述するための基本的な概念である」(P.13)
この概念は「利己的遺伝子」で知られるR・ドーキンスが考えたもので、批判もある。だが、ここでは著者のこの言葉を引用しておきたい。
「ぼくはミームという概念の有効性は、定量的な記述や予測などではなく、比喩やアナロジーにもとづく問題発見能力にあると思う」(P.214)
物を考える視点(あるいは技術)はいくつも持っているほうがよい。学問もスポーツもミームに満ち溢れている。簡単に読めるようで、考えるところが多く残される本である。
新書判 230頁 2001年9月1日刊 1000円+税
(月刊スポーツメディスン編集部)
出版元:廣済堂出版
(掲載日:2001-11-15)
タグ:遺伝子
カテゴリ 生命科学
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脳と体に効く指回し教室
栗田 昌裕
最近、包丁を握っていて指がつって寄る年の波を痛感した。考えてみれば、キーボードを打つか、コップを持つくらいのことしかしていない。包丁は毎日のように扱うが、それでも指がつる! なんということだ。栄養の問題か?
と、思っているときに、この本が目に留まった。「指回しね」とあまり期待しないで読んだが、やってみる価値ありと判断。いや、やってみないとなんとも言えない。最初にその効果を自分で確かめるようになっている。立位体前屈を行い、次に首を左右に回し、どれくらいまでいったか確認、記憶しておく。そして、両手の指を合わせてドームのようにし、親指同士から始め、各20回、計100回行い、変化を見る。いずれも初めのときよりよい。「でも、2回目ということがあるしな」と一応保留にしておく。以下、指と脳、こころの問題などが語られていく。
念のために記しておくと、著者は内科医で、東大の理学部と医学部を卒業(大学院では数学専攻)、三楽病院を経て、現在東大附属病院内科勤務とある。座禅、ヨーガ、気功、東洋医学などにも通じている。
「心を込めて字を書くと心が成長する」というくだりもある。指の体操もさることながら、指からからだや心をみるのも面白い本。
2007年3月10日刊
(清家 輝文)
出版元:廣済堂出版
(掲載日:2012-10-11)
タグ:指回し 脳 身体
カテゴリ 運動実践
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マー君をめざす最新トレーニング
石橋 秀幸
マー君こと田中将大投手をただ真似すればよいのではなく、田中投手のように活躍するために何をすべきかをまとめた。投球動作を6フェーズに分けてポイントを整理し、バランス・柔軟性・筋力を鍛える方法を写真とともに紹介するパートがメインとなっている。手指筋群のトレーニングといった、野球ならではのものも載せられている。さらにはメンタルや食事、睡眠などについても触れており、強い選手になるために心技体をまんべんなく磨こうというメッセージが伝わってくる。
図を多く用い、わかりやすい言葉で書かれているが、その記述は最新のスポーツ科学に基づく。基本を押さえながら新しい知見も取り入れる指導方法としても参考になる。
(月刊トレーニング・ジャーナル編集部)
出版元:廣済堂出版
(掲載日:2014-10-10)
タグ:野球
カテゴリ トレーニング
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バスケットボール用語事典
小野 秀二 小谷 究
2014年にバスケットボール学会が発足し、競技研究が活発化している。また2020年東京五輪に向け競技力の向上が望まれる中、研究者および現場の指導者・選手の取り組みがスムーズに進むよう、用語の「交通整理」がなされた。アメリカで生まれた競技のため、用語1つとってもチームによってニュアンスが異なることも多い。全体的なレベルアップにはまず用語の共通認識が欠かせない。
(月刊トレーニング・ジャーナル編集部)
出版元:廣済堂出版
(掲載日:2017-08-10)
タグ:バスケットボール 用語
カテゴリ スポーツ医科学
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