最強部活の作り方 名門26校探訪
日比野 恭三
指導する生徒たちを頂点に導くためにはどうすればいいのか。
私立高校17校、公立高校9校、全26校の部活動がオムニバス形式で紹介されている。メジャースポーツの野球・サッカー・バスケットなどはもちろん、マイナースポーツのフェンシングやカヌー、文化部の書道部・競技かるた部まである。
競技も地域もチームの雰囲気も全く異なる中で、その部を最強たらしめる共通項は何か? 身も蓋もない話であるが、どのチームにも共通していたのは優秀な選手、優秀な指導者、そして恵まれた環境である。大阪桐蔭高校硬式野球部が史上初の2度目の春夏甲子園連覇を成し遂げたことは記憶に新しい。府外出身の選手を多く擁し、寮が完備され、競技に集中できる環境の中で、質の高い練習が行われる。
しかし本書から読み取るべきは、最強に至る「過程」である。部の発足から部員集め、練習法の試行錯誤、チームづくり、周囲の協力・支援、全国の舞台を勝ち抜く勝負強さ・メンタル…。
どの部もはじめから頂点に君臨していたわけではない。日本一は文字通り1つだが、日本一のストーリーはまさに十人十色である。実際に起きたさまざまな困難も包み隠さず書いてある。
それだけではない。本書に登場する指導者たちは全て、最強の「その先」を見据えていた。近年は部活動の過熱化や勝利至上主義に対する批判が高まり、「ブラック部活動」という表現をよく目にするようになった。部活動の存在意義が改めて問われている。その中で指導者たちはスポーツの、部活動のあるべき姿を模索しながら指導にあたっていた。
勝利を目指す方法論を説きながら、部活動指導の哲学書でもある本書は、指導の現場に立つ先生方にぜひ読んでいただきたい一冊である。
(川浪 洋平)
出版元:文藝春秋
(掲載日:2018-12-19)
タグ:部活動
カテゴリ 指導
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アスレティック・ムーブメント・スキル スポーツパフォーマンスのためのトレーニング
Clive Brewer 広瀬 統一 岡本 香織 干場 拓真 福田 崇 吉田 早織 安藤 豪章 馬越 博久 飯田 聡 大西 史晃 越田 専太郎 倉持 梨恵子
「動作」という言葉をここまで詳細に、多角的・多面的に、そして俯瞰して解説したものは本書をおいてほかにないと言える。
競技動作全般、中でもムーブメント=「移動」スキルに関する解説とトレーニング方法が紹介されている。ムーブメントとは動きという意味以外に、「流れ」という意味もあるようだ。ラン、方向転換、ジャンプはスポーツのパフォーマンスを支える非常に重要な基礎能力だ。それらを向上させる手段を解剖学・運動生理学・バイオメカニクスにおける根拠を示しながら解説されている。
動作が年齢によりどのように発達するのかについても多くのページを割いて説明されている。これは指導者にとっても、その指導を受けるアスリートにとっても有益である。自分が指導しているアスリートの成長段階を知ることで、最適なトレーニングの種目や負荷量を自信をもって決断できる。
トレーニングにおける「動作」という言葉は、すでに広く普及している。ファンクショナルトレーニングやピラティスなど「動作を鍛える」トレーニングメソッドはいまや限られたトップアスリートが受けられるサービスではなく、スポーツ愛好家からスポーツ習慣はなくとも健康に関心の高い一般の方にも容易に体験できる時代となった。それゆえ、動作という言葉が一人歩きをしている感は否めない。本書を読むことで動作の解釈はより明確になり、応用力・運用力は確実に向上するだろう。私自身、動作という単語の定義が曖昧だったのだが、かなり明確になったと感じる。
さまざまなトレーニング方法を点とするなら、本書はそれらをつなぎ合わせ、より高い成果を生み出す線の役割を果たす。ややアドバンスな内容であるが、学びを続ける指導者にぜひ読んでいただきたい。
(川浪 洋平)
出版元:ナップ
(掲載日:2019-02-01)
タグ:動作 トレーニング
カテゴリ 指導
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「挑戦的スローライフ」の作り方 カリフォルニア郊外でプロサーファー鍼灸師
南 秀史郎
「カリフォルニア」で「プロサーファー」かつ「鍼灸師」で「挑戦的」なのに「スローライフ」。
