自転車と健康
前田 寛 石橋 健司 岡内 優明
これから何か運動をしていこうと考えている人に対し、自転車の魅力を歴史から始まり、運動生理学、栄養学、力学などを通じて紹介している。各項目とも必要なことだけをポイントを押さえて解説しており、力学についてはとくに縁のない人でもわかりやすいように図をうまく利用して解説されている。
どのようにトレーニングをしていけば体力が向上するかというトレーニング理論はあまり紹介されていないが、1つ面白いトレーニングが紹介されている。それは力を音に変換し、フィードバックを行う方法で、非常に独創的な発想だ。トレーニング中に音程や音量が変化すればトレーニングをしている本人は嫌でも気がつく。数値といった視覚ではなく、聴覚で認識させることにより、効果的にペダリングの質の改善をすることが可能になる。
本書はあまり運動に対して知識のない人でも一通り目を通すことで、「自転車とはこういうものなんだ」と普段乗っている自転車に対しても見方が変わるかもしれない。
競技だけが自転車の世界ではない。キャンプなども含めた旅の移動手段や自転車そのものに乗ることを楽しむなどさまざまな目的がある。本書を足がかりにして、自分なりの自転車との関係を築き上げてみてはいかがだろうか。
(澤野 博)
出版元:東京電機大学出版局
(掲載日:2012-02-07)
タグ:自転車 入門 トレーニング
カテゴリ トレーニング
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運動分子生物学
大日方 昴 山田 茂 後藤 勝正
細胞膜やミトコンドリアの外膜を物質はどのように通過しているのか。そこに仕組みは必ずあるはずであるが、一般の生化学や生理学の書籍ではなかなかそこまで記載していない。その疑問を解決する一つの手段になりうる書籍である。遺伝子をはじめ筋細胞内外の構造変化やエネルギー代謝、シグナル伝達機構などを筋の構造や機能を細胞単位ではなく、さらに細かい分子単位を基準として記載されている。
とくに一般の生化学や生理学の書籍と異なる点は、運動前後でそれらがどのように変化しているのかが記載されており、トレーニング原理を考えるうえでは非常に役に立つ。
しかしこれらを理解するためには、まずは生化学や生理学の基本的な流れを理解していることが前提となる。
細胞を分子レベルで考えるとどうしても単一の細胞に目が向きがちになるが、筋細胞1つでは何もできない。筋細胞だけではなく、その周りの構造も筋収縮を行うためには必要なものである。
トレーニングもそうだが、全体像を意識して詳細を考えてゆかなければ、方向性を見失ってしまう。
(澤野 博)
出版元:ナップ
(掲載日:2012-02-07)
タグ:分子生物学 生化学
カテゴリ 生命科学
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100km・ウルトラマラソン
夜久 弘
ウルトラマラソンのランナーでもある著者が出場した「丹後100kmウルトラマラソン」の体験記とウルトラマラソンを介して出会った8名のランナーの物語をまとめた書籍。ウルトラマラソンの持っている魅力が様々な視点から語られている。
競技となると勝敗やタイムにこだわる必要はある。しかしどうやらウルトラマラソンの魅力はそこではないらしい。景色を楽しみ、空気を楽しみ、出会いを楽しむ。マラソンと名前は付いているが、競技とは全く別物のようだ。
もちろん途中で制限タイムも設定されているので、それをクリアできなければ強制終了となってしまう。しかしそれをクリアするために、速さを求めているわけではない。
本書の中には途中の制限タイムに間に合わないのが確実だが、そこに向かって歩みを進める方の話も出てくる。10時間以上走り続け、それでも途中で強制終了させられる。決して良い結果は待っていないのがわかっていながら、そこに向かって歩みを進める彼ら。彼らの脚を動かす原動力はいったい何であろう。
(澤野 博)
出版元:ランナーズ
(掲載日:2012-02-07)
タグ:ウルトラマラソン ノンフィクション
カテゴリ 人生
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コンパクト生化学
大久保 岩男 賀佐 伸省
生化学というと難解な学問と感じる方も多いかもしれないが、身体運動を考える上では避けて通ることはできない。この書籍は純粋な生化学というよりも代謝、臓器やガン、免疫における生化学、解剖学、生理学と幅を広げて解説している。イラストなども比較的多く、生化学を多方面から理解できる作りになっている。
名称にコンパクトとあるが基本的な内容は網羅されており、決してコンパクトという印象はない。初期の資料としても十分に役に立つ。
