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トレーニングやリハビリテーションなど、スポーツ医科学と関連した書評を掲載しています。

イップスの科学
田辺 規充

「去年買ったクラブセット、いいなぁって言ってたけど、よかったら君に譲ってあげようか?」
「ははん…さてはもう飽きたな」
 皮肉っぽく言った言葉に遼一は気分を害したのか、目をそむけてクルリと後ろを向いた。本来お調子者で自信家の遼一にしては拗ねたような態度だった。
「そんなんじゃないよ…」
 彼の表情から、決して新しいクラブに心移りしたのが原因ではなさそうだと勇大は悟った。
「実は、やめようと思うんだ… ゴルフを…」
 言葉尻が聞こえにくかったのだが遼一の雰囲気からすべてが伝わってきたような気がした。あまりに突拍子もない遼一のセリフに
「え?」
という言葉にならない疑問詞だけが勇大の口からこぼれ落ちた。

 一番言いにくかった重大な発表を告げて多少心の落ち着きを取り戻したか、遼一はポツリポツリとその理由を話しだした。
「パターが打てないんだよ」
「打ち方がわからなくなったというよりも身体が硬直して動かないんだ…」
「無理に打とうとすればするほど身体が固まって、まるで金縛りにあったような感じになって…」
 わずかながら遼一の声はうわずっていた。
「半年前くらいからだんだんパターになると全く人が変わったみたいに動かなくなって…」
「ちょっと待って!」
 勇大は遼一の言葉を遮った。
「半年前といえば君が大会で優勝を遂げた、いわば君の一番よかったころじゃないか?」

 どうも話がかみ合わない。半年前遼一がぶっちぎりの優勝を遂げ表彰台に上る姿をうらやましげに眺めていた勇大としては眩いばかりに輝く彼の姿が今でも印象深い。それなのにそのころからパターが打てないなんてどう考えても辻褄が合わない。それだけではない。それ以降大舞台になればなるほど彼の勝負強さは磨きがかかり、破竹の勢いで連戦連勝だったのだからそういう要素は微塵も感じなかった。だからこそ遼一の告白はまさに衝撃であり、彼が嘘をついているだとさえ思った。
 しかし陽気で真面目な彼がそんな嘘をつくタイプでないことは一番わかっているつもりだったので、勇大の見ていた現実と彼が告げた現実の大きな矛盾に悩まざるを得なかった。
 どうやら思いつきの気休めの言葉では事態は変わらないだろうと感じた勇大は以前お世話になったレッスンプロに解決策がないかを尋ねてみることにした。
「一度先生に聞いてみるよ」
「だから諦めるのは待って」
勇大は遼一の目を見据えそういった。
 きっと言葉の力強さに何かを感じたのだろう。遼一は小さくうなずいた。

 翌日さっそくレッスンプロの大崎のもとを尋ねた。
「そんなことってあるんですか?」

 勇大は昨日のいきさつを大崎にすべて話した。
「よくあるんだよね。イップスってやつさ」
「一流選手がよくやるヤツで突然パターが打てなくなるんだ」
「どうやら自分自身に対する期待や周りからの期待がプレッシャーとなって襲い掛かり、精神的な呪縛が身体までを縛り付けるのが原因らしいね」
「イップスかぁ…」
 勇大は初めて知る言葉の底知れぬ怖さを感じながらつぶやいた。
「それで! あるんですか? 治す方法…」
 それを聞かなきゃここに来た意味がない。そんな思いで大崎の方に身を乗り出した。
「あるといえばあるし、ないといえばない」
 どうも大崎の真意が理解できずにキョトンとする勇大に
「ちょっと待ってて、いいものあるから…」
 勇大の肩をポンとたたいて大崎は事務所に戻り、一冊の本を持ってきた。
「これを読んでみなさい」
 そういって差し出した本には『イップスの科学』というタイトルが見えた。
「この本は自分自身がイップスになりパットが打てなくなった著者がイップスの克服方法を調べて書いた本だよ」
「しかもこの本の作者の田辺規充さんはプロゴルファーではなくて精神科医だから、専門家としての詳しい分析もされている」
「だからイップスを克服しようとするなら参考になると思うよ」
 勇大は目の前が明るくなったような気がした。
「それじゃ、治るんですね!」
 大崎は答えることができなかった。少し間をおいて話し出した。
「イップスはそう簡単に治るもんでもないし、これをやればうまくいくという方法もないんだ」
「ただイップスになって現役を退くゴルファーも多い中で、あの手この手で克服していくゴルファーもいるのは確かなことなんだよ」
「あとは本人がやるかやらないかだけかな…」

 釈然としない大崎の言葉がどこかに引っかかったまま『イップスの科学』を持ち帰って読んでみた。
「難しいんだなぁイップスって…」
「陽気で前向きな性格で闘争心が強くて真面目とくりゃ遼一の性格そのものだし、そういう人の方がイップスになりやすいなんて…」
「それってゴルフがうまくなる人の条件みたいなもんだし、うまい人ほどプレッシャーのかかる試合を経験する機会が多いはずだし…」
「ゴルフには意図してつくられたコース上のハザードとの戦いなんだけど、イップスってゴルフっていう競技が生み出した心のハザードじゃないか…」
 勇大は心底そう感じた。