矛盾する言葉が表紙に並ぶ本書は、「夢に生きる」ことがテーマだ。著者は南秀史郎(みなみ ひでしろう)。1959年、大阪で200年続く鍼灸院の6代目、7人兄弟の末っ子として生を受ける。
波に飲まれれば命を落とすこともある危険なスポーツであるサーフィン。テレビで見るようなビッグウェーブに乗れるチャンスは1年に1〜2回。そんな危険な競技に著者が挑戦を続けられる理由はなんなのか。本書では物事に対する姿勢や考え方、食事や睡眠などの日々の過ごし方などが著者からの「アドバイス」として紹介されているが、著者の信念は本書の最後にある「身体的な気持ち良さを大切にする」という言葉に集約されている。
サーフィンにおける良い波に乗れたときの達成感、波の音や風、日常における食事・睡眠、日々健康に生きていることそのものへの感謝…。自分が「良いと感じたもの」をとことん追求する。それがたとえ科学的根拠に乏しいものであっても。結局は自分が実践してみて、実感したものでしか、納得のいく人生は作れないのだろう。
自分の選択に自信が持てない人や、迷いや葛藤を感じている人ぜひ読んでいただきたい一冊である。
(川浪 洋平)
出版元:医道の日本社
(掲載日:2019-04-16)
タグ:鍼灸 サーフィン
カテゴリ 人生
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トレイルズ 「道」と歩くことの哲学
ロバート ムーア Robert Moor 影山 徹 岩崎 晋也
私の生まれた町は道路が東西南北に規則正しく伸びていて、碁盤の目のようになっている。北に行けば標高が高くなり、南に行くほど海に近くなるので、北に行くことを「上に行く」、南に行くことを「下へ行く」と言い、道案内はそれで通じた。鉄道も3路線あったが全て東西に長く伸びるだけであった。
高校卒業とともに上京した私は、縦横無尽に走り枝分かれする道路や地下鉄に戸惑いを隠せなかった。
本書の道案内役はロバート・ムーア。ミドルベリー大学の特別研究員である。彼はアパラチアン・トレイル(アメリカ東北部を2,600kmにわたって連なる山脈)の全区間スルーハイクから、 ある疑問を持った。「道はどのようにしてできたのか」「なぜこの場所にできたのか」。その答えを求め、整備された都市はもちろん、原住民族のみが知るような地図にない道、目に見える道だけでなくアリの行列から古代生物の化石まで世界各地を探索した。
やがて彼は、一つの答えにたどり着く。
”道=トレイルには物語がある”。動物が生存のために天敵を避け、食料のある場所までの安全な道を作った。人類はすでにある道をできるだけ早く移動するために、また情報を伝えるためにテクノロジーを発達させた。人類の、そして地球に住む生物の太古からの営みと歴史がトレイルには刻まれていた。
我々がなぜ今ここにいるのか、どうやってこの場所にたどり着いたのか。本書は幾重にも積み重ねられたトレイルの“これまで”の物語を知るとともに、我々が“これから”をどう生きるかを考える哲学書でもある。
ロバート・ムーア氏とともにトレイルを辿る旅に出てみてはいかがだろうか。きっといい道案内役になってくれるはずである。
(川浪 洋平)
出版元:エイアンドエフ
(掲載日:2019-08-17)
タグ:道 トレイル
カテゴリ 人生
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スポーツ・コーチング学 指導理念からフィジカルトレーニングまで
Rainer Martens 大森 俊夫 山田 茂
世の中には様々な指導者がいる。厳しい指導者・優しい指導者、熱血な指導者・冷静な指導者、指導対象とする年齢や性別・カテゴリーの違い…よい指導者の条件とはなんだろうか。同じ指導者でも「あの人はいい指導者だ」「あの人はダメだ」と周囲の意見が分かれるのはなぜだろうか。
本書の著者はレイナー・マートン。元イリノイ大学教授。30年以上にわたりコーチングを実践・研究している。
目次を辿ると、指導の哲学、選手とのコミュニケーション、練習計画のたて方からフィジカルトレーニングや栄養学まで網羅し、またチームや人間関係のマネジメントまで解説されている。
本書読んで感じた一番のパラダイムシフト(認識の転換)は「指導とは一方通行ではない」ということだ。日本のスポーツ現場では指導者と選手が主・従の関係になりやすい。とくに日本の部活動では教師・生徒という関係が前提にあるため、この関係は顕著で容易に強化されやすく、指導者から選手への指示は絶対的なものになりやすい。
