測定と評価
山本 利春
月刊スポーツメディスンに連載中の山本氏の著書。著者は勤務する国際武道大学で新入生約550人を対象に測定と評価を実施している。測定のみならず、即座にフィードバック、その後もそのデータを活用している。その経験が本書のベースである。
それだけに、単に頭でのみ考えたことではなく、現場ではどうなのかが語られていて参考になるところが多い。例えば、東大式の7項目にわたる関節弛緩性テストは、「できた!」と喜ぶ学生もいるといった笑い話のようなことも、現場では重要な話となる。
もちろん、科学的データの取り方、活かし方がメインであって、それらは「サイドストーリー」であるが、「言われていること」「語られていること」と現場での実際とのギャップは意外に大きい。「現場を知る」意味でも参考になる。
(月刊スポーツメディスン編集部)
出版元:ブックハウス・エイチディ
(掲載日:2001-11-25)
タグ:測定 評価
カテゴリ アスレティックトレーニング
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子どものからだと心 白書 2005
子どものからだと心・連絡会議
毎年12月に刊行されている白書の最新版。 最初の章「0“子どもの世紀”のために」では、子ども問題に関する年表と2005年9月に国連・子どもの権利委員会一般所見No.7「乳幼児期における子どもの権利の実践」の日本語訳を収録。以下、「Ⅰ生存」「Ⅱ保護」「Ⅲ発達」「Ⅳ生活」の各章を設け、解説と各種データの経年変化の表やグラフで構成されている。また、巻末には2004年度「第26回子どものからだと心・全国研究会議」の講演「子どもを生き生きさせる実践と理論」(小澤治夫・北海道教育大学教育学部教授)がまとめられている。 各データをじっくり眺めていると、今の子どもがどういう状態なのかがわかり、今何をすべきかと考えざるを得ない。たとえば、「子どものからだの調査2005(“実感”調査)」では、「最近増えている」という“実感”ワースト10の上位3つは以下のようになる。保育所:皮膚がカサカサ、アレルギー、背中ぐにゃ、幼稚園:アレルギー、すぐ「疲れた」という、皮膚がカサカサ、小学校:アレルギー、背中ぐにゃ、授業中じっとしていない、中学校:アレルギー、すぐ「疲れた」という、平熱36度未満、高等学校:アレルギー、腰痛、平熱36度未満。 これだけで問題の深さがわかるのではないだろうか。子どもと関わる人には座右に置いていただきたい白書である。
2005年12月11日
(清家 輝文)
出版元:ブックハウス・エイチディ
(掲載日:2012-10-10)
タグ:子ども
カテゴリ 身体
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レジスタンストレーニングのプログラムデザイン
S.T.Fleck W.J.Kraemer 長谷川 裕
レジスタンストレーニングのプログラムデザインとは、表現を換えると、筋力トレーニングの処方・立案ということになる。
この本の最大の特徴は、「科学的エビデンス」を追及したという点である。
本書は原著第3版の翻訳だが、序文で編著者は、第2版の出版以降、1万件を超える広範なレジスタンストレーニングの科学的研究文献が発表され、その最新データを反映させたと記している。第3版では、これまで「標準的な男子大学生」に関するデータが長く中心だったのに対し、女性、高齢者、子どもについても続々と公表されるデータを整理、第3部としてこれら3つの集団に対して約70頁を割いて解説している。また、近年分子生物学の発展が著しいが、この本ではその成果も活かされている。
レジスタンストレーニングをクライアントや患者さんに処方するとき、その根拠が求められる時代。トレーニングに正しさを求めるのは難しいところが多いが、膨大な文献を駆使して、一定の基準を設けようとする編著者の姿勢は評価される。「どこまでわかっているか」、そのエビデンス確保とまさに処方のために活用していただきたい。
S.T.Fleck/W.J.Kraemer編著、長谷川裕監訳
2007年1月31日刊
(清家 輝文)
出版元:ブックハウス・エイチディ
(掲載日:2012-10-11)
タグ:トレーニング プログラムデザイン
カテゴリ トレーニング
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ボブ・アンダーソンのストレッチング
ボブ・アンダーソン 堀居 昭 月刊トレーニング・ジャーナル編集部
月刊トレーニング・ジャーナル編集部 何度も紹介してきたから、今更付け加えることもないが、他書と比較して違う点を述べておきたい。まず、全頁ボブの奥さんであるジーンによるイラストとともに説明されていること。他書は写真が主である。そしてそのイラストには伸展される部分が点々で記されていてわかりやすい。次に、ボブ自身の体験がベースになっており、ストレッチングを体系づけた最初の人らしく、人柄がしのばれる書となっている。健康に楽しく生きたいという気持ちが底にあり、自分の身体が硬く弱くなったという自覚からスタートしているので、非常に説得力がある。
