命のカウンセリング
長谷川 泰三
小学生のころから自分で稼いでいた著者。それは貧困と暴力、一家離散という状況で育ったことによるもの。暴走族に入るなど、荒れた生活を送る。その後、交通事故で車椅子での生活となり、人生に絶望し、自殺しようと東尋坊へ行くが、その旅の中で誰かに必要とされることが、相手にとって迷惑ではなく喜びなのだということに気づいた。一方で友人からの相談に背を向けたことで友人の自殺を止めることができなった、という罪の意識も背負うことになる。その後も度重なる「逃げる」経験を経て、筆者は自殺しようとする人専門のセラピストになった。
後半部からはグループセラピーを受けているかのようである。心が凍り付いてしまうと、表情が固まり、身体にも影響が出てくるということが実例を通して語られる。他者とのコミュニケーションを取ることに恐怖を感じていたり、きつい状況で「助けて」と言えなくなっている人に対する直接的なアプローチが描かれている。
(月刊トレーニング・ジャーナル編集部)
出版元:あさ出版
(掲載日:2012-10-15)
タグ:カウンセリング
カテゴリ 身体
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命のカウンセリング
長谷川 泰三
4歳で一家離散、中学生で暴走族の仲間入り。15歳の時に友人の無免許運転で起きた事故が原因で脊髄を損傷。このような壮絶な経験をした著者が、事故の後遺症による激痛による苦しみ、生きていることの無意味さ、自殺未遂、次々に起こる身近な人の死を経て、現在は心理分析士として苦しい状況に追い込まれて"心の感覚が麻痺"してしまった人達の相談に当たっている。
本書では著者が実際に行っているカウンセリングやグループセラピーの様子を例に挙げて、どのようなキッカケで心身の歪みが出来、どのようにして問題解決していくかを説明している。ともすると異様とも感じるグループセラピーの様子ではあるが、普通には起こり得ない状況を経験してしまった人には必要なことなのかもしれない。生と死とは、それほどに人の心に影響を与えるものなのだと改めて思わされる。
立場上、身体の相談から派生して心の相談に応じることも多いが、心の相談に関してこのような世界もあるのかと衝撃を受けた1冊である。
(石郷岡 真巳)
出版元:あさ出版
(掲載日:2012-10-15)
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