本書では、コーチングは指導者が自らの指導哲学を持ちながらも選手のパーソナリティを深く理解し、それに合わせた指導を行うべきであると繰り返し述べられている。どうやって指示をするかではなく、どうやって相手を理解するか、そのための知識と手法を学ぶことができる。
また、本書では理解を深めるためにコーチングの現場で起きるさまざまな事例が提示されている。その1つを紹介しよう。
ある高校の女子バレーボールチームにBeckyという選手がいた。彼女は優秀な選手であったが背が低く、いつも後衛のポジションでプレーしていた。しかし、彼女は一度でいいから前衛でプレーしたいと思っていて、チームメイトもみなその気持ちを知っていた。
チームはコーチに対し「シリーズ最後の試合で一定以上の得点を上げたら、Beckyを前衛でプレーさせてほしい」という約束を交わし、見事条件を達成した。コーチはパフォーマンスとしてはベストではないチーム編成にためらったが、約束通りBeckyを前衛として起用した。
その試合は勝利することができた。Beckyが前衛でプレーし続けられるために、チーム全員が努力して高いパフォーマンスを発揮したからだ。選手も観客も熱狂し、選手たちの顔は喜びで輝いていた。
コーチが選手たちに協調し、勝利よりも重要な目的のために行動した事例である。
コーチングを学ぶこと、コーチングの手法が普及することは指導者個人のスキル向上だけでなく、日本全体のスポーツレベルの向上に大きく寄与するはずだ。ぜひ多くの指導者の方に読んでいただきたい。
(川浪 洋平)
出版元:西村書店
(掲載日:2019-09-02)
タグ:コーチング
カテゴリ 指導
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テーパリング&ピーキング 最適なパフォーマンスのために
Iñigo Mujika 水村(久埜) 真由美 彦井 浩孝 寺本 寧則
テーパリング(tapering)とは、「漸減させる」という意味である。
トレーニング指導においてチームから求められることは、試合でのパフォーマンスの最大化であることは言うまでもない。コーチやトレーニング指導者は試合直前まで選手のパフォーマンス向上を目指しながら、同時にケガの発生と疲労による影響に注意しなければならない。
本書は前半でテーパリングによる身体的・心理的変化に関する研究、パフォーマンス向上のためのテーパリングメソッドを解説し、後半ではオリンピックや世界選手権で結果を残した一流選手の試合直前のコンディショニング=テーパリング記録を紹介している。
非常に興味深かったのは、第7章のトレーニングの数理的モデル化である。選手に影響を与える要素はトレーニングはもちろん生活環境や人間関係も含めありとあらゆるものがあるが、それらとパフォーマンスとの関係を可能な限り簡略化するものである。これよってそれまでの章のテーパリングの研究結果やメソッドの理解が格段に深まり、指導者がこれから実施するテーパリングの効果を予測しやすく、コントロール可能なものにする。現場にいる人間が理解・実行できる内容であることは非常に重要なポイントであろう。
瞬発的競技、持久的競技、個人競技、チーム競技など、競技特性別にポイントを解説しているのも魅力的である。豊富な科学的知見とそれらが理解しやすい構成の本書は、指導の質の向上だけでなく、選手に対する説得力や他スタッフとの円滑な連携にも寄与するはずだ。
(川浪 洋平)
出版元:ブックハウス・エイチディ
(掲載日:2019-09-25)
タグ:テーパリング ピーキング
カテゴリ スポーツ医科学
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ピーキングのためのテーパリング 狙った試合で最高のパフォーマンスを発揮するために
河森 直紀
選手をサポートするトレーナーの方であれば、試合に勝って勝利の喜びを分かち合うこともあれば、日々厳しい練習を積み重ねながらも、コンディショニングがうまくいかず、思い通りのパフォーマンスが発揮できずに試合を終える選手を、ただ歯がゆい思いでみているしかない経験をしたことがあるはずだ。本書はそんなあなたに「フィットネスー疲労理論2.0」という武器を授ける。
内容はピーキングを構成する手法の1つ、テーパリングに焦点をあてて解説している。第1章ではテーパリングの定義とピーキングとの違いを明確化し、第2章でテーパリングのメカニズムを解説。またPreparednessという概念を紹介している。Preparednessとは、パフォーマンス発揮のための筋力や持久力などの身体的ポテンシャルのことである。第3章では実際のテーパリングの介入方法を4つのシナリオを例に紹介している。