あまり自画自賛するのもどうかと思うが、一番大切なのは正しい方法を学び、自分でやってみて、やり続けることである。流行現象としてみる愚だけは避けたい。ストレッチングをひとつの刺激として準備運動再考も望まれる。
ボブ・アンダーソン著、堀居 昭訳、月刊トレーニング・ジャーナル編集部編
(月刊トレーニング・ジャーナル編集部)
出版元:ブックハウス・エイチディ
(掲載日:1981-11-10)
タグ:ストレッチング
カテゴリ ストレッチング
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コーチングのジレンマ
東海林 祐子
2013年夏に初版ということで、昨今よく取り上げられている指導者の問題にも触れられており、タイムリーな本である。しかし、流行り廃りというようなことで済むような内容ではなく、一指導者がコーチングについて研究を重ねた貴重な資料であると私は感じた。
とくにコーチングの方法、著者の経験、事例など、現在の私自身にも照らし合わせて考えさせられるような内容が、非常に興味深かった。コーチングに携わる指導者の方々は一冊所持しておいていいのではないか。
(河田 大輔)
出版元:ブックハウス・エイチディ
(掲載日:2014-06-17)
タグ:コーチング
カテゴリ 指導
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トレーニングを学ぶ 体育授業における理論と実践
関口 脩 下嶽 進一郎
トレーニング理論だけでなく、実践的な内容も含まれた、今までにありそうでなかった本である。
デッドリフト、フロントスクワット、ジャンプエクササイズ、ハイプル、パワークリーンなどの動作も細かいチェックポイントが示されており、動作に慣れていない選手やトレーナーが確認するにはわかりやすい。
また、本書では、映像をどのようにトレーニングに活用していくかや、ファンクショナルムーブメントスクリーン(FMS)の活用についてなど、昨今のトレーニング現場でよく使われる内容も含まれる。授業実例も豊富で、現場にあると何かと重宝する一冊である。巻末の学習カードは、そのまま体育授業の実践に活かせるだろう。
(久保田 和稔)
出版元:ブックハウス・エイチディ
(掲載日:2014-07-15)
タグ:クイックリフト 授業資料
カテゴリ トレーニング
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スポーツ医科学トピックス 1
川田 茂雄
インターネットの普及・発達により、簡単に多くの情報が手に入るようになりました。スポーツの分野においても、トレーニング理論やスポーツ理論など身体にまつわる情報もたくさん手に入るようになっています。しかし、インターネット情報の弊害として、真偽不明の情報やその人に合っていない情報も出回っています。
本書は著者である川田茂雄氏の「スポーツ医科学、最新情報を学術論文に基づいて提供したい。スポーツ科学、健康科学に興味を持ってもらいたい」という思いがこめられています。
学術論文に基づいて、サプリメントについて、トレーニングの効果、生理学、ドーピングについてなど、広い分野からの情報を手に入れることができる価値ある一冊になっています。
(大洞 裕和)
出版元:ブックハウス・エイチディ
(掲載日:2014-07-26)
タグ:科学
カテゴリ スポーツ医科学
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トレーニングを学ぶ 体育授業における理論と実践
関口 脩 下嶽 進一郎
即実践、即活用できる内容。それが本書を読んだ率直な感想である。
本書の序文にもあるが、スポーツ指導者養成校の授業カリキュラムは理論的教育が多く、トレーニング実技を伴う実践的教育の量は少ないと感じる。もちろん筆者達の働きかけにより、以前よりは実践的教育が増えたのだろうが、私が関わる学生や新卒者はトレーニング経験が乏しい。恥ずかしい話だが、学生時代の私も同様であった。
筆者はこのことが、多くの人が適切なトレーニングを実施できない要因の1つと述べているが、まさにその通りである。適切な指導ができる者がいなければトレーニングは効果のないモノ、危険なモノになってしまうからだ。
本書はトレーニング方法や、指導法が数多く載っているのではなく、筆者の実践している内容を、資料を豊富に掲載している。基礎的な原理原則といった理論から、トレーニングに慣れるための実技、パワークリーンの習得に向けて段階的な方法が記されている。
まさに授業カリキュラムのように纏められた一冊で、学生にはもちろんであるが、トレーナーが一般の方へ指導する際も参考となる内容だ。私も、この本を軸に自身の指導方法を改めてみようと考えさせられた。
(橋本 紘希)
出版元:ブックハウス・エイチディ
(掲載日:2014-04-12)
タグ:クイックリフト 授業資料
カテゴリ トレーニング
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姿勢チェックから始めるコンディショニング改善エクササイズ
弘田 雄士
よい姿勢とはいったい何か。何を見て姿勢を判断し、その姿勢をどのように改善してゆくのか。本書ではその1つの解を示している。