これらの書籍はもちろん内容をすべて記憶できればそれに越したことはないが、必要になったときにどこに記述があるかを思い出し、確認をするという辞典のような使い方をするのも1つの使い方ではないだろうか。
受験のための勉強ではないので単に記憶だけしても、本質を理解していなければ応用力もついてこない。一度ではなく、二度三度と見ることにより、より理解が深まったり、またはさらなる解釈がひらめいたりしてくる。
基礎医学に分類される生化学は研究者だけでなく、現場で指導しているコーチも理解しておくべき内容だ。これが理解できればまた違ったトレーニングを見いだすことができるかもしれない。
(澤野 博)
出版元:南江堂
(掲載日:2012-02-07)
タグ:生化学 入門
カテゴリ スポーツ医科学
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トレーニング日誌
ヴォルフラム・リントナー
書籍というよりタイトル通りトレーニング日誌である。競技者であれば誰でも練習日誌をつけているであろう。それを自転車に特化し、52週分のデータが書き込めるようになっている。日付が入っているわけではないので、その日から52週にわたって利用できる。
もちろんそれだけではなく、トレーニングに対する基本的な考え方や、ギヤー比などのちょっとした情報を簡潔にまとめてある。
細かい理論はほとんどないため、トレーニングに対して知識がなければこの日誌を使いこなすことはできない。記録をつけることは大切であるが、それは過去のことであり、目標を達成するためにどのような計画を立ててトレーニングを進めてゆくか。最初に年間計画のページがあるため、自然とどのようにトレーニングを進めてゆくべきかを考えることができる。
そのようにきちんと計画を立てられる競技者はどんなものでもかまわないが、自他共に認めるような三日坊主にとってはこのようなものがあったほうが長続きするかもしれない。
(澤野 博)
出版元:未知谷
(掲載日:2012-02-07)
タグ:自転車 日誌 トレーニング 計画
カテゴリ トレーニング
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アナボリックステロイドとはいったい何だ
吉見 正美
スポーツで決して行ってはいけない不正の1つにドーピングがある。オリンピックや世界選手権などでメダル剥奪、出場停止といった話は毎回のように出てくる。ドーピングは検査と追う側と追われる側の歴史でもあり、情報が出てしまえば相手に裏をかかれてしまう。
しかしドーピングにも禁止物質や禁止方法など複数あるが、それらが身体にどういう影響があるのかきちんと語られている書籍は少ない。本書では筋肉増強剤として知られている、アナボリックステロイドについて述べられている。
ドーピングを行っても必ず勝利が約束されるわけではなく、その不確実な勝利の代償として、ドーピングは確実に身体を蝕む。勝利を欲するあまり、悪魔に心を売り渡してしまわぬように、倫理観のトレーニングも必要である。
近年は個人輸入をしたサプリメントや市販薬、漢方薬でドーピング違反に問われることも多くなってきている。競技者だけではなく、われわれコーチも気をつけなければならない。
(澤野 博)
出版元:体育とスポーツ出版社
(掲載日:2012-02-15)
タグ:ドーピング 生理学 倫理
カテゴリ スポーツ医科学
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中高年・疾病予防のための運動の実際
愛知医科大学運動療育センター 丹波 滋郎 野口 昌良
本書では循環器系、代謝系、運動器系の各疾患で代表的なものの病態生理とそれに基づく運動処方が紹介されている。運動器系については整形外科的なものと加齢によるものと項目を別にして紹介されている。
中高年とタイトルにあるが、小児科や産婦人科に関する内容も盛り込まれている。とくに医学的見地に基づく妊婦の運動に関する記述は、目にする機会も少ないため、非常に興味深い。
疾患治療のための運動処方だけではなく、一般的な運動処方においても、人体の基本的な機能を把握することは非常に大切なことになる。
そのうえで疾患治療の運動処方は、疾患の病態をきちんと理解しなければ、症状を悪化を引き起こしかねない。表面的な理解だけではなく、人体に対してさまざまな角度での深い理解が必要となってくる。
もちろん疾病からの回復を目指すことも大切だが、疾病を予防することも大切だ。しかし生活習慣病予防は明確な目的を設定しにくいため、疾患にかかりたいと思っている人はいないにもかかわらず、継続することが難しい。
