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投球論

元プロ野球選手として活躍した著者が、その現役時代について実際の結果から自身を分析し論を進めている。コーチや監督などとの出会いから投手として変わっていく様子が映し出され、そこには表舞台からは見ることのできないさまざまな苦労や努力が感じられる。同時に当時の心境も語られており、豪快な部分と繊細な部分を表している。
 また、広島カープから読売巨人へと移籍を経験し、練習法や選手育成など双方の球団の特徴と異なる点なども語られており、興味深い内容であった。
 現役時代の川口氏は三振かホームランかをかけて勝負を挑むような投手としての醍醐味があり、ファンとしては最も面白い投球であったと思う。当書をきっかけに川口氏のような投手が今後のプロ野球に生まれ、活躍することを期待したい。
(池田健一)



川口 和久 著

スポーツを「読む」

本書は、39人のライターと彼らの著書をそれぞれの特徴をもって解説しています。
 中でも印象に残ったのは、パソコンを知らない海老沢泰久氏が書いたというNECのパソコンの「マニュアル」。「マニュアルというのは、その機械をよく知っている人が書くから、読み手にわかりづらい。知っている人間は、知らない人間がいるということを忘れがちで、それに気づいたとしても、知らない人間が何を知らないのかがわからないのである」――当然です。そして彼のライティングから、「事実をしっかり伝えていれば読後にはおのずと事実を超えるものがたちのぼる。しかし、あくまでも読者一人ひとりの胸に宿るべきもので、書き手が押しつけるものではない」。
 当たり前のことですが、同じものに触れても人によって感じ方が異なれば、伝え方も異なる。この本からは、ただ単にライターの表現方法や、ちょっとしたスポーツの奥深さを知り得るだけではなく、もし伝える側(たとえばライターに限らず指導者のような立場であっても)だとしたら…勉強になりました。
(大槻清馨)



重松 清 著

女性とスポーツ環境

女性の身体特性からパフォーマンスとの関係、女性スポーツの歴史に至るまで、女性とスポーツの関わりについて、幅広くまとめられた1冊である。
 一般向けの著書かと思いきや、かなり専門的なところまで言及されており、女性とスポーツについて勉強したい人にとっては参考になるだろう。
 校正ミスと思われる一文があったり、文章と図がリンクされていなかったり、本の装丁ミスなど、読み進めていく上で気になる部分がいくつかあったので、その点だけが残念である。
(石郷岡真巳)



石田 良恵 著

スクラム

「花となるより根となろう」
 慶応フォワードの伝統の言葉である。ラグビーではトライをした選手がガッツポーズをしない。それはトライ(花)はスクラム(根)をフォワードが頑張ったゆえのことと知っているからである。
 しかし、昨今ではトライの後に派手なパフォーマンスをする選手が増えた。パフォーマンス自体が悪いとは思わない。しかしラグビーが市民権を得ていたのは、そうした精神が日本人にマッチしていたからなのではないかと思う。 「男は背中でものを言う」
 これもまたしかり。新日鉄釜石のプロップ石山さんはその典型であろう。朴とつな風貌、寡黙な男。まさに高倉健である。プロップの仕事は「スクラムを押されないこと」、押されることが許されないゆえ、鎧のごとき筋肉をつけ、「必死の覚悟」で練習する。しかし、スクラムに固執はしない。「最高のトライと思うのは、スクラムから顔を上げたら、バックスが展開してトライになっていたというもので…。そうなるとフォワードは何か得をしたような気がしていたものです」勝利のためにきわめて現実的で、自分の役どころを知っているのである。
 2019年、ラグビーのワールドカップが日本で初めて開かれる。オリンピック、そしてサッカーのワールドカップに次ぐ世界的なイベントである。この本が「スクラム」の復権、いや「古きよき日本人」の復権につながることを願う。
(森下 茂)



