スポーツ傷害のリハビリテーション
山下 敏彦 武藤 芳照
本書はアスレティックリハビリテーションについて書かれている。アスレティックリハビリテーションの定義やアスレティックトレーナーについての説明から始まり、基本となるストレッチ、トレーニング、有酸素運動、水中運動、物理療法、アイシング、テーピングなどの基礎知識が事細かに書かれている。
とくにスポーツで傷害が起きやすい腰部、膝、下腿・足部、肩、肘・手といった部位について安静期や回復期などの時期にどういったことを行えばよいのかが書かれている。さらに各部位に関しても非常に多くの写真が掲載されており、どういったエクササイズやストレッチを行えばいいのかが一目でわかる。
全体的な印象としてアスレティックトレーナー専門科目テキストの第七巻「アスレティックリハビリテーション」をより詳しく説明している内容である。途中で挟むコラムも「運動中に水を飲むな!の誤り」や「スポーツ傷害とドーピング」などがあり、非常に面白い内容となっている。
(三嶽 大輔)
出版元:金原出版
(掲載日:2011-12-13)
タグ:アスレティックリハビリテーション 傷害
カテゴリ スポーツ医学
CiNii Booksで検索:スポーツ傷害のリハビリテーション
紀伊國屋書店ウェブストアで検索:スポーツ傷害のリハビリテーション
e-hon
高齢者さわやか体操
石井 紀夫 石井 千恵
高齢者の健康づくりに携わる人向けの、指導を行ううえで知っておきたい基礎知識と体操の実技をまとめたもの。基礎知識編では、高齢者の性格の変化や、痴呆高齢者への対処、介護保険制度について分かりやすく書かれている。コミュニケーションの取り方のコツや心構えがきめ細かく記述され、著者らの高齢者に寄り添う様子がうかがえる。
実技編では、用具の呼び方が非常に面白いのだが、「お団子ボール」(ハンドエクササイザー)や「なると棒」(フレックスバー)を利用した低負荷で楽しめる範囲のエクササイズを紹介している。他にも、顔や手、足指の体操、さらに月刊スポーツメディスン連載でもおなじみのチェアエクササイズ、水中運動にフラダンスを取り入れたアクアフラダンスが紹介されている。
また青竹やフィットネストビナワ、うちわを利用した体操や、盆踊りとパラパラを融合した盆パラビクスなど、読んでいるだけでも楽しそうなエクササイズの実例が示されている。
どの実技においても、言葉がけのポイントなどに参加者にとって精神的負担にならないような考慮が感じられる。また、それぞれの担当者による示唆に富んだコラムも掲載。指導経験豊富な執筆者たちらしい1冊。
(清家 輝文)
出版元:金原出版
(掲載日:2012-10-08)
タグ:体操 高齢者
カテゴリ 運動実践
CiNii Booksで検索:高齢者さわやか体操
紀伊國屋書店ウェブストアで検索:高齢者さわやか体操
e-hon
スポーツ膝の臨床
史野 根生
月刊スポーツメディスンでも登場していただいたことのある史野先生による臨床家向けの本。膝のスポーツ外傷について、著者が実際に経験したものだけを取り上げ、著者の診断プロセス、治療方針の決定、手術や保存療法を含む治療方法について全ページカラーで示されている。
スポーツ医学というジャンルでは、多数の執筆者がそれぞれの専門を担当し、それをまとめた本が多い。専門分化していく世界なので、そうならざるを得ないところもある。だからこそ、1人の執筆者が1冊を書く、いわゆる単著の価値は大きいとも言える。
この本は、本文は80ページ程度で、簡潔にまとめられているが、随所に著者の哲学が現れる。冒頭の「序」でも、いきなり「傷害された人体の組織には治癒能力があり、医療はその治癒能力を最大限に引き出すべきである、というのが医療人としての筆者の哲学であります」という一文から始まる。個性にあふれ、哲学に富み、臨床家としての姿勢を感じることのできる1冊。こうした本が次々に生まれることを期待したい。
