こころだって、からだです
加藤 忠史
「精神保健」「精神医学」に相当する内容のポイントを絞り、うつ病、双極性障害(躁うつ病)、統合失調症、性同一性障害、ADHD(注意欠陥多動障害)、PTSD(心的外傷後ストレス障害)、摂食障害など症例を交えて解説している。
本書では“こころの病気”という言葉が便宜上使われているが、「こころが病気になってるんじゃない。どんな臓器も病気になる。脳に病気が起きると、こころの具合が悪く感じられる」と筆者は述べ、「病気は身体がなるものである」と明記している。こころの病気となると「がんばれ」の一言で終わってしまいがちである。からだの病気として精神疾患を認識する必要があると言える。
筆者の私見や、まだ多くの研究によって確認されていない新しい研究成果などが取り上げられているコラムは示唆に富んでおり、13章「こころの悩み」を「解決すべき方法」に変える方法、にある専門家が用いるPOS(Problem Oriented System)での治療計画の立て方は、抱える悩みを整理するうえで参考になるだろう。
2006年1月20日刊
(長谷川 智憲)
出版元:日本評論社
(掲載日:2012-10-10)
タグ:メンタル 心 悩み 身体
カテゴリ 医学
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じょうずになろう およぐこと
宮下 充正 加古 里子 武藤 芳照
月刊トレーニング・ジャーナル連載「水泳の医学」の執筆者である武藤氏が文を書き、工学博士であり技術士でもあり、絵本の作品も多い加古氏が絵を担当、そしてお馴染みの宮下氏が監修といった三拍子揃った制作陣による絵本である。しかし、絵本とはいっても内容は科学的であり、絵を楽しみながら「およぐこと」に関する理解を深め、泳げない人は泳ごうという気持ちに、泳げる人は子どもをこうして教えようという気持ちにさせる。つまり、大人でも十分読める本となっている。とくに指導者には「すいえいのこうか」の頁や「すいえいれんしゅうのやりかた」「およぐときのちゅうい」などの頁のほか、宮下氏の「解説」をよく読んでいただきたい。
水泳は誰にでも楽しめるスポーツであり、いざというときには人を助け、自らを助けるものである。また、最近は単なるスポーツとしてではなく、障害者や妊婦のための水泳も盛んに行われるようになってきた。
水泳については誰でもよく知っているように思うだろうが、子どもと一緒にこの本を読めば、改めて教えられること、気をつけねばならないことなどがいくつもあることを知るだろう。
付け加えれば、宮下、武藤両氏とも水泳部に属してプールで泳ぎ込んだ人であり、現在も日本の水泳界の指導者として活躍されている。なお、この本は「じょうずになろうシリーズ」の1冊で、続刊として「じょうずになろう なげること」「じょうずになろう うつこと」などが予定されている。
宮下充正監修、加古里子絵、武藤芳照文
(月刊トレーニング・ジャーナル編集部)
出版元:評論社
(掲載日:1981-10-10)
タグ:水泳
カテゴリ 運動実践
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じょうずになろう とぶこと
宮下充正 加古 里子 武藤 芳照 深代 千之
じょうずになろう とぶこと宮下充正 加古 里子 武藤 芳照 深代 千之「はえば立て、立てば歩めの親心」という。歩き始めた子どもは、やがて、とぶことに興味を持つようになる。ほんの数mの距離でも走ろうとする子どもは、さらに「とぶ」ことに一層の楽しみを見出すのである。
そんな経験をどの大人も持っているはずだが、悲しいことにいつか忘れてしまう。あるいは、小学校のときの跳び箱や走り高跳びなどで、うまくいかなかった思い出をいつまでの抱えている人もいる。
そもそもとぶとはどういうことか。「じょうずにとぶ」にはいつ、どんなことをしていけばよいのか。これは、子どもとその親のためにかかえれた「じょうずにとぶ」ための読み物の要素をたっぷり含んだ絵本である。
「とぶ」という動作がきちんとできるようになると、スポーツにおいても、また生活においても動きが美しく、ダイナミックになる。だが、私たちは「運動神経」という言葉で、そういう動きができる人とできない人を区別するが、子どものときに、できるだけ多くの動作をしておくことを抜きにしていわゆる「運動神経」で片づけるわけにはいかない。たかをくくらず、あきらめず、子どもの成長に応じた運動を考える意味でも、この本は親や先生、また子ども自身にも読んでいただきたい。
監修宮下充正、え加古里子、ぶん武藤芳照、深代千之
(月刊トレーニング・ジャーナル編集部)
出版元:評論社
(掲載日:1983-02-10)
タグ:跳躍 基本的動作 発育発達