「一度この本を読んでみろよ」
 遼一に差し出したのは昨日大崎からもらった本だった。
「イップスが治るかどうかわかんないけど、この本には克服するための手段がいくつも書いてある」
「もし君がやってみたいと思うなら試してみるといい」
「治るのか?」
 昨日大崎にした同じ質問が返ってきた。
「わからんよ」
「ただ昨日この本を読んでいるうちに何年か前に君がバンカーショットで苦しんでたことを思いだしたんだ」
「あのときは毎日バンカーの練習をずっとやってたよね」
「ああ、あの練習のおかげでむしろバンカーショットが得意になったんだ」
遼一は何年か前の苦しみを思い出した。しかし今では得意になってしまったから自分でもそんな苦労も忘れてしまっていた。
「どうやらイップスは心のハザードみたいなんだ」
 勇大は話を続けた。本のページをめくりながら遼一にひとつずつ説明をした。どうしてイップスになるのか? いろいろな自分でできる克服法や催眠療法・薬物療法の存在、イメージトレーニングの方法など…。本を読む必要がなくなるんじゃないかと思うほど延々と続いた。一生懸命に解説する勇大の目を見やった。こいつ真剣だわ…。話の内容そのものよりも勇大の迫力に圧倒されていたのかもしれない。

「君が新しいハザードを克服できるかどうかはわからない」
「でも今までそうやってゴルフがうまくなってきたんだろ?」
「できないんなら僕がクラブセットをもらってやるよ」
 遼一は差し出された本を黙って受け取った。もちろんクラブセットを勇大に譲るという気持ちはとっくに消えていたが…。
(辻田 浩志)

出版元:星和書店

(掲載日:2012-09-12)

タグ:イップス 
カテゴリ メンタル
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イチローのメンタル ケータイでできる野球のメンタルトレーニング
豊田 一成

こころの「深み」
 人間は誰しも欲を持つ。たとえ幼児といえども欲を持っている。おなかがすいた、何か食べたい、眠りたい等がそれだ。アメリカ心理学会の会長を務めたこともあるアブラハム・マズロー(1908~70年)は、これらの欲求を生理的欲求と呼び、人間の最も根源的な欲求と位置づけた。そして彼が最も人間として価値が高く、最終的に追い求めるべき欲求と考えたのは「自己実現の欲求」である。マズローは、人間がその一生涯において、生まれながらに持っている生理的欲求や安全保障の欲求から徐々に社会的欲求を萌芽させることで自らを高めてゆき、最終的に「自分とは何か」の解答として自己実現の欲求を満足させるまでのプロセスを見事に説明してくれた。が、言い換えれば彼のこの試みは、人間のこころの「深み」を追求するプロセスであったと言える。そして、彼はこのプロセスを純粋理性としてではなく実践理性的テーマとして追求することこそが心理学に与えられた命題であると考えたのである。

ケータイ・トレーニング
 この言葉は私の造語である。今回ご紹介する本のサブタイトルに「ケータイでできる、野球のメンタルトレーニング」となっていたので、こんな造語が思いついたのである。それにしても、(スポーツ)トレーニングまで携帯電話とは。マズローさんも生きていたらさぞ驚かれたことでしょう。まさに、これは実践的かつ直接的なメンタルトレーニング・アプローチである。具体的にはどういうものかと言うと、本書の「Ⅱ章野球のメンタルトレーニングプログラム内容」のところに「QRコード」なるものが表示されていて、カメラ機能やバーコードリーダー、音声再生機能のある携帯電話でこのQRコードを読み取ると、今回のメンタルトレーニングサイトが表示され、実行できるようになっている。評者もQRコード読み取りに少々てこずりながら(笑)サイトに入ると、男性の声でこのメンタルトレーニングの概要が流れてきた。そして現在の自分の客観的な状況として心拍数の測定と進んでいくのであるが、全体的に少々時間がかかるのでパケット通信料金がかなり高額になりそうだ。そこで、本書中にも電話会社と毎月定額でかけ放題の契約を結ぶことが望ましいとの注意書きがある。それにしても、恐るべし携帯電話。評者は授業中に携帯電話をいじっている学生を注意したら「今、辞書で字を調べているところです!」って言われて恐縮した経験があるが、これからは練習中に携帯電話を使っている選手がいても、頭ごなしには注意できないなんてことあるのかな?
 著者は、今年の9月にメジャーで6年連続200本安打を記録したマリナーズのイチローのメンタルトレーニングを担当した経験を持つ。本書中にもイチローの自筆による、高校時代に書いた目標が掲載されているが、著者も指摘するように、イチローの特徴は普通の人間が目標とする“夢”のもう一歩先の夢を見据えているところにあるようだ。自己実現の方法は人によって様々だが、“心”をトレーニングすることでさらに一歩先を目指せるとしたら、信じてやってみる価値はあると思いませんか。

最後に
 皆さん、私の担当は今回で終わりです。足掛け5年、これまで約50冊の書評を書かせていただきました。書く側はいたって気楽。知らない本は読めるし、好きなことを勝手に書いてよいし、で大変楽しい経験でした。が、書かれた側の皆様はさぞかしお怒りでありましょう。確か、吉川英治氏の名著「宮本武蔵」の一節に「“墨を白紙に落とすが如く”人間のやったことは一生涯消えるものではない」というような件があったように記憶しております。この責任は、私、しっかり墓場まで持っていく覚悟ですので、何卒ご容赦のほどを。では皆さん、また何処かで。
(久米 秀作)

出版元:アイオーエム

(掲載日:2006-11-10)