2008年1月20日刊
(清家 輝文)
出版元:金原出版
(掲載日:2012-10-12)
タグ:膝 整形外科 スポーツ医学
カテゴリ スポーツ医学
CiNii Booksで検索:スポーツ膝の臨床
紀伊國屋書店ウェブストアで検索:スポーツ膝の臨床
e-hon
高齢者さわやか体操
石井 紀夫
まず、高齢者の特徴を知るところから始まる。そして介護保険制度を学び、健康づくりの推進としてリハビリテーションへと進む。
実技編では、この道の第一人者、石井千恵さん、竹尾吉枝さん、岡本正一さん、鈴木孝一さんが、それぞれの得意分野でさまざまなエクササイズを紹介している。写真もあって、指導のイメージがつかみやすい。この4人の先生方は、もっといろいろな手法を持っているので、これを機に調べてみても面白いだろう。
少々高額だが、内容が濃い。これから先、ますますニーズが高まるであろう高齢者指導の幅が広がること間違いなし。
(平山 美由紀)
出版元:金原出版
(掲載日:2012-10-13)
タグ:高齢者 運動指導
カテゴリ 指導
CiNii Booksで検索:高齢者さわやか体操
紀伊國屋書店ウェブストアで検索:高齢者さわやか体操
e-hon
実践 反復性肩関節脱臼――鏡視下バンカート法のABC
菅谷 啓之
之 内視鏡を用いた手術を行うドクター、あるいは術後のリハビリテーションを担当するスタッフ向けの専門書である。治療の歴史、そして基礎として機能解剖や病態、バイオフィードバックに関しての記述、そして診断、治療の方法がまとめられている。
鏡視下手術の方法については、Bankart病変、合併病変、腱板疎部縫合、骨欠損へのブロック移植などが取り上げられている。「私のアプローチ」という見出しがあるが、これは執筆者の経験に基づき、手術の手技や問題点などが盛り込まれたもの。
専門医向けではあるが、反復性肩関節脱臼に対して、これまでどのような経緯で手術の方法が確立されてきたか、また今後も技術の進歩が続いていくということがよくわかる。
(月刊トレーニング・ジャーナル編集部)
出版元:金原出版
(掲載日:2012-10-16)
タグ:肩関節脱臼 手術法
カテゴリ スポーツ医科学
CiNii Booksで検索:実践 反復性肩関節脱臼――鏡視下バンカート法のABC
紀伊國屋書店ウェブストアで検索:実践 反復性肩関節脱臼――鏡視下バンカート法のABC
e-hon
水泳療法の理論と実際
宮下 充正 武藤 芳照
編者のひとりである武藤氏には、小社刊の『水泳の医学』という著書があるが、本書は24人の執筆陣によって「医学的治療や予防を目的として水泳を行う場合の指針となるよう」まとめられたもの。全体は16章に分けられ、「水泳運動の特性」「水中運動時の生体内変化」というバイオメカニックな面、運動生理学的な面を冒頭に置き、以下乳幼児、妊婦、喘息児、脳性まひ児、自閉症児、身体障害者、脳神経疾患、心疾患児、循環器疾患、呼吸器疾患、骨・関節疾患、皮膚疾患、健康と体力の保持・増進のための水泳、そして水泳中に発生する疾病と事故の原因といった章が続く。図表、写真もよく整理され、各章における水泳療法について「その適応と禁忌、目的(意義)、効果、国内外における現況、指導手順、注意と問題点等が理解されやすいよう」(序)配慮されている。
水泳は、競技スポーツやレクリエーション・スポーツ、教育のためのスポーツのみならず、このように、健康・体力の保持・増進、疾病・障害の治療・予防に用いられている。読者も新聞、雑誌、テレビなどでさまざまな水泳の現場を垣間みたことがあることだろう。しかし、これまではこのように、1冊にまとまったテキストがなく、水泳療法の全体を捉えることが難しかった。本書の刊行により、一般臨床医はもちろんのこと、運動生理学やスポーツ医学の研究者、そして現場で指導にあたる水泳指導者、社会体育関係者などが正しく水泳療法の理論と実際を把握できるようになったといえよう。
