慢性腰痛は3日で治る
高林 孝光
「“触れる筋肉”と“触れない筋肉”」「治らないのは、触ってないから」
本書は始めから終わりまで一貫して、このテーマにつきる。
この一冊には、生理学・解剖学的な内容から「“触れる筋肉”と“触れない筋肉”」「なぜ痛みが出て、なぜ治らないのか」が説明され、さまざまな治療法・手技方法や著者が“触れない筋肉”へのアプローチとして推奨している電気療法の紹介から「“触れない筋肉”にアプローチするにはどうしたらいいか」が明確に示され、最後には“いい筋肉”をつくるためのストレッチ法(セルフケア)などがイラストを使ってわかりやすく紹介されている。
全体的に読みやすく、著者が、著者自身の経験や実績に裏づけされた独自の哲学・理論を用い、どのように患者と向き合ってきたかなどが記されている非常に内容の濃い一冊になっている。
(藤井 歩)
出版元:幻冬舎
(掲載日:2012-01-18)
タグ:ケア 解剖学 腰痛
カテゴリ スポーツ医科学
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スポーツアロママッサージ
神崎 貴子
スポーツ“アロマ”マッサージ。その名の通り、スポーツマッサージにアロマセラピーの要素を加えた手技である。
マッサージによる身体的効果と、アロマセラピー特有の精油成分による身体的・精神的効果の相乗作用を狙っている。
本書では、精油(直接身体に吸収されるもの)を使用するという特徴からドーピングとの関連についても詳しく記されており、しっかりと区別化されている。
基本から応用のテクニックが多数の写真で説明されており、DVDもついて初心者にもわかりやすく示されている。後半には著者のシドニーオリンピックの活動記録やFAQ、精油成分の説明なども載っていて、非常に盛りだくさんな内容になっている。
(藤井 歩)
出版元:フレグランスジャーナル社
(掲載日:2012-01-19)
タグ:アロマ マッサージ
カテゴリ トレーニング
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骨博士が教える「老いない体」のつくり方 実践編
鄭 雄一
本書は、老化に関して骨・軟骨との関係性に焦点を絞り解説している。
著者は、老化と骨・軟骨への読者の根本的な理解を促し、その上で何が本当に必要なのかを提示する、といった非常に論理的で根拠に基づいた、段階的な説明の仕方をしている。これにより、読者自身がしっかりと納得・理解した上で、安心して読み進めて行けるような流れを作っている。
さまざまな情報が混在する現代社会において、いかに正しい情報を収集し、賢く老化と付き合いながら充実した人生を送るかについて指し示す1冊である。
本書を開くと各項目が見開き1ページに収めてあり、読者が読みやすいよう、また項目ごとにいつでもすばやく開けるように配慮されている。イラストも豊富で、視覚的に理解しやすくなっているのも嬉しい点である。さらに、ほとんどのページにはその項目で述べられた内容がわかりやすく3つにまとめられた“Point”が記載されており、そこを読むだけでもざっくりと内容を振り返れるため、より読者の理解を深めるのに役立っている。
(藤井 歩)
出版元:ワック
(掲載日:2012-09-11)
タグ:加齢 運動
カテゴリ 医学
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スポーツオノマトペ なぜ一流選手は「声」を出すのか
藤野 良孝
「ンッガァァァァー!!」「サー!」「シャァァァー!!」
こんな掛け声のような雄たけびのような、言葉とは言えないような「声」をあなたも聞いたことがないだろうか。“ただの気合の声だろう?”そう思っていたその“声”には、とてつもない魔力と勝利へのカギが隠されていた。
著者は、そんなスポーツ中に発せられる「声=オノマトペ」から、その選手の体調(調子のよさ)までわかってしまうという。そんな新しい“スポーツの見方(楽しみ方)”を提案している。
そしてこのオノマトペにさまざまな意味と効果を見出し、その種類と効果を定義づけし、この“声”を言葉の壁を超越した指導方法として有効であると説いている。
オノマトペ? 何だ、それは? そう思った方は、とにかくぜひ読んでもらいたい。オノマトペについて全く知識のない人でも安心して読めるほどわかりやすく丁寧で、そして何より著者の情熱がひしひしと伝わってくる一冊である。
(藤井 歩)
出版元:小学館
(掲載日:2012-10-14)
タグ:オノマトペ
カテゴリ 指導
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ようこそ、これからのSkin Careへ
上田 由紀子
“SkinCare”と聞いて、男性(もしくは女性の中にも…)は“自分には関係ない”“興味がない”なんて思う人もいるかもしれない。
しかし本書には、そんな人も気軽に読めるように1月〜12月と季節毎にテーマを変えたり、対談形式にすることで読みやすさを増している。