タグ:メンタル トレーニング  
カテゴリ メンタル
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「最高の自分」を引き出すセルフトーク・テクニック
田中ウルヴェ 京

 日々の生活のなかで、何かに失敗して精神的にまいってしまった、目標を達成できなかった、そんなあらゆる場面のなかで、気持ちが深く関係していく。この本ではそうしたときに、「どうしたら立ち直れるのか」「こうしたらよい方向へ気持ちを持っていける」といった“セルフトーク”の方法について書かれている。
 たとえば、目標や自分を見失ってしまったとき、過去を上手に手放し、今の自分に集中するためのセルフトークとして「今しか変えられない、今を変えれば未来が変わる」「終わったことからは、今、学べばいいだけ、引きずらなくていい」など、自分自身に語りかけることで心が軽くなる。こうしたセルフトークがいくつも紹介されており、自分にあったセルフトークが必ずみつかることだろう。
 著者の田中氏は、1988年のソウル・オリンピックでシンクロ選手として出場し、シンクロ・デュエットで銅メダルを獲得したメダリストである。現在メンタルトレーナーの仕事以外でも幅広く活躍されている。そんな著者の選手時代や引退後の体験談も交えながら書かれており、読者が共感できる部分があるからこそ説得力がある。
 この本を読み終えたときには、何かを感じ、気持ちの面での考え方が変わる人も多いだろう。(O)

2009年2月10日刊
(月刊スポーツメディスン編集部)

出版元:祥伝社

(掲載日:2012-10-13)

タグ:メンタル セルフトーク 
カテゴリ メンタル
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スポーツから気づく大切なこと。
中山 和義

 どんな人でも言われたことがある「スポーツをしているといいことがあるよ」という言葉。今までスポーツをしていて自分の感覚としていいということはわかってはいるけど、うまく答えられないというのは多くの人が抱える悩みである。読み進めていくうえでポイントとなるのは、気づきと自信である。
 本書は、「スポーツバカは本当か?」や「自信がつく」など、わかりやすいタイトルに対して答える形で構成され、野球のイチロー選手やスケートの清水選手が、どのように努力したかを例にとり、丁寧な言葉で解説している。
 著者はメンタルトレーニングに関する講習を受講し、テニスに関わるさまざまなことを行っている。「すべてのテニスプレイヤーを全力で応援します」をモットーに活動をされているそうで、文中からもその熱意が伝わってくる。用具に関することから、練習場所、マッチプログラムの作成にいたるまで、ありとあらゆることを実行しているところがすばらしい。これらはすべて、気づきから行動が生まれていると思う。
 もう1つ重要になるのは自信である。スポーツは生きていくうえでの自信を与えてくれる。なぜ自信につながるかと言えば、スポーツ=運動+ゲームという要素で構成されるからである。ゲームには必ず勝ち負けがあり、人間は誰でも勝ちたいと思う。負ければ悔しいし、負けないためには気づきのセンサーを活性化させなければならない。気づきを実行に移してみることで、勝てる可能性が高まる。勝ちという結果が得られたときには、自分の中に自信という結果が残る。
 自信をテニスという媒体を通じた活動によってさまざまな人に還元し、共感を生み、進化させていく。そんな当たり前でなかなかできないことをしっかりと実現されているのがすばらしい。  先行きが不透明な現代において、発揮するポイントが適切でない自信を持つ人々が多い中で、挑戦する自信や恥をかく自信などは、遠い過去のものになってきているような気がするが、そんな自信の大切さを再確認し、気づくことができる本であると思う。
(金子 大)

出版元:実業之日本社

(掲載日:2012-10-13)

タグ:メンタルトレーニング スポーツの捉え方 
カテゴリ メンタル
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イチローに学ぶ失敗と挑戦
山本 益博

 失敗から挑戦へ。よいところを伸ばすのも必要だが、失敗したときに人として成長するための進化が問われる。では、イチローは? となる。
 失敗はしてはいけないものではなく、した後が大事になる。原因を追求し克服する勇気が必要で、それが進化へと導く。始めから完璧な人間はいないが、目指すことはでき、そこで人は成長を遂げる。それがイチローの生き方とともに知ることができる。
 人として何が大事か、完璧を目指すために失敗をどう生かし、調子が悪いときにどう切り替えるか、マイナス要素をプラスに。その術がインタビューを通して過去から振り返り、今のイチローは何がきっかけでどう変わっていったのかを知ることができる。
(佐々木 愛)

出版元:講談社

(掲載日:2012-10-13)

タグ:アーチェリー 
カテゴリ メンタル
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バレーボールのメンタルマネジメント
遠藤 俊郎

 日本のバレーボールは長い間低迷していた。正しく言えばまだ低迷中なのかもしれない。しかしながら、女子においてはアテネ、男子においては北京より再び五輪の舞台に出場することができている。それら低迷期に、メンタルという面から日本チームの基礎を築き上げ、後の五輪出場に大きな役割を果たした著者の活動を詳細に記している本である。
 メンタルトレーニングについて詳細に記しているのはもちろんであるが、著者の考え方の基礎となっているのは、海外留学時代に学習した運動学習理論であろうと思われる。運動学習理論については、文中にもあるように書いていくと膨大な量になってしまうため、『バレーボールコーチングの科学』(ベースボール・マガジン社)をご覧頂きたい。端的に言えば、どう人に伝えるかを理論構築したものであり、興味深い。読み進めていくと今まで受けてきた指導法と全く違うことから違和感を感じるが、理解すればするほど感動するということを著者も述べている。
 この本をバレーボールに限らず、多くの競技指導者に読んで頂ければ、指導法をより進化させられることは間違いないと思う。日本のスポーツ界のさらなる発展を祈って。
(金子 大)

