高齢者の健康づくりに携わる人向けの、指導を行ううえで知っておきたい基礎知識と体操の実技をまとめたもの。
基礎知識編では、高齢者の性格の変化や、痴呆高齢者への対処、介護保険制度について分かりやすく書かれている。
コミュニケーションの取り方のコツや心構えがきめ細かく記述され、著者らの高齢者に寄り添う様子がうかがえる。
実技編では、用具の呼び方が非常に面白いのだが、「お団子ボール」(ハンドエクササイザー)や「なると棒」(フレックスバー)を利用した低負荷で楽しめる範囲のエクササイズを紹介している。
他にも、顔や手、足指の体操、さらに月刊スポーツメディスン連載でもおなじみのチェアエクササイズ、水中運動にフラダンスを取り入れたアクアフラダンスが紹介されている。
また青竹やフィットネストビナワ、うちわを利用した体操や、盆踊りとパラパラを融合した盆パラビクスなど、読んでいるだけでも楽しそうなエクササイズの実例が示されている。
どの実技においても、言葉がけのポイントなどに参加者にとって精神的負担にならないような考慮が感じられる。
また、それぞれの担当者による示唆に富んだコラムも掲載。
指導経験豊富な執筆者たちらしい1冊。
(月刊スポーツメディスン編集人・清家輝文)
総監修・石井紀夫、体操監修・石井千恵 B5判 119頁 3,200円+税
金原出版
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