人は大なり小なり身体は歪んでいる。その歪みをできるだけ小さくすることは障害を防ぎ、代償動作のない効率的な動きを行うには不可欠である。静的な状態では問題がなくとも、動的な状態では問題が出てくることも少なくない。それゆえ様々な方法で姿勢のチェックを行ってゆくが、チェックを行うだけではなく、問題があるところはそれらを改善してゆくことも併せて行わなければ、チェックをしてゆく意味がない。これらは何も競技者に限ったことではなく、すべての人に共通することである。
もちろん様々な立場から何とか改善をしてゆこうとすることは大事だが、本人が意識を変えなければ改善に向かうことはない。たとえ指導で改善したとしても、その後の練習や日常生活での動作改善が行われなければ、再発することは目に見えている。目に見える部分だけではなく、目に見えない部分である意識の改善も併せて行ってゆく必要があるのではないだろうか。
本書では立位はもちろん骨盤、肩、足とテーマを分けて記載されている。これらを足がかりにその他の部位における改善方法を、自分なりに研究してゆくことも必要であろう。
(澤野 博)
出版元:ブックハウス・エイチディ
(掲載日:2014-10-30)
タグ:姿勢 評価 トレーニング ファンクショナルムーブメント
カテゴリ アスレティックトレーニング
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選手の膝をケガから守る チームで取り組む傷害予防トレーニング
大見 頼一
本書は『月刊トレーニング・ジャーナル』2012年9月号~2013年10月号に「膝の傷害予防トレーニング」として連載されたものを加筆・修正し、再編集したものである。編著者である大見先生は前十字靭帯(ACL)損傷予防トレーニングの先駆けである日本鋼管病院の栗山節郎先生の元で働いている理学療法士であり、現在は日本鋼管病院のスタッフだけでなく活動に賛同する有志で結成したスポーツ傷害予防チームを組んで神奈川県の高校バスケットボールチームを中心に活動している。
本の内容は、膝の解剖、ACLの詳細、予防プログラム、プログラムを指導する上でのポイント、職場の違うスタッフがチームを組んで行う際のメリットとデメリットについて記載されている。
ACL損傷プログラムを状況やレベルに応じて段階的に分けており、現場で実施しやすい内容になっているのがこの本の魅力的な点である。また、ACL損傷プログラムを状況やレベルに応じて段階的に分けており、とても分かりやすいため、誰もが見てすぐに実施できるのが魅力とも言える。ACL損傷が起こりやすいバスケットボール、ハンドボールなどの競技にとっては常備本として活用することができるのではないだろうか。
ACLだけでなく外傷で最も多いと言われている足関節靭帯損傷についての傷害予防トレーニングも記載しており、こちらも現場で導入しやすい内容になっている。現場で指導しているトレーナーや理学療法士にとってみてもこの予防トレーニングは、スポーツ傷害予防チームが自分たちで実施してきたものを効果があるか検証しているため、取り入れやすいのではないだろうか。
最後には競技現場でトレーナーとして介入する際に出てくる問題点や、ACL損傷予防プログラムを現場にどう落とし込んでいったかといった情報も記載しているため、同様な悩みや問題点を抱えている方々にこの本を読んでウォーミングアップやコンディションニングのツールとして導入していただければよいと思う。
(鈴木 健大)
出版元:ブックハウス・エイチディ
(掲載日:2014-12-03)
タグ:予防 トレーニング ACL損傷
カテゴリ トレーニング
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身体言葉に学ぶ知恵1
辻田 浩志
本書は、タイトルの通り身体の様々な部位にまつわる言葉の解説である。読んでいて思わず「へぇ」とか「なるほど」と、無意識に声が出る。普段、何げなく使っている身体言葉の語源の解説は、トレーナーとして活動している私の知的好奇心をそそる。また、単に言葉の語源の解説にとどまらず、整体師として、日々人の身体に真剣に向き合っている著者自身の体験や考察も興味深い。
長い日本の歴史の中で、先人たちの作った身体言葉には、現代のトレーニングやリハビリでも十分に役立つ知恵がつまっていて、身体言葉の知恵に注目した著者のその観点は、今までにない面白いものである。
(久保田 和稔)
出版元:ブックハウス・エイチディ
(掲載日:2016-04-14)
タグ:言葉 身体
カテゴリ 身体
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スポーツ現場で知っておきたい薬の話
原田 知子
本書は薬剤師でありながら全米公認アスレティックトレーナー(ATC)である原田氏が長年にわたりまとめた書籍である。『スポーツ現場で知っておきたい薬の話』というタイトルだが、一般の方も知っておきたい薬の話についてまとめている。本書では大きく3部に分けて記述されている。
第1部では、薬を使用する上で知っておくべき基本事項について紹介している。ここでは薬の正しい使い方や、薬の作用・副作用などについて細かく記述されており、誰もが知っておきたい内容である。