出版元:大修館書店

(掲載日:2012-10-13)

タグ:バレーボール 
カテゴリ メンタル
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本番で負けない脳 脳トレーニングの最前線に迫る
善家 賢

土壇場での心理状態は
 バンクーバー2010オリンピック冬季大会で、選手の頑張る姿に手に汗を握り、時には涙があふれるくらい感動したという人は多いだろう。見ているだけで押さえきれずに感情があふれるのに、あんな土壇場でのアスリートの心理状態はどんなものかと想像し、それだけで胸が熱くなった人もいただろう。
 脳トレーニングという側面から、本番で実力を発揮するためにどうすべきなのかを解明しようとする本書は、NHKの報道番組ディレクターによるものである。構えて読んでしまうと言うと、意地が悪いだろうか。いずれにせよ、テレビ番組として絵になるニューロフィードバックという1つの手法に偏重しすぎていることや、メンタルトレーニングと脳トレーニングが別モノであるかのようなスタンスが垣間見えることは残念である。しかし、日本のスポーツ界が今後解決すべき科学的心理学的サポートに関する問題提起としてはおもしろい。確かに目に見えるわかりやすい指標を用いるほうが、メンタルトレーニングもより効果的に行えるだろうし、より広く普及するのではないか。いずれにせよ、心理トレーニングはアスリートの基礎トレーニングの1つとしてより広く定着すべきだろう。

カナダの強化プログラム
 本書でも紹介されているように、地元バンクーバーでのオリンピックに向けて、カナダは国家戦略としてアスリートの強化を続けてきた。過去2回の地元開催オリンピックで、金メダルを1つも獲得できなかったことが発端である。心理学的なアプローチも強化され、14人のスポーツ心理学者が強化プログラムに取り組んできたことが地元紙でも紹介されている。サイコロジーという言葉を使うと、心理的障害に対処するという印象がぬぐえないため、メンタル・パフォーマンス・コンサルタントという名称で活動したとのことだ。ビジュアライゼーション、メディテーションや深呼吸エクササイズ、ポジティブ・リフレイミング、セルフトーキング、そしてそれらの効果を客観的に確認できるニューロフィードバックを含めたバイオフィードバック。これらを用いて本番でZONEとも呼ばれる境地に至るようトレーニングしてきたのだ。結果、金メダルの獲得数が14個と大会1位に輝いた。実に前回のトリノオリンピックで獲得した数の2倍である。
 今大会、カナダの金メダル第1号になった男子モーグルのAlexandre Bilodeau選手もその恩恵を受けた1人である。ただ彼を担当した心理学者は金メダル獲得への貢献度に関して、「一部を担っていることは確かだが、コーチ、ストレングス・コンディショニングトレーナー、理学療法士やその他治療家、そして実業家や経済のエキスパート集団がトップアスリートを支援するスポンサープログラムであるB2Tenなど、すべてのサポートメンバーと貢献度において何ら変わるところはない」と謙虚に語っている。目新しいひとつの手法に対して盲目的に飛びつき、流行モノをつくるような大衆心理で取り入れるのではなく、資金調達とその有効利用も含めて、地に足をつけたトータルサポートシステムをさまざまな専門家が協力し合って構築し、実践することが重要だと言うことだ。加えるならそれを広く裾野へも還元して標準化することで次世代へのサポートにもなるだろう。

大切なこと
 顔にはまだ幼さすら残るBilodeau選手の金メダル獲得後のインタビューを聞くと、もう1つ大切なことが見えてくる。彼の言葉は自分の周りにいてくれるすべての人々によるサポートへの感謝で満ちていた。家族の話が出たときに思わず涙ぐんでいた彼は、脳性麻痺の兄からたくさんのインスピレーションをもらったという。障害を持ちながらそれでも不平を言わず前向きな兄に驚かされてばかりで、人間の限界とは何だと考えるようになったと、別のインタビューでも答えていた。与えられた環境に不満を抱き自分で限界を決めてしまうのではなく、己に与えられた力を最大限に伸ばし、活かすことだけ考えることを学んだ、と。すべてのトレーニングは彼の生き方に影響を与え、彼の生き方はトレーニングの効果、ひいてはパフォーマンスに影響を与えたのだろう。
 普段の何気ない日常の中でも、よりよく生きようと覚悟を持ち行動すれば、それが自然に人を強くする。オリンピックレベルのアスリートでなくても同じことだ。生き方そのものが、土壇場を迎えたときの身の処し方、メンタルプリパレーションのトレーニングになるはずだ。
(山根 太治)

出版元:新潮社

(掲載日:2010-05-10)

タグ:トレーニング メンタル カナダ  
カテゴリ メンタル
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スポーツ少年のメンタルサポート 精神科医のカウンセリングノートから
永島 正紀

