カリスマ指導者であった清宮監督の後は、自称「日本一オーラのない監督」が就任した。
しかも、早稲田大学ラグビー部という「日本一」を求められる組織にだ。
著者の組織作りは、リーダーについていくフォロワーたちが自主性を持って組織を支えていくという考え方だ。決断を下すのはリーダーであるが、フォロワ−もリーダーのつもりで考える。与えられたことを待っていてはいけないという。したがって、選手にも自分で考えることをとことん要求する。
管理と自主性のバランス、これは組織作りの永遠のテーマである。
もちろん、これに関する完璧な答えはない。ただ、成功している組織には共通点があるように思う。
それはリーダーの「情」、すなわち「愛情」と「情熱」だ。
著者は「情」の大切さを、「熱」としてこう表現している。
「何か分厚い壁を突き破ろうとするとき、理屈や情報よりも情熱が重要になる場面がしばしばある。行動の原点、すべての始まりは熱にあると言えるかもしれない」 と。
(森下 茂)
Elizabeth Best-Martini,Kim A. Botenhagen-DiGenova 著、小室史恵 監訳
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