松瀬 学 著

高齢者の転倒 病院や施設での予防と看護・介護

「転倒が高齢者の幸せを奪う病気の中心的なものの一つである」。高齢者のなかには、転倒によって人生(生活)の質の低下を余儀なくされている人が多くいます。現在、病院や介護施設だけでなく地域社会においても多くの転倒予防対策が講じられています。本書はRein Tideiksaarによる『Falls in Older Persons Prevention & Management』を日本の各施設が転倒予防対策を行う上での参考図書にと訳されたものです。
 第1章では、転倒の影響について、転倒した本人に関すること、その家族からの視点、施設側からの視点に分けて述べられています。家族がどのように感じているのかという部分について書いているものは少なく、とても参考になりました。また施設のスタッフがどのように感じているのかと点については共感できる部分が多くありました。
 第2章では転倒の原因と危険性について内的要因と外的要因に分け、詳しく説明されています。そのため、リハビリテーションを学ぶ学生にとっても転倒ということを知る上で参考になると思います。
 第3章、第4章では臨床現場での評価や予防策について、転倒歴の記録内容(SPLATT)や行為・状況別動作遂行能力検査(POEMS)などを例にあげながら述べられています。第5章では環境整備について多くのイラストとともに紹介されています。
 本書は日々の臨床と照らし合わせながら読むことができるため、新たな気づきを与えてくれる一冊だと思います。
(山際政弘)



レイン ティディクサー 著

疲れたときは、からだを動かす!

全く疲れない、疲れを感じないという人はいるのだろうか?
 そういう人は、疲れにくいカラダを手に入れていると言えるのかもしれない。練習や試合、日常生活で蓄積された疲労をコントロールし、ベストパフォーマンスを発揮するための手助けとなるアクティブレスト(積極的休養)。キーワードは「パッシブ(他動的)」ではなく「アクティブ(能動的)」。
 Jリーグやプロ野球などのプロスポーツで実際に行われているアクティブレストの方法が紹介され、ストレッチングやアイシング、ジョギングのやり方がイラストつきで丁寧に説明されている一冊。
(大塚健吾)



山本 利春 著

勝負食―トップアスリートに学ぶ本番に強い賢い食べ方

アプロのアスリートを食事で支える石川さん。石川さんの栄養アドバイスでメダルを手にしたオリンピック選手も数多い。
 その石川さんがアスリートをサポートする中で得た経験をもとに、私たちにも簡単にできる賢い栄養バランスの取り方や食べ合わせを栄養学の説明とともに紹介している。
 いざというときの目的別勝負食の摂取方法はもちろん、サプリメントの取り方についても書かれている。身体は食べ物によってつくられていることがとてもよくわかる一冊になっている。
(戸谷 舞)



石川 三知 著

運動処方の指針 運動負荷試験と運動プログラム

アメリカスポーツ医学会(ACSM)ガイドラインの第5版。1975年に第1版が発刊されて以来、臨床医学者と体育科学者の専門職の両者にとって有益な情報が提供されてきた。
 従来より「運動負荷試験」と「運動処方」に焦点をしぼり、体育科学側に重きを置いた内容となっている。専門家達による調査、レポート、出版物から引用されたデータも今まで以上に記載されており、運動の指導的立場にある方々にとって現場で活かせる一冊となっている。また、わが国が力を入れている高齢期のQOL改善にも本書に含まれた運動処方などがますます重視されるようになっている。そして著者たちの願いは机上で使うことより、現場・実地のポケットブックとして用いられることであり、大きさ、内容ともコンパクトにされている。
 現在では情報が氾濫し、ネットや書物などで情報が容易に入手できる。だからこそ大切なことはその情報を自分の中で整理し、アウトプットできるかどうかだと思う。とくに現場で働く人間にとって「知ってる」より「できる」ことの方が大きな意味を持つ。本書は現場で日々試行錯誤している指導者たちにとって、現場に持っていきたい一冊となっている。
(磯谷貴之)