冒頭で申し上げた通り、本書の最重要項目は「フィットネスー疲労理論2.0」である。本書はこの理論を理解するための一冊と言っても過言ではない。少し紹介しよう。
古典的な超回復理論はトレーニング後の疲労という一つの要因による体力レベルの変化をみせる一元論モデルである。それに対してフィットネス−疲労理論はフィットネス(体力レベル)と疲労の二元論モデルである。これをもとに発展させたものを、「フィットネス−疲労理論2.0」として、著者の河森氏が紹介している。簡単に説明すると、複数のフィットネスと疲労が存在する多元論モデルである。たとえば最大筋力におけるフィットネスと疲労、最大酸素摂取量におけるフィットネスと疲労、などで構成される。
パフォーマンスに影響を与える要素は数多くあり、また目標とする試合で最も必要とされるパフォーマンスも、競技種目や対戦相手との相性などによって変化する。それらが可視化・数値化、比較可能なものとなり、テーパリング計画の優先度の決定が可能になる。もちろん、テーパリングを必要としないオフシーズンのトレーニング計画の立案にも応用できるだろう。
著者は河森直紀氏。アメリカとオーストラリアの大学院で博士号を取得し、シンガポールの政府機関や国立スポーツ科学センターでのトレーニング指導を歴任。理論と実践に裏付けられた本書の内容は必ずあなたの武器になるはずだ。
(川浪 洋平)
出版元:ナップ
(掲載日:2020-04-25)
タグ:テーパリング ピーキング
カテゴリ スポーツ医科学
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基礎から学ぶ スポーツセルフコンディショニング
西村 典子
アマチュアスポーツでは、アスレティックトレーナーが毎日現場にいて選手の対応にあたることは難しい。そのため、週1回やそれ以下のサポートでもよりよいサービスを提供するために、選手への教育やセルフコンディショニング指導が欠かせない。
タイトル通り、本書はアスリート向けに書かれている。内容は①ケガ予防、②コンディショニング、③生活習慣を見直す、という順に書かれている。特筆すべきは、ケガ予防の章で初めに出てくる具体的な疾患名が「脳出血」であることだ。脳出血は「3H」(Head=頭部外傷、Heart=心臓、Heat=熱中症)の一つとして紹介されており、命に関わるケガを初めにもってきていることと、順番が前後するが、表紙の見返しに「自分の体と向き合うことを大切にしてほしい」とつづられていることから、本書を読むアスリートへの強いメッセージがうかがえる。
アスレティックトレーナーの私がこの本を読む価値は一体なんだろうと考えたときに、本書をそのまま選手に渡すことも考えたが、思い当たったのは選手との「コミュニケーションツール」としての利用である。アスリート向けの内容のため、専用用語は少なく、平易で理解しやすい言葉で解説されている。トレーニング指導で選手に伝える際にはそのまま使うことが可能だ。
内容が怪我や治療に偏ることも、トレーニングに偏ることもなく、アスリートがどうすればよいコンディションを保ち、練習や試合で高いパフォーマンスを発揮できるか、「選手が欲しい情報」を過不足なく一冊にまとめているので、セルフコンディショニング指導の内容そのものの参考にもなる。
著者は西村典子氏、本書の冒頭に第0章という形で、著者が大学時代をサポートしたプロ野球選手とのインタビュー記録がある。「プロアスリートや日本代表選手をサポートしたことがある」トレーナーは散見されるが、選手個人の登場は珍しい。選手からの信頼と著者の実績を証明している。コロナウイルスの影響でスポーツ活動が自粛され、対面指導が困難な今、「STAY HOME」でできるパフォーマンスの維持・向上対策としてぜひ参考にしていただきたい。
(川浪 洋平)
出版元:日本文芸社
(掲載日:2020-05-04)
タグ:セルフコンディショニング
カテゴリ スポーツ医科学
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40℃超えの日本列島でヒトは生きていけるのか 体温の科学から学ぶ猛暑のサバイバル術
永島 計
「体温ってなんですか?」と聞かれて、あなたは自信を持って答えることができるだろうか?