第2部では、状況に応じた薬の使用法について各論で紹介している。ここではスポーツ選手に関わりのある非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)から、中高齢者に関わりのある糖尿病薬まで、幅広く網羅されている。
第3部では、サプリメントやドーピングコントロールなど、その他の話題について紹介している。スポーツ現場における薬の扱い方など、すぐに活用できる内容となっている。
薬について各論で非常にわかりやすく記述されており、スポーツの有無に関係なく日常生活でも役に立つお勧めの一冊である。
(安澤 佳樹)
出版元:ブックハウス・エイチディ
(掲載日:2016-05-14)
タグ:薬
カテゴリ スポーツ医科学
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ムーブメントスキルを高める これなら伝わる、動きづくりのトレーニング
朝倉 全紀 勝原 竜太
最近、ムーブメントという言葉を目にする機会が多い。トレーニングするのは筋肉など各能力要素だけでなくムーブメントという複合的要素へのアプローチを行い、パフォーマンス向上へつなげていく。
この本は、ムーブメントスキルに焦点をおいて物理学などを駆使して解説している。物理学と聞くと難しい印象を持つが、実際に読んでみると、ムーブメントスキルという言葉から始まり、「ニュートン力学」「地面反力」「リニアムーブメント」「アジリティー」「筋力」という言葉の概念を簡潔にまとめている。
ムーブメントスキルとは、「走る」「跳ぶ」「投げる」「蹴る」などの基本動作をここでは指す。そのスキルをどのように獲得していくか、またどのように運用していくかなども解説している。そのため、動きづくりに悩んでいる選手、指導者、トレーナーを志している学生にはぜひ本書を読んでいただき、各能力の要素を理解しながら、ムーブメントドリルを作成するとさらに効果のあるトレーニングプログラムを作成できるのではと考える。
対談では、ムーブメントスキルを見る目を持つことの重要性を述べている。私もこれについては著者の意見と同感である。科学的なデータから分析することも重要だが、その場での実際の動きを見て判断することがスポーツ現場で求められる。
経験豊富なストレングスコーチが実際のスポーツ現場で得た主観的な感覚とスポーツ科学から客観的な視野が融合した一冊である。
(鈴木 健大)
出版元:ブックハウス・エイチディ
(掲載日:2016-07-14)
タグ:指導 トレーニング
カテゴリ トレーニング
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コンディショニングTips スポーツ選手の可能性を引き出すヒント集[前編]
大塚 潔 中村 千秋
本書は月刊トレーニング・ジャーナルの2013年8月号〜2015年7月号にて連載されていたものを加筆・修正し、再編集して単行本化したものである。著者と中村千秋氏による本書、トレーナー、スポーツについての対談も収録されている。その対談で著者が述べているように、本書では「次の日から挑戦しよう、頑張れば始められるぞ」という即実践できるコンディショニング方法が記載されている。
脱水、リカバリー、筋のセルフコンディショニング、長距離移動、風邪やインフルエンザ、Prehab、睡眠、栄養、サプリメント、体組成という項目で本書は構成されているが、これでまだ前編という膨大な情報量である。膨大な情報量といってしまうと、読むのに時間がいると勘違いしてしまいそうだが、そうではない。各項目でのコンディショニング方法は簡潔に説明され、資料も豊富に掲載され、ほぼこのまま選手に提供・説明できる内容になっている。正直、本書を読んでみると、聞いたことがある、知っているといった内容かもしれないが、その情報を的確に選手・チームに伝えることはできているだろうか。そして、その伝え方は選手のためになっているだろうか。もし自信があるという方は、対談の部分だけでもまず始めに読んでみることをお勧めする。トレーナーとして私たちがどんなプライドを持ったらよいのか、そのヒントが2人のベテラントレーナーから得られる内容となっている。
(橋本 紘希)
出版元:ブックハウス・エイチディ
(掲載日:2016-08-24)
タグ:コンディショニング
カテゴリ スポーツ医科学
CiNii Booksで検索:コンディショニングTips スポーツ選手の可能性を引き出すヒント集[前編]
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米国アスレティックトレーニング教育の今
阿部(平石) さゆり
勤務先の施設や学校などで、『月刊トレーニング・ジャーナル』を購読されているところも多いのではないでしょうか。私もその一人で、時間を見つけて仕事帰りに読んでいましたが、なかなか自宅のようにゆっくり読みたい記事を読みきることできずにいました。中でも、毎月楽しみに読んでいた阿部(平石)さゆりさんの連載が、今回一冊の本になったと聞いて「これでじっくり読める!」と嬉しくなったものです。
内容は、エビデンスに基づく実践の話から、現場で求められる救急力、脳振盪、アスレティックトレーナー(以下、AT)としての生き方の話まで多岐にわたっています。