いかに継続させるか、それは指導する側の知識や技量に大きく関わってくるのではないだろうか。
(澤野 博)
出版元:全日本病院出版会
(掲載日:2012-10-12)
タグ:高齢者 中高年 疾病予防
カテゴリ トレーニング
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サッカープレー革命2
河端 隆志 中村 泰介 小田 伸午 常足研究会
二軸感覚というキーワードですべてが語られている技術解説書の第3弾である。
トラップやキック、ヘディングなどサッカー特有のものもあるが、切り返し、フェイントなどは競技を問わずさまざまな場面で活用することができる。
トッププレーヤーの動きも解説されているが、彼らは二軸感覚という言葉は知らないはずだ。ではなぜこの動きになっているのか。その辺りにもう少し根本的なことが隠されているのかもしれない。
(澤野 博)
出版元:カンゼン
(掲載日:2012-10-13)
タグ:サッカー
カテゴリ 身体
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痛みに負けないカラダをつくる完全マスター 関節ストレッチ&トレーニング
矢野 啓介 佐嶋 健司
動きをわかりやすく写真入りで解説してあるため、一般の人にも理解しやすい。
これがあれば各自で確認しながら、ストレッチを行うことができるであろう。自重または低負荷で行う筋力トレーニングも紹介されている。
ただストレッチも万能ではない。痛みなどが改善される場合もあるが、根本をしっかりと治療しない限り、再発を繰り返すことになるので注意が必要だ。
(澤野 博)
出版元:現代書林
(掲載日:2012-10-13)
タグ:ストレッチング
カテゴリ 運動実践
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跳ぶ科学
宮下 充正 深代 千之
理想的に「跳ぶ」ことを分析した数々の結果が掲載されている。
またページ数は少ないが、当時のIT環境を考えると時代を先取りした指導の提案もされている。
経験や勘もきちんと検証され、トレーニング科学で分析された結果と合わせて、上手に利用することができれば、指導力や効率がさらに上がり、世界に通じる競技者を育てることができるのではないか。
研究者だけでなく、指導者にも科学的思考が必要である。
(澤野 博)
出版元:大修館書店
(掲載日:2012-10-13)
タグ:トレーニング科学 バイオメカニクス
カテゴリ スポーツ医科学
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瀬古利彦 マラソンの真髄
瀬古 利彦
トップレベルの競技者だった著者が、現役時代に何を考え、練習に取り組んでいたのか。
「練習は、レースで勝つために行うもの」
なぜその練習をしているのか、あるいはなぜする必要があるのか。試行錯誤をしながら、自分で考えられるようになれば、世界に近づけるかもしれない。
世界を目指している競技者は、種目を超えてぜひ読むべき一冊である。
(澤野 博)
出版元:ベースボール・マガジン社
(掲載日:2012-10-13)
タグ:マラソン
カテゴリ 指導
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トレーニング科学最新エビデンス
安部 孝
本書は日本トレーニング科学会第20回記念大会で行われた、「トレーニング科学はどこまで解明したのか」という企画の内容をまとめたものである。
さまざまな種類の報告が掲載されているが、やはり「競技力向上のトレーニング」の章が気になる。
長年の経験や勘に頼ったトレーニングではなく、根拠に基づいたトレーニングを行うことで競技者の能力を十分に引き出すことができるのではないだろうか。それがコーチの仕事である。
(澤野 博)
出版元:講談社サイエンティフィク
(掲載日:2012-10-13)
タグ:トレーニング科学
カテゴリ トレーニング
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カシタス湖の戦い エクセレンスを求めた一人の男の物語
Brad Alan Lewis 榊原 章浩
1984年ロサンゼルスオリンピックのボート競技ダブルスカル種目で金メダルを取ったブラッド・ルイスの自叙伝である。
実際にメダルを手にした競技者の軌跡は、まさに「人生を懸けた戦い」にふさわしい。もちろんそこにたどり着く道は平坦ではなかったが、怒りと勝利への貪欲さが、目標に向かって突き進む原動力になっていた。
今の日本にそれらをもっている競技者は、はたしてどれほどいるのだろうか。