スポーツ選手の脱水によるパフォーマンス低下から、高齢者に起こる室内での熱中症まで、暑熱環境が人体に与える環境は大きい。この暑さへの対抗策はなにがあるだろうか。本書の結論を先に申し上げると、対抗策は水分補給が最も有効かつ効率的である。
なんだ当たり前じゃないか、と思われるだろう。しかし、この当たり前がきっちりとできていないことは、毎年の熱中症のニュースを見れば明らかであろう(熱中症による救急搬送は2019年8月だけで3万6千人である)。水を飲む、という行為は至極簡単なはずなのに。つまり、重要なのはなぜ適切な水分補給ができていないか、どうすればできるようになるかである。
本書はこの結論に至るまでに、体温とは何か、気温はどのように体温に影響を与えるか、身体に備わっている温度センサーには何があるか、それが正常に機能しなくなるのはどんなときか、またもちろん水分補給以外の体温を下げる手段についても解説している。
非常に興味深かったのは、脱水と体温上昇により、人は「寒く感じる」ということだ。暑さによる影響を受け始めたタイミングで、人体に備わっている温度センサーは容易に狂い始める。余談だがこれは寒冷環境でも同じようで、人は低温環境に一定時間さらされると「暑く感じ」、「服を脱ぎ始める」という矛盾した行動をとるという研究がある。雪山で遭難し凍死した人の遺体は、裸に近い服装で発見されることが多いそうだ。
話を戻して、水を飲む、という簡単な行為でも、個人レベルでのコントロールは難しい。トレーナーや指導者側による管理が必須だ。
コロナウイルスによる自粛もピークは過ぎ、徐々に日常へ戻ろうとしている。スポーツ活動も再開していこうという中、安全なスポーツ活動再開のために暑さ対策について本書で学んでいただけたらと思う。
(川浪 洋平)
出版元:化学同人
(掲載日:2020-05-23)
タグ:体温 熱中症
カテゴリ スポーツ医科学
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自慢の先生に、なってやろう! ラグビー先生の本音教育論
近田 直人
『ごくせん』や『ROOKIES』(ルーキーズ)、古くは『3年B組金八先生』は情熱を持った先生と荒れた生徒の感動ストーリーだが、それを現実でやってのける教師がいた。
名前は近田直人、彼は学生時代にラグビーに打ち込み、筑波大学で体育教員の免許をとったあとは地元の大阪に戻り、教師のしてのキャリアをスタートさせる。赴任した高校はいわゆる荒れた高校だった。そこでさまざまな問題を抱えた生徒や保護者に向き合い、そしてときには行政や国のルールにも立ち向かっていく。
問題の解決は困難だったが、著者の信念は一貫していた。それは「愛情」である。生徒に対する愛情。生徒たちは誰かを傷つけたり、ルールを破ったりしたいのではない。ただ誰かの「愛情」を欲しているのだという。それも言葉だけでは伝わらない、行動を示すことで生徒の見る目が変わり、信頼を得ることができる。
著者の半生を記したといえる本書では、その過程を学ぶことができるだろう。また、体罰についても言及されている。生徒を支配するための体罰は許されるものではないが、「他人を傷つける暴力を止めるために手をあげることは必要」と書かれている。タブーと言われる体罰問題にも果敢に挑んだ内容は非常に貴重である。
教員に限らず、指導に携わる人、そして保護者の方にもぜひ読んでいただきたい一冊である。
(川浪 洋平)
出版元:ザメディアジョン
(掲載日:2020-09-23)
タグ:教育
カテゴリ 人生
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ハイパフォーマンスの科学 トップアスリートをめざすトレーニングガイド
David Joyce Daniel Lewindon 野坂 和則 沼澤 秀雄
メソッドの紹介や、エクササイズ種目を解説する書籍は数多くあるが、「まだトップでないアスリートを、どうやってトップに導くか」を明確に示しているものは本書をおいてほかにない。
本書は3パートに分かれ、パート1では競技能力の評価方法、年代別の特徴や指導の注意点、パート2ではジャンプやアジリティなど動作を向上させるためのトレーニングとコーチングポイント、そしてパート3では試合本番で最高のパフォーマンスを発揮するための年間計画とピーキング、リカバリーを解説している。
どのパートにおいても、指導する対象のアスリートの「年代」「競技歴」「トレーニング歴」などを考慮し、個人から集団までそれぞれの特性に合わせた最適なコーチングを学べる構成になっている。