どのトピックに関しても情報のソースと筆者の見解の区別が明記されていて非常にわかりやすく、読みながら思考がどんどん活性化されていくようなテンポのよい文章です。
現在日本人でアメリカのATの資格を保有している人は500人以上いるとも言われていますが、卒業年度が数年異なるだけで学ぶ内容や業界のトレンドが次々とアップデートされているような、非常に変化が早い世界です。それに加えて人々の生活も、テクノロジーの利用の仕方も、ひと世代前にアメリカで学生生活を送っていた人たちの頃とは大きく変わっていることでしょう。これだけ変化が早い世界において、アメリカのアスレティックトレーニング教育現場の文字通り最先端の情報を、これほどまでに的確なメッセージとして日本語で届けていただけることは、日本にいる私たちにとってはとても貴重なことだと思います。筆者のまえがきにもあるように、「今」のアメリカでのAT教育や、現場がどう機能しているかを切り取った本書は、まさに「今」読んでおくべき情報源です。
読者がどんな資格を持ち、現在どんなセッティングで働いているにせよ、本書にはアンテナにひっかかるトピックがひとつはあると思います。教科書としてレビューする本というよりは、気になる情報に関して参考文献を引っ張ってきてさらに知識を深めたり、同僚や同業者と意見交換をしたり、次の行動や会話を生み出すきっかけとして活用すべき書籍です。
(今中 祐子)
出版元:ブックハウス・エイチディ
(掲載日:2017-07-19)
タグ:留学 スポーツ医科学 救急救命
カテゴリ アスレティックトレーニング
CiNii Booksで検索:米国アスレティックトレーニング教育の今
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テーパリング&ピーキング 最適なパフォーマンスのために
Iñigo Mujika 水村(久埜)真由美 彦井 浩孝 寺本 寧則
テーパリング戦略の現実は試行錯誤の積み重ねであるうえに、競技特性や個々の選手によってもやり方が変わってきます。さまざまな要素が絡むために基礎となるべきデータの集積と問題点の整理が必要とされますが、それらをまとめ上げたものが本書だと言えます。
現場でテーパリングとピーキングをプログラムする際の参考として役立つものが項目別に整理されています。
テーパリングの生理学的見地と心理学的見地からの考察。具体的に数値化されたトレーニングの変化。各競技にあった方法論などが網羅されています。しかもそれらが単なる数字集めにとどまらず、問題点の掘り起こしや重要度の違いについても言及されているので活きたデータといえるでしょう。膨大なデータに裏付けされた解説には重みがあります。
練習量や運動強度、あるいは期間やペースなどをむやみやたらと減らしていけばいいというものでもありません。あくまでも試合のときに最高のパフォーマンスを発揮させることが目的ですから、テーパリングプログラムをデザインするときの目安として強い味方になりそうな内容です。
進め方でありがたかったのは「一目でわかる」という結論の表記。難解な部分も多かったので、理解できないときは結論から読んだ後に詳細を読んでいけば、頭の中で整理されるので助かりました。
(辻田 浩志)
出版元:ブックハウス・エイチディ
(掲載日:2017-10-17)
タグ:テーパリング ピーキング
カテゴリ スポーツ医科学
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ケトルベルトレーニング 入門からギレヴォイスポーツ(競技)まで
後藤 俊一
タイトルだけでこの本は理解することはできない。
トレーニングツールの一つである「ケトルベル」を使ったトレーニングを単純に紹介していくだけの本だろうかと勘違いした私自身を恥じるほど、しっかりとトレーニングやストレッチなどについて書かれた一冊である。
書評を読んでいただいている方に、ファンクショナルムーブメントスクリーン(FMS)の勉強をされている方は少なくないかと思うが、ケトルベルを利用したFMSのマニュアルとでも言うべきかと思うほど、コレクティブエクササイズについてもしっかりと書かれている。中でも57ページのゴブレットスクワットについてのコレクティブエクササイズが非常に参考になった。
スナッチやダブルクリーンについてもトレーニング方法など詳細に書かれており、イラストがついていることで非常にわかりやすい。有酸素運動という位置づけ、と書かれていることには少し驚かされ、中身を読むことで納得させられた。
全体的には写真が一枚もないことに驚く人もいるかもしれないが、個人的にはイラストで描かれていることが非常に読みやすくさせてくれた。写真はカラフルで見やすいところもあるが、イラストであればより鮮明に細かい動作の分析ができる。写真で見たい場面とはまた違う一面を見せてくれる。
長々となったが、ケトルベルを利用したトレーニングは単純なウェイトをケトルベルを使っただけで済ませるのはもったいなく感じさせられる、そんな一冊であった。導入を考えているトレーナーはもちろん、自主トレに入れたい選手たちにも読んでほしいケトルベルマニュアルとでも呼ぶべきだと感じられた。
(笠原 遼平)
出版元:ブックハウス・エイチディ
(掲載日:2018-01-16)
タグ:ケトルベル
カテゴリ トレーニング