競技レベルにおいてもこれらの知識を有していることは有益だろう。
(月刊トレーニング・ジャーナル編集部)
出版元:金原出版
(掲載日:1984-07-10)
タグ:水泳療法
カテゴリ スポーツ医科学
CiNii Booksで検索:水泳療法の理論と実際
紀伊國屋書店ウェブストアで検索:水泳療法の理論と実際
e-hon
コ-チとプレーヤーのためのサッカー医学テキスト
財団法人日本サッカー協会スポーツ医学委員会
国際サッカー連盟(FIFA)スポーツ医学委員会が力を入れて取り組んでいるアンチドーピングなどのトピックを中心に、サッカー競技に関わる指導者、選手自身が知っておくべき内容を網羅している。とくに外傷・傷害については多くのページを割き、症例と対応を豊富に紹介。
また、FIFAの提唱する外傷予防のためのウォームアッププログラム「11+(イレブンプラス)」をDVDを用いて解説するほかにも、Jリーグチームに義務づけられている健康管理記録「サッカーヘルスメイト」や大会医事運営についても触れており、地域・レベルにかかわらずサッカー現場の安全性と質を底上げしようという姿勢がうかがえる。
(月刊トレーニング・ジャーナル編集部)
出版元:金原出版
(掲載日:2012-06-10)
タグ:サッカー
カテゴリ スポーツ医学
CiNii Booksで検索:コ-チとプレーヤーのためのサッカー医学テキスト
紀伊國屋書店ウェブストアで検索:コ-チとプレーヤーのためのサッカー医学テキスト
e-hon
障害者の体力評価ガイドライン 脳血管障害・脊髄損傷
日本リハビリテーション医学会障害者の体力評価ガイドライン策定委員会
障害を持つ人が運動を行う際、安全管理はとくに重要で、そのためには状態の把握が欠かせない。だが、傷害者の体力を評価する指針がこれまでなかったことから、議論を重ね、本ガイドラインがまとめられるに至った。そもそも「体力とは」まで立ち返り、各要素の評価法を紹介している。後半ではリハビリの現場で割合の多い脊髄損傷者と脳血管障害者の体力評価について、Q&A方式で解説している。
運動を取り入れる際に抱きがちなためらいを取り払う一助となるだろう。
(月刊トレーニング・ジャーナル編集部)
出版元:金原出版
(掲載日:2013-09-10)
タグ:体力評価 障害者
カテゴリ その他
CiNii Booksで検索:障害者の体力評価ガイドライン 脳血管障害・脊髄損傷
紀伊國屋書店ウェブストアで検索:障害者の体力評価ガイドライン 脳血管障害・脊髄損傷
e-hon
メディカルストレッチング 筋学からみた関節疾患の運動療法
丹羽 滋郎 高柳 富士丸
スポーツ選手と、高齢者や疾患のある人の身体は、一見正反対かもしれない。だが、筋の緊張をゆるめることで可動域が広がるのは同様である。よってスポーツ選手への徒手をより広く応用したものを「メディカルストレッチング」としてまとめたのが本書だ。
2008年の初版から臨床例も追記されている。重要語句が赤文字で記載されており、知識の再整理にも最適だ。
(月刊トレーニング・ジャーナル編集部)
出版元:金原出版
(掲載日:2014-03-10)
タグ:ストレッチング 関節
カテゴリ ストレッチング
CiNii Booksで検索:メディカルストレッチング 筋学からみた関節疾患の運動療法
紀伊國屋書店ウェブストアで検索:メディカルストレッチング 筋学からみた関節疾患の運動療法
e-hon
スポーツ膝の臨床
史野 根生
ACL再建手術を世界的にリードする史野氏が実際に遭遇した症例のみを取り上げ、2008年に発行された本の第2版。画像診断や最新の治療方法にも触れている。