カテゴリ 運動実践
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じょうずになろう はしること
宮下 充正 加古 里子 武藤 芳照 八田 秀雄
“はしること”なんて、かんたんさ! でも、きみは“じょうずにはしること”ができるかな? と帯に書いてある。子どもは、走る、走り回るのが自然である。歩くのも楽しいが、走ることの楽しさのほうが、子どもにとっては勝っているだろう。しかし、帯の文章通り、“じょうずにはしること”は難しいものだ。子どもに、走ることを、“じょうずにはしること”をわかりやすく、絵本形式で示したのが『じょうずになろう はしること』(監修/宮下充正、え/加古里子、ぶん/武藤芳照、八田秀雄、評論社)だ。“じょうずになろう”シリーズの4巻目である。すでに「およぐこと」「とぶこと」「なげること」が刊行されている。
(月刊トレーニング・ジャーナル編集部)
出版元:評論社
(掲載日:1986-05-10)
タグ:子ども 走り
カテゴリ 指導
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メジャーリーグをナマで見る熱球英語
根本 真吾
アメリカ三大スポーツであるMLB、NBA、NFLから、現地やテレビ中継での観戦に頻繁に出てくる英語のフレーズをもとに楽しみながら英語を学ぶ1冊。スポーツファンや英語を学びたい人にもおすすめ。
(月刊トレーニング・ジャーナル)
出版元:技術評論社
(掲載日:2005-11-10)
タグ:英語
カテゴリ その他
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これがボディワークだ 進化するロルフィング
小川 隆之 斎藤 瑞穂
アイダ・ロルフはロックフェラー研究所で生化学者として働いていたひとだ。ヨガ、カイロプラクティック、オステオパシー、アレクサンダーテクニーク、ホメオパシーなどを学び実践しながら、一時はカークスヴィルにあるオステオパシーの学校で講師も務めた。
当初ロルフィングは治療手技として始まったが、この本を読むかぎり、だんだんボディワークとしての色が強まってきているよう。ロルフィングを身体教育(ソマティックエデュケーション)とみた場合、同時に治療モデルは成り立たない。クライアントは受け身ではなく、主体的にセッションに取り組むことを求められる。ロルファーはクライアントの身体感覚の拡張、深化をあくまで補助する、という立場らしい。
ロルフィングという言葉をはじめて知ったのはトーマス・W・マイヤースのアナトミートレインだった。そのときバックミンスターフラーのテンセグリティという概念にもはじめて触れた。その後しばらくしてクリニックの勉強会でArchitecture of Human Living Fasciaをやったときに、映像をみながらファシアやテンセグリティというものがおぼろげながらイメージできた。
アイダ・ロルフは、ずいぶん前からファシアに言及している、先見の明のあるひとのよう。個人的な感想として、ボディワークと呼ばれるものは、書籍を読んだだけでは、よくわからない。そのわからなさについて、本書で書かれていることは、だいたい以下のようなもの。
感覚には上位のものと、下位のものがある。視聴覚は上位で、触味嗅覚は下位。その理由は、対象との距離だという。つまり、より客観化できる感覚が上等だとされてきた。ベースにはプラトン・デカルト以降の心身二元論がある。アリストテレスによれば、より対象の差別性を認識できる優れた感覚は視覚だという。言うまでもなく、ひとの感覚情報の認識は、多くを視覚に頼っている。
しかし、ボディワークというのは身体感覚の探求で、身体図式の再構成を行うもの。視覚も当然含まれるが、おもに内的な運動感覚を養うものが多い。
自転車に乗れるようになったときに、乗れなかったときの感覚には戻れないような変化は、多くのひとが味わっているはずであるし、なんらかのスポーツに取り組んでいたひとならなおさら、技能習熟の過程で身体感覚的なブレークスルーを確かなものとして経験してきたと思う。
けれど、やってみたひとにしかわからない、わかったひともそれを説明するのが難しい。可視化できない感覚的な確実さは、なかなかひとには伝わらない。そのあたりが、ボディワークのわかりにくさの理由かと思われる。
長らくロルフの著作は翻訳許可がおりなかったらしく、あまり日本語ではお目にかかれないので、ちょっとずつ原書ものぞいてみたい。
(塩﨑 由規)
出版元:日本評論社
(掲載日:2022-07-11)
タグ:ロルフィング
カテゴリ ボディワーク
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