また、ぜひ読んでいただきたいのは、多くの研究によって明らかになった「実は間違っていたトレーニング方法」についてである。これまで現場で当たり前のように行われている指導のテクニックとされているものが、実はアスリートのパフォーマンスを低下させているというのだ。一例として「トレーニング中に身体内部へ意識を向けさせる声掛け」がある。たとえば「お尻の筋肉を使って」であったり、「背筋を伸ばして」というような声掛けは、トレーニング効果を高めることはなく、機能的な動作を身につけることにもつながらないというのは衝撃的であった。
現場でトレーニング指導を行っているあなたに、今自分が正しいと信じていることを一旦立ち止まって疑ってみる、そんな貴重な機会を本書は与えてくれるだろう。
(川浪 洋平)
出版元:ナップ
(掲載日:2020-10-05)
タグ:トレーニング
カテゴリ スポーツ医科学
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復刻新装版 ランニング
金栗 四三 増田 明美
著者の名は「かなくり しそう」と読む。日本マラソンの父と呼ばれ、日本人初のオリンピック選手である。大河ドラマ『いだてん』の主人公といえば、ご存じの方もいるのではないだろうか。私は彼を、100年先の未来から来たトップアスリートと呼びたい。
本書は1916年(大正5年)に発刊された「ランニング」の復刻版である。マラソンに関する技術的な解説以外にも、食事や休養、運動時の服装やシューズにいたるまで事細かに書かれているが、その内容は100年前に書かれたとは到底信じられないほど「最新」であった。その一部を引用して紹介しよう。
「さてこの心身の調和したる発育を達成するには、単に駈歩(走る練習)ばかりでは不足する傾向がある。この他にもなにか運動をして各筋肉や、関節を動かすことが大切である」
「脚は駈歩には直接他(上半身など)よりも関係があるから、十分脚の筋肉や関節を強くし自由に運動をできるようにしておかねばならない」
なんと金栗は今から100年も前に、競技練習以外に筋力トレーニングやストレッチを行い、筋力や柔軟性を向上させる重要性について認識していたのだ。それも長距離走でである。これが私が金栗四三を「100年先の未来から来たトップアスリート」と呼ぶ理由である。
本書はただ当時の技術解説書の枠を越え、金栗から私達へのスポーツ発展を願うメッセージと言えよう。私達が未来へ何を残していくべきか。本書を読めば見えてくるかもしれない。
(川浪 洋平)
出版元:時事通信社
(掲載日:2020-10-24)
タグ:ランニング マラソン
カテゴリ スポーツ医科学
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女性アスリートの健康管理・指導 Q&A
能瀬 さやか
近年、国際大会での女性アスリートの活躍が目覚ましい。実は、21世紀になってからのオリンピックの日本人出場者・金メダリストは女子のほうが多い。そこを目指す育成年代の選手が増えるのは当然の流れで、サッカー、ソフトボール、格闘技に至っても女性アスリートの競技人口は増加傾向だ。それと同時に指導者やトレーナー・医療従事者は女性アスリートのサポートについてこれまで以上に学ぶ必要がある。
さて、本書ではタイトル通り、女性アスリート特有の医学的課題についてQ&A形式で解説されている。その数なんと103項目。男女の身体的特徴の違いから女性アスリートの三主徴・月経痛、妊娠・出産・更年期世代、パラアスリートのスポーツまで幅広く扱っている。
Q&A方式なので、専門用語や難解な文章は少なく、現場の素朴な疑問や不安に対して一問一答で情報を得ることができる。女性スポーツに関わる医療従事者やトレーナーはもとより、「他人に聞きづらく」「正しい情報にたどり着くことが難しい」女性の身体や性に関する知識を必要とする女性アスリート本人や、その保護者にも是非読んでいただきたい。本書は心強い「相談窓口」となるはずだ。
(川浪 洋平)
出版元:日本医事新報社
(掲載日:2020-11-05)
タグ:女性アスリート
カテゴリ スポーツ医科学
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野球と暴力 殴らないで強豪校になるために
元永 知宏
冒頭、いきなり衝撃を受けた。「野球と暴力はいまだに親和性が高い」という文章が目に入ったからだ。「親和性」という言葉は一般的にポジティブな意味で使われるはずだ。
本書は10名以上の監督・コーチ・選手の「暴力経験者」へのインタビュー形式で進行する。指導者から選手に対する暴力はもちろん、選手間での暴力(上級生による下級生いびり)や罰としての練習(罰走)などその内容は様々だ。