(澤野 博)
出版元:東北大学出版会
(掲載日:2012-10-13)
タグ:ボート
カテゴリ 人生
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乳酸を活かしたスポーツトレーニング
八田 秀雄
乳酸について70個のQ&A形式で構成されている。一般の人が乳酸と聞いて疑問に思うことから、トレーニングに興味を持ち始めた学生が疑問に思うことまで、乳酸に関することを幅広く一通り解説してある。
本書に出てくる質問は簡単だが、それに対する回答は実は簡単ではない。しかしそれを誤解のない範囲で、かつ理解しやすい形でまとめてある。
いまだに疲労物質といわれ、誤解されている乳酸であるが、一般の人や競技者、コーチ初心者がとりあえず乳酸のことを理解するために役に立つ書籍である。
(澤野 博)
出版元:講談社サイエンティフィク
(掲載日:2012-10-13)
タグ:乳酸 トレーニング
カテゴリ スポーツ医科学
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心拍数の科学
山地 啓司
運動時に限らず、家事や事務作業、体育の授業などさまざまな日常生活の中で、心拍数を作業強度の指標としてとらえ、それらが変化する要因をデータと合わせて紹介している。
PWC150(150拍/分時になされる仕事量)などの指標の解説もあり、書物というより、事典に近い感覚の書籍である。
出版からすこし時間が経っているが、基礎生理学の部分はそれほど変化するものでもない。新しい考え方を取り入れる前に、土台をもう一度固めるために目を通してみてはいかがだろうか。
(澤野 博)
出版元:大修館書店
(掲載日:2012-10-13)
タグ:心拍数
カテゴリ 運動生理学
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ミラクルトレーニング 7週間完璧プログラム
ランス アームストロング クリス カーマイケル 本庄 俊和
自転車競技は自転車の素材や、性能だけで勝利できるものではない。それ以外にも身体能力を始め、さまざまな要素が勝利をつかみ取るためには必要になってくる。もちろんこれはどのスポーツにおいても同様だ。
近年自転車を始める人が多くなってきているという話を聞くが、自転車本体だけに話題が集中しているようにも思える。一度この本を読んで、トップレベルの競技者がどのように考えているのかと合わせて、自転車競技の奥深さに触れてほしい。
ランス・アームストロング、クリス・カーマイケル共著 本庄俊和訳
(澤野 博)
出版元:未知谷
(掲載日:2012-10-13)
タグ:自転車
カテゴリ トレーニング
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心拍トレーニング
外岡 立人
心拍数を測定することで、目標に合わせたトレーニングができる。それを測定から実際のトレーニングまで具体例を示しながら紹介している。一つ一つの内容を非常に簡潔にまとめてあり、考え方を整理しやすい。
今でこそ一般的である心拍数を利用したトレーニングであるが、いまだに心拍数さえ測定せずトレーニングを行っている姿をよく見かける。心拍数を測定することは決して難しいことではない。まずはこの書籍を参考にトレーニングを始めてみてはどうだろう。
(澤野 博)
出版元:枻出版社
(掲載日:2012-10-13)
タグ:心拍数
カテゴリ トレーニング
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10代スポーツ選手の栄養と食事
川端 理香
サプリメントに頼らず、栄養摂取はすべて食事からというコンセプトで書かれている。単品で料理を紹介しているため、組み合わせにより食事の幅も広がる。ただどのように選択するかは、競技特性やトレーニング状況を考えなければならない。
本書でも栄養士の立場で、競技特性を区分しているが、異なる立場で見れば、また違う区分になるかもしれない。食事摂取のタイミングなど現場ですぐに活用できる部分もあるが、試合前に確保が難しい料理もある。もう少し現実的な料理を紹介してもらいたかった。
(澤野 博)
出版元:大泉書店
(掲載日:2012-10-13)
タグ:食事 スポーツ栄養
カテゴリ 食
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「野球体」をつくる! ライバルに差をつける体力・技術・食事・調整方法
石橋 秀幸
器具を利用しないトレーニングを中心に紹介されているため、体力トレーニングをまだ行ったことのない中学生や高校生が初めて手に取る入門書としては十分であろう。