CiNii Booksで検索:ケトルベルトレーニング 入門からギレヴォイスポーツ(競技)まで
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スポーツ現場の傷害調査 ケガの予防につなげるための取り組み
砂川 憲彦
スポーツにケガはつきものです。ケガを恐れたぬるい練習では強くなりません。また、プロスポーツにおいて、ケガを恐れた中途半端なプレーで人を感動させることはできないでしょう。
だからといってケガをする状況を放置しておいてよいはずもありません。
無事これ名馬、との言葉どおり、優秀な選手はケガが少ないと言えます。しかし、ケガの原因を個人の資質のみに求めるのは無理があります。選手が安全に、安心できる環境があってこそ自身の限界に挑めるのであり、スポーツ選手に関わる人々は、そのような環境を常に構築、保持していかなければなりません。個人の感想ですが、選手が安全安心と感じる環境を提供できている現場はケガが少なく、たとえケガをしたとしても治癒が早い印象を持っています。
本書は、選手が安全に、安心を感じるための環境づくりの礎として、自分の関わる場においてどのような傷害がどのように起きているのかを、科学的に把握する方法を解説したものです。 他の解説書と一線を画すのは、著者の取り組みにおける悩みや、試行錯誤が語られており、これから傷害予防に関わろうとする者の心情に沿ったものになっている点であると言えます。
チームで起こっているケガを把握するための第一歩として最良の一冊であると言えます。
(永田 将行)
出版元:ブックハウス・エイチディ
(掲載日:2018-05-17)
タグ:傷害調査 傷害予防
カテゴリ スポーツ医科学
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スポーツビジョン医科学教本
日本スポーツビジョン協会
五感を通じて得られる情報のうち、9割弱が眼から得られるものだと言われています。私たちは日常生活においても視覚に頼ることが大きいのです。ましてや素早い動きを要求されるスポーツにおいて、ハイパフォーマンスをするうえで次の動きをするための重要な情報をいかに正確に、いかに早く収集するかがとても重要な要素だと言えましょう。
本書は視覚を司る眼の機能や構造、そしてその能力について研究されたものです。意外に知っていそうで知らないことが多い眼の基礎知識やメガネを使用している私自身があまりきちんと把握していなかった屈折異常の問題についても詳しい解説があります。余談ではありますが、先日新しいメガネを新調したのですが、毎回行われる何種類かの検査もわけがわからないままに受けていたのですが、ここでの説明を読んで得心しました。
この本において中心となるのはスポーツビジョン。視覚能力を高め、身体機能と連携を高めることによってパフォーマンスの向上を目的とする概念ですが、動体視力という言葉くらいは知っていたものの、視覚能力というものはもっとさまざまな類型があり、競技によってもどんな能力が重要になるかは異なるようです。
そして最も重要なのは視覚能力だけを向上させてもあまり意味はなく、身体機能との連携が必要で、そういった新しいトレーニングも進化しているようです。これからのスポーツはスポーツビジョンから目が離せません。
(辻田 浩志)
出版元:ブックハウス・エイチディ
(掲載日:2019-07-29)
タグ:スポーツビジョン
カテゴリ スポーツ医科学
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テーパリング&ピーキング 最適なパフォーマンスのために
Iñigo Mujika 水村(久埜) 真由美 彦井 浩孝 寺本 寧則
テーパリング(tapering)とは、「漸減させる」という意味である。
トレーニング指導においてチームから求められることは、試合でのパフォーマンスの最大化であることは言うまでもない。コーチやトレーニング指導者は試合直前まで選手のパフォーマンス向上を目指しながら、同時にケガの発生と疲労による影響に注意しなければならない。
本書は前半でテーパリングによる身体的・心理的変化に関する研究、パフォーマンス向上のためのテーパリングメソッドを解説し、後半ではオリンピックや世界選手権で結果を残した一流選手の試合直前のコンディショニング=テーパリング記録を紹介している。
非常に興味深かったのは、第7章のトレーニングの数理的モデル化である。選手に影響を与える要素はトレーニングはもちろん生活環境や人間関係も含めありとあらゆるものがあるが、それらとパフォーマンスとの関係を可能な限り簡略化するものである。これよってそれまでの章のテーパリングの研究結果やメソッドの理解が格段に深まり、指導者がこれから実施するテーパリングの効果を予測しやすく、コントロール可能なものにする。現場にいる人間が理解・実行できる内容であることは非常に重要なポイントであろう。
瞬発的競技、持久的競技、個人競技、チーム競技など、競技特性別にポイントを解説しているのも魅力的である。豊富な科学的知見とそれらが理解しやすい構成の本書は、指導の質の向上だけでなく、選手に対する説得力や他スタッフとの円滑な連携にも寄与するはずだ。
(川浪 洋平)
出版元:ブックハウス・エイチディ