 まず、著者は序章で自分の立ち位置をこう規定している。
「スポーツをすることそのものより、スポーツとの取り組み方により、さまざまな精神的問題や心理社会的問題が生まれることを示し、とくに現代の子どものスポーツのあり方や現状について精神科医の目を通して考えてみたいと思います」。
 精神科医である著者が、少年スポーツの現場にいる指導者とは違った視点で、スポーツについて語っている。
 現場の指導者やプレーヤーの家族の方々にもぜひ読んでいただきたい本である。おそらく、本書で語られていることにはなかなか同意しづらいという人も大勢いることと思う。とくに、勝ち負けの価値観については、そうだろう。だが、だからこそ読む価値もあるのだといえる。
 スポーツは、そのとらえ方により、さまざまな顔を持つ。身体運動を通した人間教育、人と人とのコミュニケーション・ツール、健康・体力づくりの手段、レクリエーションの場、自己実現の舞台…。これらの共通項は「スポーツは遊び」だということである。「たかがスポーツ」なのである。プレーヤー本人も指導者も保護者も、それくらいのスタンスがちょうどいいんじゃないの、と著者は主張している。
 本書を読んで、私のような一般社会人のボランティア指導者の役割について、ふと思ったことがあるそれは、「たかがスポーツ」という価値観を子どもたちに示すことではないだろうか、ということである。「スポーツができるからといって、それが何か世の中の役に立つのか?」。時にはそう言って、プレーヤーにスポーツとの関わり方について、疑問を抱かせることも必要かもしれない。子どもたちがさまざまな職種のコーチたちとの交流を通じて、多様な価値観に触れることにより、スポーツとの距離感や自分の立ち位置を確認するのだ。
 数年前に90歳で他界した私の祖母の面白いエピソードがある。彼女がまだ働き盛りのころ、近所の高校の校庭で学生たちがバスケットボールをしているのを見て、こう言ったそうだ。「あんな穴のあいたカゴに何回球を入れたって、落ちるに決まってる。高校生にもなって、あの子ら大丈夫だろうか…」
 スポーツなんて、所詮そんなもの。「たかがスポーツ」であり、「遊び」であり、「世の中の役に立たないこと」なのである。だからこそ、おもしろいのだ。だからこそ、熱く、真剣に、夢中になれるのだ。
(尾原 陽介)

出版元:講談社

(掲載日:2012-10-13)

タグ:スポーツ精神医学 メンタル 部活動 ジュニア 
カテゴリ メンタル
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積極的マイナス思考のすすめ スポーツ指導の現場から発信する日本人のストレス耐性を高める新発想
友末 亮三

 積極的という言葉と、マイナス思考という言葉。互いに矛盾しているようにも思える。「積極的マイナス思考」とは、どん底まで落ちてしまった状態であるが、きっかけをつかめば積極的プラス思考に持っていけるというのである。さらに、日本人に合ったストレス耐性を高める方法であるとも。
 また、心身のうち「身」から入ったほうがよい、という「自然体」へと導く方法論が面白い。これが本書を特徴づけている部分であり、題名からは心の問題を扱っていると考えてしまうが、実際には身体のことについても多く扱っている。
 テニスのコーチング経験に基づいた男女の違い、体育会と同好会の気質の違いなど、20章にわたる身体感覚とメンタルの話題が集められており、興味深い。
(月刊トレーニング・ジャーナル編集部)

出版元:スキージャーナル

(掲載日:2010-10-10)

タグ:テニス 指導  
カテゴリ メンタル
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No.1メンタルトレーニング 本番で最高の力を発揮する最強の自分をつくる
西田 文郎

「人間には無限の可能性がある。メンタルトレーニングは、自分の心をコントロールできるようになることで、その可能性を引き出すことに貢献するものである」本書の根幹を要約すると、こういうことであろう。メンタルトレーニングに関連する書籍の王道を進むものであるように感じる。
 しかし、読み進めていくと、「いかに自分の心をコントロールするか」ということに関して、小手先のテクニックに終始するのではなく、より人間の本質的な部分にアプローチしていることを感じる。(1)感情、(2)イメージ、(3)思考という3つの側面に対して、わかりやすく、丁寧に論理を積み重ねているのである。
 本書の流れは、「優秀なアスリートの条件」から始まる。理想的な姿、あるいは基準を設定し、読者に自分自身とのギャップを理解することを促しているのであろう。そして、そのギャップを埋めるために、人間の脳に対して、先述の3つの側面からアプローチしている。これは、「アスリートとしての在り方」「人間としての在り方」を高めようとしているように感じるのである。
 本書を読み終えたとき、「競技選手の存在」について、改めて考えてみた。競技選手が不安を感じることは驚くことではないし、指導者や選手に関わる全ての人たちは、もっと競技選手について理解してあげることができるのではないかと感じるのである。本書は、実在する選手やチームの具体例なども豊富で、取り組みの様子もイメージしやすい内容である。具体的な取り組みだけに終始せず、本質的な部分も教えてくれるものであることを実感した。
(南川 哲人)

出版元:現代書林

(掲載日:2010-11-10)

タグ:メンタルトレーニング  
カテゴリ メンタル
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ホイッスル! 勝利学
布施 務