なぜ、ハイリスク・ノーリターンとも言える暴力に手を染めてしまうのか? 指導者・選手ともに、暴力が発覚すれば謹慎、解雇、活動停止などの措置は免れないはずだ。著者はその理由を様々な角度から考察しているが、結論として、①監督な絶対的な権力、②指導者から選手への一方通行のコミュニケーション、③受身姿勢の選手、④甲子園という聖域、の4つにまとめていた。
…が、私はさらにその「根源」があると考えている。
本書の流れと逆転して中盤に「野球界という閉鎖空間」という言葉が出てくるが、これこそが暴力を根絶できない根源要因ではないだろうか。
外部からの指摘を受けない閉鎖空間ではひとたび暴力に手をつければ、その魔力(本文にも「うまく手なずけることができればものすごい効果を生み」とある)に取りつかれ、歯止めが効かなくなる。殴ることが「正義」となり、指導者が「強くなってほしい」と思って殴ることは正しく、また選手は「期待されているから殴られる」ことは正しいと信じるようになる。となると、似たようなことは他の集団でも容易に起こりうるのではないだろうか。男子バスケの強豪校で起こったことも、大手広告企業で起こったことも…あなたの今いる場所はどうだろうか。
本書の問題提起は、野球界のみならず、閉塞感に包まれた今の日本全体に向けられているのだ。
(川浪 洋平)
出版元:イースト・プレス
(掲載日:2020-11-30)
タグ:野球 暴力
カテゴリ 指導
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バドミントン 勝利につながる「体づくり」 競技力向上トレーニング
吹田 真士
よくある元アスリートの経験に基づいたトレーニング本かと思って開いたら、しっかりとした科学的根拠とトレーニング理論に基づいた専門書であった。
それもそのはず。著者の吹田真士氏は名門筑波大学の助教で、かつ同大バドミントン部の総監督。自らトレーニングやコンディショニングの研究を行いながら、得られた知見を指導に応用している。紹介されているトレーニング種目も、競技動作に負荷をかけるような安直なものはなく、プレーにおける運動連鎖や筋収縮様式を分析・分解し、必要な体力要素を向上させる種目に落とし込んでいる。
それだけではない。プレー単体で考えるだけでなく、プレーとプレーのつながりを考慮したプログラム設計や、長ければ2時間半にも及ぶバドミントンの試合の終盤まで高いパフォーマンスを発揮できるような持久力、それを支える食事や年間計画までも解説。これは競技と科学、両方の専門家である吹田氏にしか書けない内容だ。
指導者やトレーナーはもちろん、選手やその保護者の方にもおすすめできる一冊である。
(川浪 洋平)
出版元:メイツ出版
(掲載日:2020-12-15)
タグ:バドミントン
カテゴリ 運動実践
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脱・筋トレ思考
平尾 剛
筋力トレーニングの有効性や重要性がトレーナーやアスリートの間だけでなく、一般の方にも共通の認識となりつつある中、刺激的なタイトルである。しかし、本書は筋トレを否定しているわけではない。
「脱・筋トレ思考」とは、まえがきの言葉を借りると、勝利至上主義(勝てばいい)、商業主義(稼げればいい)など目に見えてわかりやすい目的や目標に向けて、単純で安易な手段を選び、「これをやっていれば大丈夫」と考える思考停止の状態を言うようだ。
確かに筋トレをすれば試合に勝てるかというと、そのほかにも考慮しなければならない要素は山ほどあることは間違いない。
その上で筆者は「身体知」が重要であると述べる。身体知とは言語化・数値化が難しい動作のコツやカンのことで、本書はこのコツ・カンを理解し実践するための方法論が展開されていく。が、コツやカンを習得することは非常に困難である。習得のためにあーでもないこーでもないと試行錯誤する時間を筆者は「うまく立ち行かない場面」と呼んでいる。これはスポーツの枠に収まらず、人生全般に言えることで、辛抱強く、腰を据えて取り組み、時には「のんびり時間をかける」ことも必要であり、そうすることで「しなやかさ」が身につき、「ふくよかな人生」を送ることができるのだと。なるほど、これが「脱・筋トレ思考」ということか。
本書は日々スポーツにおける技術の向上に取り組むアスリート本人や、スポーツ技術・戦術の指導に携わるコーチ・監督にぜひ読んでいただきたい一冊である。また、本書を読み終えたときに「筋トレは必要ない」という「筋トレ思考」に陥らないように注意が必要であることを付け加えておく。
(川浪 洋平)
出版元:ミシマ社