量的には少し多いと感じる部分もあるが、細かいセクションに区切られているため興味を持ったセクションだけを見ることができるし、スポーツとスキンケアの関係や、男性の髪やヒゲの悩みについてのセクションもあるため、男性も十分楽しめる内容となっている。
(藤井 歩)
出版元:奥村印刷
(掲載日:2012-10-15)
タグ:スキンケア 皮膚
カテゴリ スポーツ医科学
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中高年・疾病予防(健康づくり)のための運動の実際
愛知医科大学運動療育センター 丹羽 滋郎 野口 昌良
世界有数の“長寿国”日本。高齢社会を迎えた今、いかに“健康で長生きするか”が求められる現代。本書は、“健康寿命”を延ばすための運動指導を中心に、各疾患に対する栄養指針まで盛り込まれた一冊である。
一見とっつきにくいが、中身は表や図、写真が多く使われ、視覚的にも訴えてくるものがあり非常にわかりやすい。また、健康づくりのための4つのキーワードを掲げ、実施者本人が個人の目標を持ち無理なく継続してできるような内容が多い。明日からすぐに使えるような運動が紹介されており、方法や留意点についても細かく記され、とても実践的で現場に即した内容となっている。
(藤井 歩)
出版元:全日本病院出版会
(掲載日:2012-10-16)
タグ:運動指導 健康
カテゴリ 指導
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スポーツ常識の嘘
横江 清司 スポ-ツ医科学研究所
スポ-ツ医科学研究所“突き指は引っ張っておけばよい”、“運動は長時間続けなければ減量効果がない”。
一度は耳にしたことがあるスポーツの常識。これが全部“嘘”であるという強烈なインパクトから始まる本書。
中を開くと、序文よりも目次が先に書かれ、興味深いタイトルが“えっ!?”という驚きがさらに読者をひきつける。しかし本文を読んでみると、まったくの嘘というわけではなく、解釈を間違えると思わぬ危険性もあるのだと示唆する内容だ。
今日、スポーツ愛好家が増える中、作者の“ケガをしないでスポーツを楽しんでほしい”という思いを感じることができる一冊だ。
(藤井 歩)
出版元:HIME企画
(掲載日:2012-10-16)
タグ:身体
カテゴリ スポーツ医科学
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免疫・「自己」と「非自己」の科学
多田 富雄
「免疫」という言葉は、誰でも一度は耳にしたことがあるだろう。本書は、免疫の持つ“自己か非自己かを判断し、非自己(自分以外)を排除する”という特徴を、全体のテーマとして掲げている。
一言で「免疫」といってもその実態は実に複雑で難解である。ついつい敬遠しがちな分野であることは確かだ。だが、本書では一般の読者でもわかりやすいよう専門用語を極力減らし、細かくテーマ分けすることで少しずつ無理なく読み進めていけるような工夫がされている。生理学の教科書に書いてあるような少々お堅い内容だけではなく、「インフルエンザ」や「アレルギー」といった比較的身近な話題や、「臓器移植」・「クローン」など非常に興味深い内容も盛り込まれており、文系人間の私でも割り合いとっつきやすい一冊であった。
(藤井 歩)
出版元:日本放送出版協会
(掲載日:2012-10-16)
タグ:免疫
カテゴリ 医学
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オニババ化する女たち 女性の身体性を取り戻す
三砂 ちづる
「オニババ」。この衝撃的なタイトルに、“一体どんなことが書かれた本だろう?”と、興味を惹かれた。
本書で言う「オニババ」とは、「女性性(身体性と生殖)から離れていってしまった女性たち」のことを指している。戦後、女性の社会進出が進むにつれ女性たちは、「女性らしさ」、「女性としての生き方」を忘れ、「オニババ化」してきた。本来の女性としてのエネルギーが、今、行き場を失っている。
本書では、女性の体、性、生殖、出産などをメインに、本来の“女性らしさ”とはどのようなもので、それが現代女性にとっていかに重要であるかを問いかけ、改めて「女“性”として生きること」の意味を考えさせられる一冊になっている。
(藤井 歩)
出版元:光文社
(掲載日:2012-10-16)
タグ:女性
カテゴリ 身体
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早稲田大学競走部のおいしい寮めし
福本 健一 礒 繁雄
人が生きていく上で、“食”は欠かせない要素である。近年サプリメントが多用されている中、出来れば毎日の食事から必要な栄養素を補いたいものである。しかも、その食事がおいしければ言うことはない。
これは誰にでも言えることだが、とくにアスリートとなるとその重要性はさらに増し、毎日の食事はトレーニングと同じくらい、いやそれ以上に大切な身体づくりの基盤となってくる。食事1つで競技成績が左右されるといっても過言ではない。しかし、摂取カロリーや競技特性そしてとくに試合前など、アスリートの食事はとにかく気を使う点が多い。そこに“味”までこだわるなんて、そんなことが可能なのだろうか…?