 読んでいる間、ずっと苦しかった。「本気でぶつかっているのかい?」と問い詰められ、「“エッジ”に立って飛んでみろよ」と挑発され、「目標は手の平に載っている。握る努力をするのかしないのか。決めるのは自分自身だぜ。」と試されたみたいだ。
 本書は本来、「たとえ持って生まれた人柄や個性は変わらなくても、考え方の習慣はトレーニングで変えられる」という前向きな内容の本である。
 しかし、私にはそう感じられた。家庭と仕事とボランティアでのスポーツ指導と、どれもこれも言い訳ばかりの中途半端。ああ、なんてダメなオレ…。読み進めるにつれ、どんどんどんどん自虐的な気分になってゆくのだ。
 この本は、今まさにプレーヤーとして夢を追っている小中高生向けに書かれている。しかし、指導者にこそ読んでほしい本、いや読むべき本である。
「本気」なのか? 「断固たる決意」はあるか? 指導者たる者は、生徒に精神論を語る前に、自分のことを見つめなおし、「できない自分」と向き合う勇気を持たなければならない。
 落ち込んでいる場合ではない。私も「できない自分」と向き合おう。そして、心の中に本気の火を灯し、「今、この瞬間」に全力を尽くそう。読後には、そういう気持ちにさせてくれた。背中を押してくれる一冊である。
(尾原 陽介)

出版元:集英社

(掲載日:2012-10-16)

タグ:メンタル 
カテゴリ メンタル
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20歳のときに知っておきたかったこと
ティナ・シ-リグ 高遠 裕子

 スタンフォード大学で行われた集中授業の内容を紹介したものである。
 常識にとらわれずに常に異なる側面から物事を考え行動する。スポーツにおいても金銭やトレーニング環境など満足のいく環境を得ることは非常に難しい。ただ文句を言っていてもその環境は変わらない。ではどのようにしたらそれを変えることができるのか。
 考え方を変え、行動を変えることによって満足のいく環境を得られるのではないだろうか。その考え方を変えるヒントが書かれている。
(澤野 博)

出版元:阪急コミュニケーションズ

(掲載日:2012-10-16)

タグ:環境 
カテゴリ メンタル
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メンタル・タフネス
ジム・E. レーヤー 小林 信也

 インターネットでメンタルトレーニングの本を検索してみると400冊を超える本がヒットする。これを見れば心の重要性に誰もが気づき、関心があることは疑いがない。本書は、1987年に初版本が発行され、メンタルトレーニングに関する草分け的書物である。当時、高校三年生であった私は、夏の甲子園予選を前に監督からこの本を読むことを勧められ、手にとった思い出深い本である。
 著者であるジム・レーヤーは、テニスプレーヤーとしてナショナルランキング入りの経験を持つ、スポーツ心理学の権威である。テニスのトッププレーヤーであるナブラチロワ、サバチーニなどを指導して大きな成功をもたらしている。また、スピードスケートのダン・ジャンセンを1994年のリレハンメルオリンピックで金メダル獲得に導いている。
 メンタルタフネスとは、出来事に対するセルフ・コントロールの技術である。具体的には一流選手が身につけている「正しい態度を身につける」「正しい思考習慣を身につける」ことである。メンタルタフネスは技術なのでトレーニングすることで獲得することができるというのがジム・レーヤーの主張であり、今日のメンタルトレーニングにもつながっていく。ジム・レーヤーは、“スポーツは心理状態を映す鏡だ”と捉えている。心理状態をコントロールする技術を身につけることが最高のプレーを引き出し、それがスポーツするうえでもっとも重要なことであると述べている。自分自身のコントロールだけは自分で完璧にコントロールできる。その技術を身につけることで、つねに理想的な心理状態でプレーすることが可能になる。その技術がメンタルタフネスである。
 前半部分でメンタルタフネスの構造について分析している。理想的な心理状態を得るためには心理面を12の項目に分けている。12の項目について丁寧に説明され、その中には、従来の理解とは正反対の内容も含まれている。たとえば、物事をポジティブに捉えることの重要性がよく言われるが、ロー・ポジティブ・エネルギーよりもハイ・ネガティブ・エネルギーのほうがよい結果を出せる心理状態であるといったことなどである。
 後半部分でメンタルタフネス(セルフ・コントロール法)を獲得するためのトレーニング方法が実施する時間や期間なども含め詳細に書かれている。評価用紙やその他の記入用紙もあるので、それらを用いながら実践していくことも可能である。トレーニング方法は、現在、行われているメンタルトレーニングの方法がほぼすべて網羅されている。これらが段階的に書かれている。また、特筆すべき内容は、チームの理想的心理状態についての著述があり、チームワークを高めるポイントなども書かれている。チームの心理状態について書かれている本はとても少ないので貴重である。
 長期目標、中期目標、短期目標の設定や呼吸法など私も行ったことが幾度とあるが、いかに段階を省いて、適当に行っていたのか理解できる。継続している期間もジム・レーヤーが指定した期間に比べ、とても短い期間で次に進んでいた。また、本書を読み終えることでメンタルトレーニング全体を俯瞰することもできる。メンタルトレーニング、心に興味がある人には、スポーツ選手や指導者だけでなくビジネスマンなども心理面を学ぶうえでよい本である。
(服部 哲也)

出版元:阪急コミュニケーションズ

(掲載日:2012-10-16)

タグ:メンタルトレーニング 
カテゴリ メンタル
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スポーツ・サイキング 勝つためのスポーツ心理学
トーマス・タッコ アンバート・トッシー 松田 岩男 池田並子