アメリカスポーツ医学会 編、日本体力医学会体力科学編集委員会 監訳

間の取れる人、間抜けな人

「コミュニケーションが大切だから」「もっとコミュニケーションを取って」云々という言葉をよく耳にするのは私だけではないだろう。が、そもそも世の中で大安売りされているこの“コミュニケーション”とは一体何だろう? ただ単に“会話”や“対話”と同じ意味で用いられているような場合も少なくないのではないだろうか?
 試みに辞書でcommunicationという単語を引いてみる。「伝達、通話、文通、交通」といった意味がずらりと並んでいる。さらにその語源をインターネットで調べてみると(これもまた現代ならではの“コミュニケーション”ツールである)、「分かち合う、共通の」もしくは「交わる」といった意味のラテン語が元になっていることが分かる。すなわち、communicationとは本来、双方の認識を共有しそれらを相互伝達する(しようとする)ということにほかならないわけで、そう考えると別個体のヒトの間でそれを成し遂げようとすることがいかに難しいことか、安易なフレーズの中で乱発していい単語かどうか、ということまで改めて考えさせられてしまうのである。
 本書は「間」というものを1つの切り口としながら、ともすればステレオタイプ化しがちなその“コミュニケーション”というものの捉え方に対してプロの演出家がさまざまなアンチテーゼを示してくれる一冊である。曰く、「コミュニケーションとは本来、言葉にしにくいもの」「コミュニケーションは沈黙をメインとした空気のやり取り」といった身も蓋もないような小見出しをはじめ、間や沈黙に腰を据えることや小さな共同体の中で分を知ることなど、現代ではネガティブなものとして避けられがちなこれらの要素こそがコミュニケーションの真の要であるということを、素人をたった4日間の稽古で舞台に上げてしまう自らのワークショップや、盟友イッセー尾形氏の一人芝居を例に取りながら具体的に解説してくれている。
 コミュニケーション、コミュニケーションと安易に口にするなかれ。…などと自らを戒めながら、文字通りの「コミュニケーションのプロ」による著作に触れてみるのも秋の夜長にはいいのではないだろうか。
(伊藤謙治)



森田 雄三 著

スポーツの科学

以前と比べると、最近では「運動」に関する研究や情報がとても多く、運動に関して、専門家以外にも一般の方々が手軽にたくさんの情報を得ることができる。人々が運動に興味を持てば持つほど、1つのテーマでさまざまな情報が飛び交う時代になっているのではないだろうか。
 本書では、それぞれの専門家が自らの分野の研究をし、スポーツ科学の新しい発見を説明している。「今まではこうだった。しかし、現在ではこのような新たなことがわかっている」というように、今までの常識を覆すような新しい発見がたくさん綴られた1冊である。「わが国スポーツ科学の動向」「動くからだの科学」「健康づくりとアスリートのスポーツ科学」という3章に分けられており、内容は幅広い。一見「スポーツ科学」というと堅苦しいイメージを持たれる方もいるかもしれないが、さまざまな研究、調査が実施され、今まで正しいとされていたことや当たり前だと思っていたことが、時が経つにつれて進化をしている。専門家はもちろん、これから運動指導に携わっていく方々にぜひ読んでいただきたい1冊。きっと新しい発見があるはず。
(清水 歩)



加賀谷 淳子 著

子どもの目の健康を育てる

自分と他人は、見えている世界が違う。考えてみれば当たり前のこと。だけどそれは、ものすごく新鮮な驚きでもある。
「色を見分ける力は6~10歳でおとな並み、ものを見る経験も必要」「距離感や立体感を知る力は6歳くらいでおとな並み」「立体視の発達には3歳までが重要な時期」。おおお、なるほど。
 本書はタイトルの通り、子どもの目のトラブルのしくみや予防・対処方法などを細かく解説する本である。しかし、私が本書を読んだ感想は冒頭のとおりである。
 こんな例がある。小学生にハードルや走り高跳びをやらせると、すんなり跳べる子と躊躇してしまう子がいる。ハードルや高跳びのバーと自分との距離感がうまくつかめるかどうか、という問題だと考えている。なんで跳べないのかなぁ、と不思議に思うこともしばしばだが、本書を読んで少し納得。これまでの経験や目の特性によって、ひとりひとりが認識している世界が違うのだ。
 私には3人の子どもがいる。今年で12歳(男)、9歳(女)、4歳(女)だ。3人3様、それぞれのものの見え方が違うのだなぁ。中でも、一番下の娘が見ている世界は、私と全然違うのかもしれないと思うと、ものすごく面白い。一体、どんなふうに見えているのだろう。
(尾原陽介)