スポーツ現場で起こるものであり、スポーツ活動への復帰を目指すことを前提に、発生機序・症状、診断、治療方法がコンパクトに解説されている。MRI画像、鏡視像も豊富に掲載され、臨床での判断の参考になる。
(月刊トレーニング・ジャーナル編集部)
出版元:金原出版
(掲載日:2015-08-10)
タグ:膝 ACL
カテゴリ スポーツ医科学
CiNii Booksで検索:スポーツ膝の臨床
紀伊國屋書店ウェブストアで検索:スポーツ膝の臨床
e-hon
スポ-ツと腰痛 メカニズム&マネジメント
山下 敏彦
スポーツ障害としての腰痛を、「サイエンティフィックな側面」と「プラクティカルな側面」から一冊にまとめている。発生メカニズムをスポーツ動作からたどり、診断のチェックポイント、治療法などを網羅。
アスレティックリハビリテーションにも多くのページが割かれ、豊富な写真を用いてエクササイズの正しい姿勢が紹介されている。さらに、プライマリケアや予防についても言及しており、腰部障害を根本的に減らしていくためにスポーツ現場において必携の書と言っても過言ではない。
(月刊トレーニング・ジャーナル編集部)
出版元:金原出版
(掲載日:2012-03-10)
タグ:腰痛
カテゴリ スポーツ医科学
CiNii Booksで検索:スポ-ツと腰痛 メカニズム&マネジメント
紀伊國屋書店ウェブストアで検索:スポ-ツと腰痛 メカニズム&マネジメント
e-hon
骨と関節健康カルテ
国分 正一
(日本臨床整形外科医会・発行)
「骨と関節」、言い換えると「手足と背骨」のケガと病気について、一般の人々にもわかりやすいように整理された本である。「家庭の医書の一冊に」と著者が言うように、生活の中で生じるケガから先天性の関節脱臼など広く掲げ、解説している。知識として身につけ、人に教えたくなる内容。
(月刊トレーニング・ジャーナル編集部)
出版元:金原出版
(掲載日:2000-02-10)
タグ:関節
カテゴリ スポーツ医科学
CiNii Booksで検索:骨と関節健康カルテ
紀伊國屋書店ウェブストアで検索:骨と関節健康カルテ
e-hon
選手と指導者のためのサッカー医学
日本サッカー協会スポーツ医学委員会
サッカー選手の医科学面を管理・研究してきたスポーツドクターによって書かれたサッカー専門の医学書。コンディション維持からケガの予防、治療まで310点もの豊富な図を用いて紹介。選手・指導者必見!
(月刊トレーニング・ジャーナル)
出版元:金原出版
(掲載日:2005-10-10)
タグ:サッカー
カテゴリ スポーツ医科学
CiNii Booksで検索:選手と指導者のためのサッカー医学
紀伊國屋書店ウェブストアで検索:選手と指導者のためのサッカー医学
e-hon
スポーツ傷害のリハビリテーション 第2版 Science and Practice
山下 敏彦 武藤 芳照
2008年発行の初版から内容がアップデートされた。後半の各論に「股関節・鼠蹊部」の章が加わったほか、内容の改訂や執筆者の追加もあるが、各部位のケガについて医師が病態と治療方針を、それを受けて理学療法士がリハビリテーションの実際を解説する形式は変わっていない。科学的根拠のある知識と、ストレッチや物理療法などの基本プログラムが土台にあるからこそ、さまざまなスポーツ傷害への対応が可能になる。現場で起こりやすい傷害は網羅されており、すべての例が教科書通りにはいかないかもしれないが、頼れる相談役のような一冊であることは間違いない。
(月刊トレーニング・ジャーナル編集部)
出版元:金原出版
(掲載日:2017-07-10)
タグ:リハビリテーション
カテゴリ スポーツ医科学
CiNii Booksで検索:スポーツ傷害のリハビリテーション 第2版 Science and Practice
紀伊國屋書店ウェブストアで検索:スポーツ傷害のリハビリテーション 第2版 Science and Practice
e-hon