「ゲームのフィジカル(身体的)な面の上達をたすける本、つまりバットやクラブ、ラケット、ボール、あるいは棒高跳びのポールの握り方などを教示してくれる本ならたくさんあるけれど、いったいどこに自意識や恐怖や腹立たしさ、挫折のイライラその他、スポーツの遂行を妨げる情動的(エモーショナル)難題のよりよい把握の仕方が示されているだろうか?」(第1章より)
 つまり、この本はスポーツを外から見て、筋力がどうの、テクニックがどうのというのではなく、内から見て、スポーツマンの心の問題を説いたものだ。スポーツ心理学というと難しく聞こえるが、表紙の感じからもわかるように、どのスポーツマンにも面白く読め、指導者にとっても選手管理や士気の高揚などにとても役立つのがこの本である。
 とくにSERP(スポーツ情動反応プロフィール)という自己診断の章(第5章)は実際に試してみる価値がある。
「自分のことは自分が一番よくわかっている」という人もあるだろうが、本当は自分こそ最も不可解な存在かもしれない。心の問題で少しでもひっかかったことのある人にはもちろん、そんなこと考えたこともないという人にもぜひ一読を勧めたい。

トーマス・タッコ、アンバート・トッシー著
松田岩男、池田並子訳
(月刊トレーニング・ジャーナル編集部)

出版元:講談社

(掲載日:1980-09-10)

タグ:メンタル 
カテゴリ メンタル
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バスケットボールのメンタルトレーニング
ジェイ マイクス

 バスケットボールのメンタルトレーニングという非常に興味深い内容である。
 バスケットボールを行ったことがある者なら、誰もが体験しているであろう場面や動作が登場する。それらの場面でのプレーをよりよいものにしていくメンタルトレーニング法もあり、痒いところに手が届く内容となっている。それ以外にもさまざまな局面で役立つ心理的なテクニックなどや、ドリルもたくさん紹介されている。さらに本書は自身の内面の気づきを高めることについても重きを置いている。その内容は視野、音、触感、心の映像、内面の声、身体の気づきといったものである。内部感覚が高まることによりプレーもよくなっていく。
 各章ごとの論じた内容を題材にした問題が章末に登場するので、すぐに復習できるところもよい。読み進めていくのに非常に時間がかかるが、そのぶん理解も深くなることであろう。プレーヤーはもちろん、指導者にもぜひとも目を通していただきたい。この気づきというのはバスケットボールだけではなく、他のスポーツ、日常生活などのさまざまな場面でよい結果をもたらしてくれるであろう。
(三嶽 大輔)

出版元:大修館書店

(掲載日:2012-10-30)

タグ:メンタルトレーニング バスケットボール 
カテゴリ メンタル
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やる気の心理学
宮本 美沙子

 この本はとくにスポーツマンのために書かれたものではない。どちらかといえば、子どもを相手にする先生や親が読めば得るところは一層大であろう。しかし、とかくやる気が問題とされるスポーツの現場に携わる人にとっても、貴重な示唆に富んだ書である。
 我々は「やる気がないから駄目なんだ」とか「あいつはやる気があるからどんどん伸びる」というように「やる気」という言葉をわかったつもりで容易に使っている。しかし、ではそのやる気を出させるためにはどうすればよいか、あるいはやる気がないというのはどういう状態なのかを理解するのは容易なことではない。やる気を出させるのも指導者の役割のひとつとすれば、「やる気のないのは駄目」と決めつけるのは一種の怠慢になるだろう。
「このように、実在の『やる気』のある人というのは、やさしさもユーモアもあり、おとなしいが生き生きとしており、仕事を楽しみ、かつ、現実的な悩みもあり、人の承認も求めるような、喜怒哀楽に満ちたナマ身の人たちなのである。『やる気』というのは、常識で考えるような積極性やたくましさだけでなく、もっと静かで慎重な面も伴うのである。」と述べる著者は、やる気の仕組み、やる気の発達、やる気と人格特性、やる気と性格、やる気と学校生活、自己実現とやる気といった章題で、やる気を分析し、やる気の本質に近づいていく。
「学習においても遊びにおいても、ただ漠然と『やる気』だけをもつのではなく、こうすればああなるかな、などと、あれこれ思いをめぐらせ、想像力豊かにイメージをもち、『やり遂げる』ための見通しをもつことが大切」「『やる気』になるにはまず感情がゆすぶられることが必要」「どうも日本の社会では、ミスをしない人、失点のない人のほうが起用され易いようである」など、スポーツ関係者にも興味深い叙述は数多く見られる本書は、少し学問的に過ぎるところもあるが、愛情に満ちた筆致に、指導者は多くの点を学び取ることができるだろう。
(月刊トレーニング・ジャーナル編集部)

出版元:創元社

(掲載日:1981-07-10)

タグ:モチベーション やる気 
カテゴリ メンタル
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スラムダンク勝利学
辻 秀一

 本書はいくつか出ている勝利学シリーズの中の一冊であり、バスケットボール漫画のスラムダンクの名シーンや選手の心情などにフォーカスし、スポーツ心理学に関連づけている。一章ごとの区切りが非常に簡潔であり、テーマが明確である。通常のスポーツ心理学だと少し難しいと感じてしまうところも漫画のワンカットを入れることにより、シチュエーションを理解しやすく非常にわかりやすい。なので年代を問わず誰もが楽しく読むことができるであろう。実際のスポーツシーンでもありがちなことが題材になっているので、ふと練習をしているときに思い出せるのもよい。
 だが、本書はスラムダンクのあらすじなど読者が知っている前提で進められる。もちろん読まなくともわかるのだが、スラムダンクを読んでいたほうがキャラクターに自身を投影しやすく理解がしやすいであろう。
 こういった漫画をベースにした勝利学シリーズはその漫画が好きな人にはもちろんのこと、スポーツ選手(とくに小中高生)にはスポーツ心理学の入り口としても入りやすく、非常に楽しめる内容となっている。
(三嶽 大輔)