この本に紹介されている料理は、ただの“栄養満点メニュー”ではない。実際に、食べ盛り・伸び盛りの早稲田大学競走部の男子学生たちがその味・ボリュームともに満足し、しっかりと競技成績にもつなげている、まさに栄養と味と実績が三位一体となった“アスリート育成メニュー”なのだ。また、この本に載っているメニューたちは、親元を離れ競技に打ち込んでいる学生たちの心のよりどころにもなっている。そんな温かく、“誰か”のためにつくられているメニューをみていると、「食は楽しむものである」という“食”の根源が思い起こされる。
(藤井 歩)
出版元:主婦の友社
(掲載日:2012-10-16)
タグ:食 献立 寮
カテゴリ 食
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泳ぐことの科学
吉村 豊 小菅 達男
本書は“泳ぐとは何なのか”をメインテーマとし、“泳ぎ”を科学的に説明するところから始まっている。
各泳法の説明や歴史、その泳法の動作(ストロークやキックなど)が“分節化”して解説してあり、また各泳法を専門とするトップスイマーたちの特徴的な泳ぎ方についても細かく記されている。
ある動作を言葉だけで説明されると、読み手としてはイメージが湧きにくく難しいが、本書は動作の微妙な違いがわかるよう何枚もイラストを並べたり、矢印や線を多用し、イラストとの相乗効果により出来る限り読者がイメージしやすいように配慮されて書かれているのが感じられる。
しかし、これらは筆者が提示したい“ビルド”を解説するうえでの布石に過ぎない。筆者は、今までほぼ“根性論”で成り立っていた泳ぎのトレーニングを、まずは科学的知見を踏まえ分析・分節化し、次に“パズルのピース”状になった1つひとつの動作を組み立て再構築し、できあがったその“一連の動作=泳ぎ方”を繰り返し練習することで個人に合った泳ぎを獲得できると確信しており、この過程を“ビルド”と称し、今後はそれを目指す方向へ指導方法を切り替えていかなければならないと提示している。
そして、筆者はあくまでこの考え方は若者や競技者だけのものではなく、中高年の水泳愛好家たちにも適用できると考えており、本書の後半は中高年のための水泳プログラムなども記載されていて、どの世代が読んでも納得できる内容となっている。
(藤井 歩)
出版元:日本放送出版協会
(掲載日:2012-10-16)
タグ:水泳
カテゴリ 指導
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現場で役立つスポーツ損傷ガイド 診断、治療、復帰まで―
鳥居 俊
本書の印象を一言で言うならば、ずばり“The・シンプル”である。
複数の著者の原書を複数の日本のスポーツ医学の専門家が項目ごとに翻訳しているが、とくに前半に関してはどの著者も非常に説明が詳しく丁寧でわかりやすい。一例が多く挙げられ、回数や時間が記載されたものもあり非常に具体的である。
また、参考文献・参考資料の紹介もところどころに載せられてあり、読者が詳細を知る上で検索するのにとても有効である。
まさに、どんな知識レベルの人でもわかるよう幅広い読者を想定して書かれた大衆的な一冊であると言える。
一方、ここは意見が分かれるところではあるが、監訳者も述べているように、本書は多くの選択肢を敢えて避け、シンプルさ・使いやすさを一番に考えて書かれている。それゆえ、どうしても“浅く広い”知識というイメージが強い。
たとえば各部の損傷の項目では、「対応・治療」と「競技復帰」の間に入ってくるアスリハに関しての情報が少ない、「確認・診断」の基準が曖昧・説明不足なものが多い(スペシャルテストなど)といったように、全体的にコンパクトにまとまりすぎて内容が薄く感じられる。読者の中には物足りなささえ感じる人もいるであろう。
しかし、その点を考慮しても、本書はスポーツ損傷への入り口として、また緊急時など早急に対応すべきときに傍らに置いておきたい一冊として申し分ないガイドブックとなっている。
(藤井 歩)
出版元:ナップ
(掲載日:2012-11-27)
タグ:ケガ
カテゴリ スポーツ医科学