(掲載日:2019-09-25)
タグ:テーパリング ピーキング
カテゴリ スポーツ医科学
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アスレティックボディ・イン・バランス
Gray Cook 石塚 利光 菊地 真也 鈴木 岳 友岡 和彦 山下 貴士
本書を読み進めるうちにイメージしたのは自動車です。もし自動車のタイヤがねじれていたら、もし自動車の車軸がぶれていたら、高速で走れば走るほど故障や事故の可能性は高くなります。ともすればパワー中心の性能に目がいきがちですが、それはバランスがとれているという前提があってこその話です。
本書の特徴は、そのような身体のバランスから始まるトレーニングの順序の重要性を説いたところにあります。パワーやスピードを得るためのトレーニングは重要ですが、まずその前提となるバランスを整えてからパワー、スピード、アジリティを高めていき、最後に競技に必要な動きを高めるという手順は合理的です。
単にパフォーマンスの向上だけではなく傷害の回避や競技者の潜在的な問題点の洗い出しに役に立ちそうです。筋肉や関節の役割を明確にし、それらのつながりを把握するという取り組みは大きな意義があります。今まで漠然と鍛えていた身体の部位も、役割と他の部位との関連性がわかれば、おのずとトレーニングの目的も明確になり、自分の身体とその動きにも理解が広がるはずです。
(辻田 浩志)
出版元:ブックハウス・エイチディ
(掲載日:2020-12-16)
タグ:身体 バランス 評価
カテゴリ スポーツ医科学
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投球障害からの復帰と再受傷予防のために
牛島 詳力
まず始めに、本書の対象は野球に関わるトレーナーやセラピスト、指導者、学生、そしてその保護者となる。学生については自分自身でも読めることがよいが、どうしても難しい言葉、専門用語も並ぶので高校生や大学生以上の方が対象となりそうだ。
しかし、内容に関しては小学生年代からも知っておいて欲しい内容で、そのためには保護者や指導者には必読であると考えられる。もちろんそこに関わるトレーナー、セラピストも読んで欲しいが、自分が知る限り若年層のチームに帯同するトレーナーは少なく、ケガをしてしまった後に関わることが多いセラピストよりも、未然に防げる立場の方々が率先して読むことをお勧めする。
本書の「はじめに」でも書かれているが、チームにトレーナーがいても全選手のケアを全て行うことは難しく、病院や接骨院との連携が不可欠となる。それには、野球に関わるトレーナーと、スポーツの専門職とは言えないその他のセラピストとの知識のギャップを埋めることが必要となる。さらに、選手、選手に近しい存在の保護者、練習と試合の参加へ強い権限を持ってしまっている指導者らが、本書の情報を理解し実践できることが投球障害を減らすために必要であり、著者が筆をとった理由だと感じた。
筆者は11年間にも及ぶ野球チームでのアスレティックトレーナー経験で、地域の各種セラピストに「お任せできる方が非常に少ない」と感じている。
本書を読んだ私も、正直任せてもらえる立場にないことを感じてしまった。
「一球投げることによる肩、肘への負荷」「外傷・障害発生時の保存療法か手術を選択する時の判断材料」「投球できない選手のリハビリと関わり方」「ブラックバーン6」「Proprioceptive Neuromuscular Facilitation」「投球制限」など、本書に載っている言葉や説明、単語までわからないものが散見され、筆者との共通言語が少なくなってしまっていると気付かされた。もちろん、それを埋めるための本書であり、学習の始まりの機会を得ることができる。
ここでは専門用語の話をしてしまったが、選手が読んで実際のエクササイズができるように解説付きの写真も付いている。
選手、保護者が読むのであれば、「7.『野球人生』に悔いを残さないために」から読むことをおすすめする。この本の意義が分かる。
コラムにはトレーナーとしての失敗談などもあり、最初から最後まで一冊まるまる読み漏らすことなく、度重ねて読み込みたい内容となっている。
野球人口は多く、私の勤める鍼灸院にも草野球をする患者様は何人も来院する。そんな方へのアドバイスに本書から頂いた情報をすぐにアウトプットできる内容となっており、投球障害の入門書として多くのセラピストに役立つ内容になっている。また、先に選手や保護者が本書を手に取った時に、トレーナー、セラピストが本書の内容を知らないと信頼の損失は免れることはできない。
ぜひ、多くの野球関係者、医療関係者の手元に本書が届き、より選手を大切にする野球界になっていくことを期待したい。
(橋本 紘希)
出版元:ブックハウス・エイチディ
(掲載日:2021-02-26)
タグ:野球 投球
カテゴリ スポーツ医科学
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スポーツ現場で知っておきたい薬の話
原田 知子
薬の話と聞くと、私自身も苦手意識が強まり、避けたい話題と感じてしまう。アスレティックトレーナーとして、スポーツ現場で活動しているときに非常に苦手な分野だった。今思うと、薬のメカニズムを本当には理解しようとせず、薬がもたらす身体への作用を自分の知識で説明することが難しいと感じていた、単純な苦手意識だったと稚拙に感じる。