(掲載日:2021-05-21)
タグ:トレーニング
カテゴリ 指導
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武道vs.物理学
保江 邦夫
バイオメカニクスは人の動作の仕組みを物理学の手法を使って解明しようとする営みである。我々トレーナーにとっては運動指導をする上で避けては通れない重要な分野であるが、トレーナーを目指す学生はもとより、資格を取得済みの現役トレーナーにとっても非常に難解な分野である。
本書では、武道の技を物理学とバイオメカニクスによって分析していく。が、武道という伝統を重んじる領域で、話が突拍子もないところへ飛ぶ。飛びまくる。
たとえば柔道の投げ技をロボット工学で分析し、ブラジリアン柔術とフィギュアスケートの共通点を指摘し、果ては空手の突きを宇宙物理学で論じる始末である。最終章では筋電図まで出てくる。物理の範疇を越えているではないか。
ところが驚いたことに、そのような目まぐるしい展開も、筆者の軽妙な語り口(本なので文章なのだが)のおかげでストレスなく読み進めることができた。読み終わった感想は「なんだ、物理学ってそんなに難しいものじゃないんだな」である。
私自身、学生時代は教科書とにらめっこしてただ唸るしかなく、試験はほぼ丸暗記で耐えていた側の人間なのだが、本書を読んで「あのときのあれは、こういうことだったのか」と理解することができた。
あなたがバイオメカニクス分野に苦手意識をお持ちなら、手に取ってみてはいかがだろうか。
(川浪 洋平)
出版元:講談社
(掲載日:2021-06-03)
タグ:スポーツバイオメカニクス 武道 物理学
カテゴリ スポーツ医科学
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medicina 2020年 6月号 特集 運動・スポーツ×内科 内科医に求められるスポーツ医学とは
田中 祐貴
1人のアスリートが訴える悩みが1つとは限らない。スポーツ現場では、骨折・脱臼・脳振盪など外科的なものだけでなく、貧血・喘息・月経不良など内科領域まで幅広い対応力が求められる。
本書はスポーツ内科の総論にはじまり、上記のような内科的疾患はもちろん、「息切れがします」「疲れが抜けません」など、悩み別の検査・治療方法、疾患を持つアスリートへの運動指導やドーピング予防まで詳細に解説されている。診療科どうしの連携についても述べているが、その範囲は皮膚科・耳鼻科・精神科・口腔外科まで及ぶ。「内科医に求められる」スポーツ医学とは、内科領域だけではないのだ。
さらに巻末にはトレーニングとして確認問題まであり、「読んで終わり」にさせない親切設計。月刊誌であるがスポーツ内科の入門書としておすすめできる一冊だ。
(川浪 洋平)
出版元:医学書院
(掲載日:2022-01-17)
タグ:スポーツ内科
カテゴリ スポーツ医科学
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テーピング療法最前線
医道の日本社編集部
1970年代にアメリカから日本に渡ってきたアスレティックテーピングは、故・山本“KID”徳郁の父、山本郁榮(やまもといくえい)氏がアメリカで学び日本に持ち込んだとされている(山本郁榮、野田哲由 、平沼憲治『スポーツ外傷障害からみたテーピングの実技と理論』)。
今や医療・スポーツ現場に広く普及したテーピング。テーピングの巻き方を解説した書籍も多く出版され、高校生や部活のマネージャーでも巻き方を知っている。我々「専門家」に求められるテーピングの技術はより高度になっていると言えよう。
本書『テーピング療法最前線』ではスポーツ、臨床現場で使われているテーピングの種類や、はさみなどテーピングを扱うためのツールなど基本事項から、キネシオテーピング、スパイラルテーピングなどのより専門的な技術まで詳しく解説されている。また、オーストラリアなど、海外のセラピストによる症例への応用や、徒手療法、鍼灸、物理療法との組み合わせについての章もあり、異なる文化の視点からのテーピング技術を学ぶこともできる。
テーピングは関節の安定化だけでなく、皮膚の柔軟性の向上、神経系を刺激して運動パフォーマンスの向上と治癒の促進まで多様な応用がなされている。
あなたが治療家でもトレーナーでも、「専門家」として現場に立つのであれば、ぜひ読んでいただきたい。
(川浪 洋平)
出版元:医道の日本社
(掲載日:2024-04-19)
タグ:テーピング
カテゴリ アスレティックトレーニング
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