フィーメールアスリートバイブル
鳥居 俊
女性アスリートの診療やサポートに携わってきた早稲田大学スポーツ科学学術院の鳥居先生を始め、13人の執筆陣が書いた本。
日本のスポーツにおいて、指導者は以前として男性が多く、女性の身体をきちんと理解した女性の指導者はいまだに多くはないという現状もある。この本では、女性アスリートやその指導者、女子アスリートをサポートするすべての人に読めるような内容として、外科系、内科系、婦人科系などの医学面、精神医学を含めた心理面、体力科学面、栄養学面、さらに社会的側面、ジェンダー問題と幅広い分野を網羅している。
副題は『スポーツをする女性の健康のために』。鳥居氏が前文で「増加する女性アスリートのスポーツ医科学、社会的問題をきちんとまとめておくことは重要である」と記しているように、サポートする側も女性が置かれる環境、抱える問題を認識しておく必要がある。
2005年11月25日刊
(長谷川 智憲)
出版元:ナップ
(掲載日:2012-10-10)
タグ:女性
カテゴリ スポーツ医科学
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フィーメールアスリートバイブル
鳥居 俊
現在日本ではプロ、アマ問わず女性アスリートが数多く活躍している。その反面、女性だからこそ抱える問題も数多く存在していることにあまり焦点は当てられていない。また女性の身体をきちんと理解した指導者も未だ多くない。
本書は女性アスリートの健全な競技活動をサポートしたいという筆者の願いから、医学・体力科学面はもちろん、心理面・社会的側面からも焦点を当て作成されている。筆者自身が数多くの女性アスリートと現場で接してきたからこそ、もっとよい環境で女性アスリートに競技をしてほしいという想いがこもった一冊である。
男性が読んでも、これからの競技活動に活かせるような違った視点からの考え方が得られるはずである。
(磯谷 貴之)
出版元:ナップ
(掲載日:2012-10-16)
タグ:女性アスリート
カテゴリ スポーツ医科学
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現場で役立つスポーツ損傷ガイド 診断、治療、復帰まで―
鳥居 俊
本書の印象を一言で言うならば、ずばり“The・シンプル”である。
複数の著者の原書を複数の日本のスポーツ医学の専門家が項目ごとに翻訳しているが、とくに前半に関してはどの著者も非常に説明が詳しく丁寧でわかりやすい。一例が多く挙げられ、回数や時間が記載されたものもあり非常に具体的である。
また、参考文献・参考資料の紹介もところどころに載せられてあり、読者が詳細を知る上で検索するのにとても有効である。
まさに、どんな知識レベルの人でもわかるよう幅広い読者を想定して書かれた大衆的な一冊であると言える。
一方、ここは意見が分かれるところではあるが、監訳者も述べているように、本書は多くの選択肢を敢えて避け、シンプルさ・使いやすさを一番に考えて書かれている。それゆえ、どうしても“浅く広い”知識というイメージが強い。
たとえば各部の損傷の項目では、「対応・治療」と「競技復帰」の間に入ってくるアスリハに関しての情報が少ない、「確認・診断」の基準が曖昧・説明不足なものが多い(スペシャルテストなど)といったように、全体的にコンパクトにまとまりすぎて内容が薄く感じられる。読者の中には物足りなささえ感じる人もいるであろう。
しかし、その点を考慮しても、本書はスポーツ損傷への入り口として、また緊急時など早急に対応すべきときに傍らに置いておきたい一冊として申し分ないガイドブックとなっている。
(藤井 歩)
出版元:ナップ
(掲載日:2012-11-27)
タグ:ケガ
カテゴリ スポーツ医科学
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身体動作の運動学
Vladimir M. Zatsiorsky 鳥居 俊
運動学の基本概念に必要な数学、物理学(力学)、解剖学を解説しながら、実際のスポーツ科学に応用できるよう編まれた本で、かなり専門的かつ具体的である。読者層は、スポーツ科学の大学院課程、リハビリテーション医学・科学、整形外科学の専門教育というだけに、基礎ができていないと読みこなせない。
(月刊トレーニング・ジャーナル編集部)
出版元:ナップ
(掲載日:2000-01-10)
タグ:運動学
カテゴリ スポーツ医科学
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スポーツ現場での脳振盪
Julian E. Bailes Joseph C. Maroon Mark R. Lovell 鳥居 俊 好本 裕平
「大きく強く速く」なった選手たちは、逆に中枢神経系の外傷にさらされる危険性を高めた。その代表格、脳振盪のガイドラインから発生と予防、病態、脳代謝の変化、さらにはショッキングとも言うべきNFLの元選手などによる座談会から構成される本である。
スポーツを観ていると、解説者が「脳振盪でしょうか?」と言うことがあるが、名前はよく知られているけれども、実際この外傷がどのようなものか知られていることは稀である。
「スポーツ中の脳振盪の管理に関するコロラド医学会のガイドライン」では、「健忘を伴わない意識混濁、意識消失なし」「意識消失」といった3つのグレードに分類する指針を出しており、神経学的な検査の要不要が決められている。
『スポーツ現場での脳振盪』では、神経学のうち「神経心理学」による評価と検査法が紹介されている。とくに米国プロスポーツの代表アメリカンフットボールからは、ピッツバーグ・スティーラーズの例を挙げている。項目は集中力、記憶力、運動巧緻性、運動速度についてで、特別にデザインされたテストの実施を紹介しながら、その重要性を説いている。ほかにもアイスホッケー選手の評価についても掲載されている。
脳振盪に限らずスポーツ中の外傷の管理について、直接処置に当たるのは医療関係者に限られているが、予防を考えると人任せではいられないのが脳振盪である。比較的わかりやすい本のため、メディカルスタッフ以外の指導者にもお勧めである。
(月刊トレーニング・ジャーナル編集部)
出版元:ナップ
(掲載日:2000-06-10)
タグ:脳振盪
カテゴリ スポーツ医科学
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