本書、第1章にある「身体に対して何らかの効果をうたっているものはすべて医薬品とみなされ、薬事法の規制を受けることになる。」ということがさらにその気持ちを助長させていたのではないかとも感じたが、読み進めるとそうではなかったことに気づかされる。身体に何らかの作用を謳うことはスポーツの業界でも散見するが、必ずしも法の規制を受けているわけではない。医薬品も同様であることを丁寧に説明してくれている。
本書は薬の効果効能だけでなく、その薬を使用したときの身体反応や細胞レベルでの反応、いろいろな形で起こる相互作用まで解説してくれている。直接、薬とは関係のなさそうないわゆるトクホ(特定保健用食品)の話やジェネリック医薬品、食品の話など、アスリートに関係すると思われる様々な視点で解説してくれている。
また、コロナで話題になった、薬やワクチンができるまでの話など、通常聞けない専門書に書かれているような話を分かりやすく解説してくれている。さらに、薬の管理やドーピング、海外への持ち出し、特に他国への持ち込みなど、スポーツに携わるスタッフの非常に大きな問題を大変分かりやすく解説してくれている。
スポーツ現場で運動指導に当たる関係者の中でも、アスレティックトレーナーは医療関係者とアスリートの間でコンディショニング調整を行う必要がり、薬の話は知るべき内容であることは疑う余地はない。周知の事実として、ドーピングコントロールという概念が求められるため、アスリートが薬を服用する場合は、アスリートやアスリートを支えるスタッフは、一般的な効果効能以上に気を付けて服用しなくてはいけないということをさらに強く感じることができた。
それ以外にも最後に書いてくださった選手教育に関しての話は、指導者やアスリートに一番近い在存の親子さんたちにとっても大切なことであり、一番基本的なコンディショニング把握の一歩目になることが、本書を通して実感することができる。本書は薬のことについて質問を受ける可能性のある人にとっては、必携の一冊といっても過言ではないと痛感する。
(河田 絹一郎)
出版元:ブックハウス・エイチディ
(掲載日:2021-07-26)
タグ:薬学 ドーピング
カテゴリ スポーツ医科学
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スポーツ現場で知っておきたい薬の話
原田 知子
アスレティックトレーナーに向けて薬について知っておきたい知識が満遍なく書かれている一冊です。
・薬の基礎知識
・症状別に薬剤について作用やメカニズム、注意事項について
・サプリメントやドーピングについてなど
のように、薬をテーマに様々な角度から解説してあります。
とくに症状別のところでは、それぞれの疾患について身体の構造から疾患発症の仕組みなどから詳しく書かれているため、薬がどのように作用しているのかが分かりやすい内容になっています。
内科疾患についてあまり学んでいない方々にとっては、テーマは薬ですが、この一冊で様々な疾患について発症から治療までの流れをつかむことができるので、その都度調べてみるのも面白いと思います。
薬を服用している人はどこにでもいるので、スポーツに関わる方だけでなく、一般の方やスポーツ以外の医療に関わっている方も読みやすく書かれており、いつでも手に取れるようにそばに置いておくと便利です。
個人的には、薬の詳しい知識を得るためと疾患についての復習に使える一冊です。
(山口 玲奈)
出版元:ブックハウス・エイチディ
(掲載日:2022-02-10)
タグ:薬学 ドーピング
カテゴリ スポーツ医科学
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投球障害からの復帰と再受傷予防のために
牛島 詳力
MLBのトレーナーから中学硬式野球チームのコンディショニングコーチ兼アスレティックトレーナーまで務めたATCおよび柔道整復師の著者が、投球障害に限定し、受傷後にどのように復帰させていくか、また再受傷しないためにどのようなことが必要なのかを詳しく解説してある一冊。
鍼灸の臨床ではちょくちょく学生の投球障害をみることがあります。著者が述べているように、チーム所属のトレーナーなどではなく地域の治療家に多くが委ねられていますが、専門の教育がなされていない分、任せられるところがないとのことで、我々臨床家もこのくらいの知識は持ち合わせておくべきかと感じました。
治療法については医学書などに詳しく解説がありますが、復帰するまで各段階での評価や訓練方法、さらには再受傷予防という重要なポイントまでをとくに詳しく書かれているものはなかなか目にすることがありませんでした。地域医療を支えたいと考えている方に、こちらの本をお勧めします。
エクササイズの種類が豊富で、現場に密着した内容なので、さっそく実践していきたいと思いました。
(山口 玲奈)
出版元:ブックハウス・エイチディ
(掲載日:2022-03-17)
タグ:投球 野球 予防
カテゴリ スポーツ医科学
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