枝川 宏 著

これ一冊でわかる 着衣泳実技トレーニング

“着衣泳”という単語は多くの人にとっては耳慣れない言葉かもしれないが、服を着たまま泳ぐこと、と聞けばおそらくは容易に水難事故のシチュエーションをイメージできるであろう。本書は水中で自らの生命を維持するための、文字通りサバイバル・スイミングとしての着衣泳指導書である。
 猛暑に見舞われた今年も各地で水難事故が発生しているが、そうでなくとも水辺であればさまざまなシチュエーションで水難に遭遇する危険性は存在する(ちなみに2009年を通じての全国での水難事故発生件数は1540件)。そうした際に、サバイバル・スイミングとしての着衣泳を経験しておけば「なんらかの対応ができる可能性が高まる」(本文第1章より)のは自明の理である。
 そもそも、着衣で水に落ちたらどんな状態になるか? どんな泳法でどのように泳いだらよいか? 水中での脱衣は必要か? etc…といった点についての知識や経験がわれわれ一般人は余りにも少ない。水泳そのものの教育は学校体育や全国のスクールで盛んに行われているのにもかかわらず、である。本書の序盤から語られている通り、着衣泳の練習をプールで行っても水質衛生面ではなんら問題ないことなども踏まえて、学校や施設側は積極的にこのサバイバル・スイミングの練習を取り入れてもよいのではないだろうか。
 本文中ではこのほかにも、教科書の入っているバッグが水に浮くことやTシャツやジーパンなどさまざまな衣服の水中における重量変化データ、水着と着衣での泳距離比較など、知識として知っておけば実際のサバイバル・シチュエーションで大きな助けとなるであろう内容が段階を踏んだ技術指導解説に加えてふんだんに盛り込まれているのもありがたい。
 近年、CPRとAEDの普及でスポーツイベントのみならず日常のさまざまな場でも九死に一生を得た事例が報道されているが、戦国の昔から“日本泳法”として息づいてきた歴史のあるこの着衣泳も、そうしたサバイバル技術として普及が望まれることを改めて感じさせてくれる一冊である。
(伊藤謙治)



荒木 昭好、 野沢 巌 著

バク転完全攻略本

私はバク転ができない。だからこの本の内容が正しいのかは判断しかねる。ただ、いろいろな意味で面白い本であると思う。
 面白さの第一は、この本には、バク転ができるようになるためのことしか書いていない点だ。ありがちな、「バク転で子どもたちに笑顔を云々…」とか「人間形成をなんたらかんたら」というようなことにはまったく触れられていない。
「バク転ができればカッコイイのは間違いなし!」というためだけに、バク転を完成させるための練習法だけが書いてある。
 そして第二はその練習法である。バク転に必要な要素を分解し、さまざまな技でそれを習得してゆくのだ。最終的にそこで習得した感覚や身体の使い方を統合し、バク転を完成させるという流れになっている。まさに「攻略本」だ。
 もうひとつ、面白いと思う部分がある。それは、冒頭および各カテゴリーの扉ページに記載してある警告だ。
・あらゆる人がバク転を成功させることを保証するものではない
・物的損害、障害、後遺症、死亡などの可能性がある
・すべての運動におけるリスクは、運動を行う本人が負う
など、当たり前のことばかりだが、それをズバリと書いているのは、他のハウツー本ではあまり見たことがない。そんなことまで警告しなきゃならなくなったのか、とちょっと寂しい気持にもなったが。
 子ども向けの本なのでとてもわかりやすく、私(38歳)も練習次第でできるようになるんじゃないかという気持ちになった。でもやっぱり、やめておいたほうがいいだろうなぁ。
(尾原陽介)