また体力トレーニングだけでなく、食事面についても満遍なく述べられている。本書をきっかけに、より本格的なトレーニングの知識と経験を深め、心技体が揃った競技者として成長してもらいたい。
(澤野 博)
出版元:西東社
(掲載日:2012-10-13)
タグ:野球
カテゴリ トレーニング
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スポーツ生活圏構想
電通総研スポーツ文化研究チーム 加藤 久
スポーツを24の指標から分析し、さらに都道府県別で総合順位を算出している。ここでいうスポーツは、運動競技を差しているわけではなく、いかに一般の方々が運動に興味があるか。その場所は、かける費用は、機会はということがデータとして分析されている。
出版は一昔前だが、その提案の中には、現在でも問題とされていることもある。たとえば「する」と「見る」をいかに近づけるか。各競技の普及においても頭を悩ませる問題である。
(澤野 博)
出版元:厚有出版
(掲載日:2012-10-13)
タグ:調査研究
カテゴリ その他
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金メダルレストラン
花原 勉
著者のレスリングとの関わりや、食事に関することを中心に、理論ではなく、著者の視点に立った感覚で記載されている。
競技者はこのような感覚を重視するが、指導者はそれだけではなく、根拠に基づいたものが必要になる。それを忘れて感覚だけに頼ってしまっては、継続的に競技者を育成することは難しい。
スポーツ科学が現在ほど発達していない時期に、競技者が勝利を手にするために競技外でどのようなことに取り組んでいたのかがわかる、ある意味貴重な文献である。
(澤野 博)
出版元:ベースボール・マガジン社
(掲載日:2012-10-14)
タグ:食事 レスリング
カテゴリ 食
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スプリントトレーニング
日本トレーニング科学会
スプリントトレーニングというと、トラック種目が思い浮かぶが、それだけではなく、球技などでも必要とされているものである。この本では陸上短距離を中心に、その他の競技におけるスプリントを調査分析したものを紹介している。
研究者が調査分析したものをもとに、それぞれの競技で必要と考える要素だけではなく、スプリント以外の要素も加えていかに新しいトレーニングを構築してゆくのか。競技力を向上させるために、フィジカルコーチが行わなければならないことである。
(澤野 博)
出版元:朝倉書店
(掲載日:2012-10-16)
タグ:スプリント
カテゴリ スポーツ医科学
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スポーツとフィットネスのためのサプリメントがもっとわかる!
森永スポーツ&フィットネスリサーチセンター
コーチが勉強するためというよりも競技者に読ませて、理解をさせるのによい書籍である。ケース別にわかりやすく説明もされている。
本書にもあるが、サプリメント摂取だけで能力の改善は望めない。目的に沿ったトレーニングをすることが第一。しっかりと食生活をするのが第二。そのうえで補足のためにサプリメントを利用する。
近年の合宿で、とくに中高生アスリートの食事量の少なさは非常に気になる。サプリメントより、体力トレーニングの一環として、食事に気を遣うほうが先ではないか。
(澤野 博)
出版元:森永製菓健康事業部
(掲載日:2012-10-16)
タグ:サプリメント
カテゴリ 身体
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20歳のときに知っておきたかったこと
ティナ・シ-リグ 高遠 裕子
スタンフォード大学で行われた集中授業の内容を紹介したものである。
常識にとらわれずに常に異なる側面から物事を考え行動する。スポーツにおいても金銭やトレーニング環境など満足のいく環境を得ることは非常に難しい。ただ文句を言っていてもその環境は変わらない。ではどのようにしたらそれを変えることができるのか。
考え方を変え、行動を変えることによって満足のいく環境を得られるのではないだろうか。その考え方を変えるヒントが書かれている。
(澤野 博)
出版元:阪急コミュニケーションズ
(掲載日:2012-10-16)
タグ:環境
カテゴリ メンタル
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メジャーの投球術 日本野球は、もう超えたか?