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アナトミー・トレイン 徒手運動療法のための筋筋膜経線
Thomas W. Myers 松下 松雄
著者のいう“アナトミー・トレイン(解剖列車)”とは、“身体をどう見ていくか”という、ものの見方の一つであり、身体の結合組織線維の走行=筋筋膜経線を表している。
多くの筋筋膜療法で行われる個々の筋筋膜を対象にしたものではなく、人体を走る広い筋筋膜の連続体、つまり“緊張と運動を伝達する線”を意味している。
訳文が本文に忠実であるがゆえに、文章が直訳されすぎて読みにくい表現がところどころにあるのがやや難点ではあるが、各経線についてそれぞれイラストを多用し、始まりから終わりまでの流れを追った説明がされており、各章の最初のページを読むだけでも簡単に理解ができる内容となっている
(藤井 歩)
出版元:医学書院
(掲載日:2014-02-07)
タグ:筋 徒手療法
カテゴリ スポーツ医科学
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テニスパフォーマンスのための実践トレーニングガイド
Carl Petersen Nina Nittinger 別府 諸兄
この本の軸となっているもの、それは「体系化」である。本書は、各項目を実に多くの専門家たちが分担して訳している。しかし、その中で一貫して「体系的に行う」というテーマがぶれることなく掲げられているのだ。
本書の冒頭に記されているように、理想のモデルとは個々の諸要素を単独で捉えるのではなく一つ一つの歯車と考え、それらをうまくかみ合わせ連動させることにより、その歯車たちの中心にある“パフォーマンスのギア”をスムーズかつ効率よく回すことである。
何か一つ欠けても歯車はうまく回ってはくれない、何か一つだけよく回っても歯車はバランスを崩す。いろんな要素が作用し、それらが相乗効果を成し、パフォーマンスはつくられていくのだ。
トレーニング、ケア、環境、メンタル。多すぎても少なすぎてもうまくいかない。微妙なバランスを保ったときこそ最高のパフォーマンスが生まれる。そう教えてくれる一冊である。
(藤井 歩)
出版元:ナップ
(掲載日:2014-03-20)
タグ:テニス
カテゴリ トレーニング
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スポーツ内科アカデメイア スポーツを科学的に実践するために
賀来 正俊
“スポーツ疾患”と聞けば、まず最初に思いつくのが整形外科疾患ではないだろうか。しかし、これらは受傷機転や部位、程度など比較的“外”から見て特定しやすく、早期治療を受けやすい。
本当に気を付けなければならないのは、実は監督やコーチ、家族、そして自身さえも気がつかないうちに潜在的に進行していく内科疾患のほうである。
皮肉なことに、スポーツ現場において内科疾患は少なくなく、整形外科疾患よりも重篤な状態に陥りやすいといっても過言ではない。時には選手生命のみならず、本当の命までも落とすことになりかねないのだ。
本書は、“より健康に、より長いスポーツ生命を維持し、生涯においてスポーツ・運動を愛好してもらいたい”という著者の思いをもとに、さまざまなスポーツ内科疾患の実例や、一見とっつきにくい内臓疾患なども、スポーツ現場で起こりやすい問題を絡めてわかりやすく書かれている。文章も硬すぎず、後半に著者の体験談なども盛り込まれ、非常に楽しく読める一冊である。
(藤井 歩)
出版元:南江堂
(掲載日:2014-03-26)
タグ:内科学
カテゴリ スポーツ医学
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ドラヴィエのコアトレーニングアナトミィ
フレデリック ドラヴィエ マイケル グンディル 安藤 誉 東出 顕子
本書は“コア”に焦点を合わせ作られたトレーニング教本である。ここでは“コア”を身体の部位的かつ役割的な核という大きな概念で捉え、さまざまなトレーニング種目を数多くのバリエーションを盛り込みながら紹介している。