吉田 哲郎 著

オリジナルワーキング

指導現場において、誰しもが一度は思う言葉、口にする言葉があるであろう。「指導現場は教科書通りにはいかない」「指導現場は理論通りにはいかない」…、というような言葉である。そして、この問題を解決するためには、トレーニングの原理・原則といった「科学的根拠」から、よい意味で、一時離れてみる必要があるのではないだろうか。
 私は本書を、指導現場のトレーニング指導者やアスレチックトレーナー、チーム運営を統括する監督・ヘッドコーチといった、さまざまな立場の方に紹介したいと思っている。本書は、博報堂制作出身者が、一般ビジネスパーソン向けに「仕事の仕方」を提案したものである。私は、本書で紹介されている仕事の仕方に対する考え方が、競技スポーツの現場において参考になり、大変有効だと考えているのである。
 なぜなら、広告という仕事は、依頼主と生活者の間に位置し、両者にとっての最良の提案をすることを必要とする、「課題解決屋」であると考えるからである。この立ち位置は、選手の傷害予防や競技パフォーマンス向上に貢献するトレーニング指導者の立場と全く一緒である。そして、その解決過程における物事の考え方は、チーム運営に関わりを持つすべての人間に対して有効だと実感したからである。
 本書の大きな目的を凝縮すると、「人間力の向上」ということになるであろう。人間力とは、物事に対する考え方と、それに基づく行動のことである。これらの要素を最適なものにするために、「知る」→「想う」→「創る」→「動く」という段階を経て説明しており、最終的に、「独創的・創造的な仕事ができる人間」を目指そうとしているのである。
 この全体の流れをスポーツ現場に当てはめると、シーズン開始における「キックオフミーティング」が頭に浮かぶ。次のシーズンの目標達成にむけて、現状を知り、さまざまな思いを巡らせながらイメージを形にしていく。そして、選手とともに動くことで、目標達成に向けて歩みを進めるのである。本書の特徴は、このようなことに関しての具体例が大変豊富であることも挙げられる。具体的な事例として、「植物物語(ライオン)」「ポッキー(グリコ)」「BOSS(サントリー)」…など、誰もが聞いたことのある身近な事例を用いて、そのコンセプトから商品開発、商品改善までの流れが非常にわかりやすく紹介されているのである。これは、競技スポーツチームの導入期・成長期・維持期・衰退期における状況打開策のヒントにもなるであろう。
 また、この手のコンセプト系、戦略系の書籍にしては大変読みやすいのがありがたい。100ページ前後であり、図解も豊富で、手書きの部分も多いことから、非常に親しみやすいものにもなっているのである。私自身、本書のお陰でコンセプトというものを楽しく理解することができたと同時に、実際のコンセプトメイキングに大変役立った経験がある。個人的に手放したくない一冊であるし、同じような悩みを持つ方に是非紹介したい一冊である。なお、他にも著者のシリーズが存在する。トレーニング指導やチームの運営・マネージメントに課題を抱えている方にはお勧めのシリーズである。
(南川哲人)



高橋 宣行 著

中高年・疾病予防(健康づくり)のための運動の実際

世界有数の“長寿国”日本。高齢社会を迎えた今、いかに“健康で長生きするか”が求められる現代。本書は、“健康寿命”を延ばすための運動指導を中心に、各疾患に対する栄養指針まで盛り込まれた一冊である。
 一見とっつきにくいが、中身は表や図、写真が多く使われ、視覚的にも訴えてくるものがあり非常にわかりやすい。また、健康づくりのための4つのキーワードを掲げ、実施者本人が個人の目標を持ち無理なく継続してできるような内容が多い。明日からすぐに使えるような運動が紹介されており、方法や留意点についても細かく記され、とても実践的で現場に即した内容となっている。
(藤井 歩)



野口 昌良 著

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