丹羽 政善
いまや日本人のメジャーリーガーは珍しいものではなくなっている。それどころか各球団のスカウトが日本野球界に熱い視線を送り続けている。その中で投手に焦点を置いて、メジャーリーグの裏側を紹介している。
科学的と思われている根拠ももとをたどるとそうではなかったり、実際の球筋と球種名の認識の違いだったり、不正投球の歴史だったり、野球にそんなに詳しくない人でも、なるほどと思える内容を中心にまとめられている。
分析をすることではなく、新しいことを考えることが指導者の本来の仕事ではないだろうか。それがどのように評価されるかは別にして。
(澤野 博)
出版元:祥伝社
(掲載日:2012-10-16)
タグ:野球 投球 メジャーリーグ
カテゴリ 指導
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頭で食べて強くなる
殖田 友子
教員向けの雑誌「体育科教育」に掲載された著者のコラムをまとめたものである。
一般的なスポーツ栄養の書籍では「勝つための食事」として色々な料理が掲載されがちだが、コラムをまとめたものであるため、本書においてはそういったものは巻末に資料として数例あるのみである。それゆえに栄養を考えるときの根本が、行間から読み取れる。
この中で学校内も含め、さまざまな分野での協力体制の提案もされているが、未だに変わっていないのが、日本の残念な現状だろう。はたしてそれができない問題点はどこにあるのか。
(澤野 博)
出版元:大修館書店
(掲載日:2012-10-16)
タグ:食事 スポーツ栄養
カテゴリ 食
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スポーツを殺すもの
谷口 源太郎
すべての物事には多面性がある。スポーツも例外ではない。どの立場で関わるのかによって、印象は異なり、感じる問題点も異なる。その問題点を指摘することは簡単であり、それは子どもでもできることだ。
しかしそれが本当に問題なのかさまざまな角度から検証や判断を行い、立場の異なる人々の意見をまとめ、改善してゆくことは非常に困難である。それは子どもにはできない。
オリンピックや世界選手権だけではなく、何らかの代表として選出されることにおいても、全員が満足することは難しいが、それをめざして関係者は努力を進めている。なぜ関係者は苦労をしてそのような努力をするのか。やはりみんなスポーツが好きだからではないだろうか。
この書籍では一般にあまり表に出てこない内容も多く書かれている。それらは確かにある面からみれば問題になる。しかしその面だけではなく多面的に考える必要もあるのではないだろうか。残念ながら私にはこの書籍は、問題点を提起することでスポーツ界をよりよいものにしてゆこうという愛情よりも、それらを書くことでの自己満足感や、スポーツに対する憎しみや嫌悪感が強く感じられる。同じ問題が繰り返されないよう、この書籍を読んだ大人が努力を続けてくれることを切に願う。
(澤野 博)
出版元:花伝社
(掲載日:2012-10-16)
タグ:批評
カテゴリ その他
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金属は人体になぜ必要か
桜井 弘
人体は主要構成元素といわれるC、H、O、N。準主要元素としてCa、P、Mg、Cl、S、K、Na。これら11種類で人体の96~97%を占めるともいわれている。そのほかにもさまざまな元素が組み合わさり、人体が構成されている。
その中でも金属類というものは意外に多く、本書によると体内での役割がある程度解明されている金属でCa、K、Na、Mg、Fe、Zn、Mn、Cu、Se、Mo、Ni、Cr、Co、Vの14種類が確認されている。
エネルギー代謝を考えていく上で、どうしても糖質、脂質、タンパク質、および高エネルギーリン酸結合の構成元素を中心に考えてしまうが、それらを代謝していくにあたって金属類も含めた微量元素の存在は欠かすことはできない。
またそれらは体内合成をすることができないため、食事として補給をするしかない。それをどのような食品から補給していくのか。過剰摂取をすればどのようになってしまうのか。サプリメントとして単一種類だけの摂取が可能になっている現在では摂取不足ではなく、過剰摂取や摂取バランスの乱れが問題になりつつある。
本書ではそれぞれの元素について現段階で解明されている役割をわかりやすく解説してある。とはいえ化学に関する基本的な知識は必要だ。
(澤野 博)
出版元:講談社
(掲載日:2012-10-16)
タグ:微量元素
カテゴリ 身体
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初めてでも楽しめる欧州サッカーの旅
元川 悦子
それぞれの国で特徴を持ち、ヨーロッパ人であれば、自国のサッカー、それも地元のチームが一番と必ずいう。本書はその魅力にとりつかれた著者が書いた、自分の経験からそのヨーロッパでサッカーを楽しむための参考書だ。
スタジアムへの道のりや試合情報や現地でのチケット入手方法、ファンや街の雰囲気などテレビやインターネットでは収集しきれないことも掲載されている。情報としては少し古いが、いずれ現地を訪れてみたいと考えているファンにとっては、想像の手助けになるであろう。