本書の特徴としては、前半部はトレーニング初心者の疑問に答えるような形式で説明がなされ、後半部は写真やイラストを多く取り入れながら、そのエクササイズの一連の動きをわかりやすくコマ送りに紹介している。また、一つ一つの種目につきメリット、デメリット、リスクなどが細かく記され、トレーニングを行う上で陥りがちな勘違いや、間違った実施方法に常に警鐘を鳴らしてくれる。近年、DVD付きの書籍が多い中、本書は映像がなくとも容易に動きを習得できるつくりとなっている。
(藤井 歩)
出版元:ガイアブックス
(掲載日:2015-06-02)
タグ:コア
カテゴリ トレーニング
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自重筋力トレーニングアナトミィ
ブレット コントレラス 東出 顕子
本書では、すべての負荷を自重のみで行ったトレーニングを紹介している。
自重トレーニングといえば、器具を必要としないため経済的で、場所や時を選ばない大変有効なトレーニングである。加えて、アスレティックリハビリテーションなどの初期段階でも導入されるほど、その安全性・信頼性は高い。
しかし、ジムに通うトレーニング愛好家にとって自重トレーニングは“地味で負荷が軽く物足りない”という印象が強いのではないだろうか? その疑問に対しても、本書の中で著者は“レップ数を増やすことで充分強い筋肉増強刺激を得られる”と説いている。
本書のつくりとしては各部位の解剖・動きの確認を確認し、その後に部位別、または全身の種目を順に紹介していっている。綺麗なイラストも描かれ見やすくなっているものの、残念な点がいくつか見られるのが惜しい。
まず、動きがわかりにくい種目があること、各種目の難易度がバラバラに記されていること、“レップ数を増加することで充分な筋肉への刺激が得られる”という最も注目すべきテーマを掲げたにもかかわらず各種目のレップ数の記載がこれといってないこと、最後に、冒頭部や各場面で安全面への配慮を呼びかけているものの種目によっては自宅で実行するにはおおむね難しい種目もあり、読者本人も何が実行可能なのか見極めてから行う必要があるという点である。
自重トレーニングの可能性を広げてくれる一冊であることは確かだが、自重トレーニングの要所である安全性やレップ数増加に対する配慮がもう一つ欲しいところである。
(藤井 歩)
出版元:ガイアブックス
(掲載日:2015-06-10)
タグ:自重トレーニング
カテゴリ トレーニング
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スポーツ鍼灸の実際 最新の理論と実践
福林 徹 宮本 俊和
最初に本書のタイトルを見たとき、私はスポーツ疾患に対する鍼灸治療法の症例集かと思った。しかし、そうではなかった。確かに、スポーツ疾患に対する鍼灸治療についての内容が大部分を占めているものの、序盤にはスポーツ傷害についての知識、スポーツ現場におけるトレーナーや鍼灸師の役割などAT教本のような内容を含み、終盤にはスポーツ現場で活動するトレーナーにとって必要最低限の知識(救急法、マッサージ、テーピング)について簡単にではあるが押さえてある。また、スポーツ疾患に対する鍼灸治療についても総論と各論に分け、初心者でも導入しやすいつくりになっていることがわかる。
各論では、鍼灸適応疾患ばかりではなく急性外傷・慢性傷害のどちらも網羅されており、整形外科的検査法や神経反射など現場で評価するうえで有効な情報や運動療法なども載っていて、鍼灸師以外のトレーナーでも十分活用できる内容になっている。
鍼灸治療に関しても、状態によって細かく治療法が分けられており、治療の種類も豊富である。DVD付きで実際の映像として書面ではわかりづらい部分を確認できるのも嬉しい一冊である。
(藤井 歩)
出版元:医道の日本社
(掲載日:2016-05-07)
タグ:鍼灸
カテゴリ スポーツ医科学
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