もし言葉の問題で現地観戦をすることに躊躇しているのであれば、思い切って行動してみることをおすすめする。
言葉の問題だけで現地観戦をする機会を逃すことは、非常にもったいない。現地で何かしら困ったことがあっても、サポーター同士という共通事項で、以外とうまく解決できるかもしれない。
残念ながらここに掲載されている国はヨーロッパ全土ではなく、贔屓の国やチームのことが掲載されていないかもしれない。またサッカーはヨーロッパだけが盛んなわけではなく、南米や中近東にも非常に個性的なチームが多い。自分の贔屓のチームを探して応援するのもサッカーの楽しみの1つであろう。
(澤野 博)
出版元:日本放送出版協会
(掲載日:2012-10-16)
タグ:サッカー
カテゴリ スポーツライティング
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ツールへの道
今中 大介
世界的に有名な自転車のレースであるツールドフランスに、日本人で初めて参加した著者のヨーロッパでの生活を日記形式でまとめてある。日本にいては決してわからない世界で興味があるということもあるが、情景が目に浮かぶようでどんどん引き込まれる。
自転車競技のロード種目は一見すると個人種目のようであるが、実は団体種目でもある。アシストと呼ばれる立場の競技者がサポートカーから食料などの補給をチームメンバーに行ったり、アタックをかけたほかのチームのメンバーについていったり、逆にアタックをかけられないように速いスピードで走行し、集団をコントロールしたり、さまざまなことを行いながら、チームのエースを勝たせるようにする。
海外のある地域にたった一人の日本人といて生活をしてゆくことは非常に大変だ。もちろん周りの人は外国人ということで非常によくしてくれるので全く問題はないのだが、ふとした瞬間に寂しく感じることもある。その寂しさは、日本人と会ったときに妙にうれしく感じている自分に気がつくことで、実は寂しかったのだということを再認識する。しかしその寂しさがあることをわかった上で、日本を飛び出しストイックに世界基準の中で戦うことが必要ではないであろうか。科学的トレーニングという言葉に踊らされることなく、競技者として何を求めるのか。勝利に対する想いを再認識させられた。
(澤野 博)
出版元:未知谷
(掲載日:2013-03-22)
タグ:自転車
カテゴリ スポーツライティング
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姿勢チェックから始めるコンディショニング改善エクササイズ
弘田 雄士
よい姿勢とはいったい何か。何を見て姿勢を判断し、その姿勢をどのように改善してゆくのか。本書ではその1つの解を示している。
人は大なり小なり身体は歪んでいる。その歪みをできるだけ小さくすることは障害を防ぎ、代償動作のない効率的な動きを行うには不可欠である。静的な状態では問題がなくとも、動的な状態では問題が出てくることも少なくない。それゆえ様々な方法で姿勢のチェックを行ってゆくが、チェックを行うだけではなく、問題があるところはそれらを改善してゆくことも併せて行わなければ、チェックをしてゆく意味がない。これらは何も競技者に限ったことではなく、すべての人に共通することである。
もちろん様々な立場から何とか改善をしてゆこうとすることは大事だが、本人が意識を変えなければ改善に向かうことはない。たとえ指導で改善したとしても、その後の練習や日常生活での動作改善が行われなければ、再発することは目に見えている。目に見える部分だけではなく、目に見えない部分である意識の改善も併せて行ってゆく必要があるのではないだろうか。
本書では立位はもちろん骨盤、肩、足とテーマを分けて記載されている。これらを足がかりにその他の部位における改善方法を、自分なりに研究してゆくことも必要であろう。
(澤野 博)
出版元:ブックハウス・エイチディ
(掲載日:2014-10-30)
タグ:姿勢 評価 トレーニング ファンクショナルムーブメント
カテゴリ アスレティックトレーニング
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健康と運動
臼井 永男
本書はもともと放送大学教材として出版されたもので、何かに特化したというよりも、体力を解剖学、生理学、生化学、発育発達論などの面から総論的にまとめてある。おそらく1回の授業で1章という進み方なのであろう。
その一つ一つの章はテーマに即した内容の基本的な部分が非常によくまとめられているだけではなく、なるほどと思う内容や図表も含まれており、一般教養の体育授業としてうまくまとまっており、一般の人でも最後まで興味を持って聴けるのではないかと思う。
勉強や研究は、1つの事象について深く掘り下げてゆくことが一般的ではあるが、総論があっての各論ということを常に考える必要があるのではないかと思う。木を見て森を見ずとならないよう再認識をさせられた書籍である。
(澤野 博)
出版元:放送大学教育振興会
(掲載日:2014-11-12)
タグ:解剖学 生理学 発育発達 健康 運動
カテゴリ スポーツ医科学
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