出版元:集英社インターナショナル

(掲載日:2013-01-18)

タグ:心理 チーム 
カテゴリ メンタル
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I am here.
宮里 藍

 ゴルフはメンタルスポーツと言われています。つまり、感情がスキルに大きく影響を与えることを表していると思います。この本を通して明確に、ゴルフがメンタル性の強いスポーツであると感じることができました。
 本書は、誰でも起こり得るスランプになっていく過程や葛藤、思考状態を考えることから始まり、著者が重要視していること、アメリカ、日本で戦っていた頃、そしてここに至った道筋について5章にわたって書き綴られています。
 著者が高校生の頃から活躍していることは、皆さんもよく知っていることであります。私は、彼女が優勝回数を重ねて、アメリカに戦いの場を移すことは必然的なことと思っていました。私は表に見えている順風満帆な面しか知りませんでした。誰しも見えないところで苦しんでいる姿があるのは当たり前ですが、彼女が弱みを強みに変えることを可能にしてしまう思考の持ち主であることに凄みを感じました。
 著者は、アメリカで活躍できるプレイヤーになることを夢と語っていました。その夢を実現するために10年後の自分を見据えてプレイしようと考えています。つまり結果のみがすべてと考えず、過程をより大切にしようとしています。なぜなら自分自身がコントロールできないことに右往左往するよりも、コントロールできないことこそ地道にやって何かを掴みたいと考えています。そして、彼女はこのことを植物にたとえています。種をまく、水をやる、肥料をやる、花を咲かす。すぐに芽をだすかどうか、その答えはひとつではないこと。つまり、向かうところは一緒でも様々な経過があり、ただ花を咲かせるための努力は常に続けていこうということであります。確実に一歩ずつ噛み締めながら焦らず前を向いていくという、まさしくゴルフそのものを象徴する考え方ではないかと印象的でした。
 過程もひとつの結果ではありますが、そのひとつの結果に取り乱されない。いわゆる、先をみて努力する重要性を感じ取れました。先を見据えて今を最大限に努力する、だからこそ先への期待として楽しみに変化する。私は、これが本書の題名、I am here.の意味することだろうと思います。そして、著者はそれをアメリカに求めているのだろうと感じました。今後彼女がどう歩んでいくかを観ていくことが、とても楽しみになりました。
 私は本書を通して、自身の未来予想図を考え、自身の現在を見つめ直す素晴らしいきっかけをつくってもらえたと思いました。
(鳥居 義史)

出版元:角川SSコミュニケーションズ

(掲載日:2014-05-14)

タグ:ゴルフ メンタル 
カテゴリ メンタル
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プレッシャーを味方にする心の持ち方
清水 宏保

 この書籍は清水宏保さんが競技人生の中で学んでいったプレッシャーに対する対処法や考え方を章ごとにまとめて書かれている。
 競技人生の中でプレッシャーを味方にするために取り組んできたことや、なぜそのような考え方をすることができたのかについて、清水さんの父親の教育方法や育ってきた環境をふまえて書かれている。そして、プレッシャーを味方にするために日頃から行うことができるトレーニング方法が書かれている。トレーニングといっても長時間行うものではなく、普段の生活を過ごしている中で少し考え方や行動を変えることでトレーニングになることが書かれているので気楽に行うことができる。
 またプレッシャーに関すること以外に、よく質問を受けるという競技人生終了後のモチベーションの保ち方や現役時代のトレーニングに対する考え方も説明している。選手だったときにモチベーションの保ち方やトレーニングに対する考え方を、ビジネスの世界でも活用する例を挙げながら、仕事の場面にどのようにつなげていくのかを説明しており、わかりやすくなっている。
 プレッシャーを味方にしたい人だけでなく、最近モチベーションが低くなっている人やスポーツをしている人にもぜひ読んでもらいたい。
(榎波 亮兵)

出版元:扶桑社

(掲載日:2015-04-27)

タグ:メンタル プレッシャー ストレス 
カテゴリ メンタル
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ラグビー日本代表を変えた「心の鍛え方」
荒木 香織

変化に不可欠なもの
 触媒とは、それ自身は変化をしないが、他の物質の化学反応のなかだちとなって、反応の速度を速めたり遅らせたりする物質と定義される。つまり必要な変化を必要なタイミングで起こすための引き金になる存在だ。今のトップチームを組織するスタッフは多種多様になり、その組閣はチーム運営に多大な影響をもたらす。選手とスタッフの正しい巡り合わせは、強いチームづくりに不可欠な条件だ。
 2015ラグビーワールドカップで強烈なインパクトを残した日本代表チームはまぎれもなくエディ・ジョーンズHCのチームだった。そして猛将の描く「ジグゾーパズル」を完成するための「ピース」となり得る人々が集まり、身を削りながら働いて、主人公である選手たちを支えたのだ。本書の著者である荒木香織氏も、メンタルコーチという立場で極めて有益な触媒作用をチームにもたらし、選手たちの中に望ましい変化をもたらした。五郎丸選手のプレ・パフォーマンス・ルーティーンとの絡みが注目されがちだが、その作用は実に多岐にわたることが伺われる。
 本書で荒木氏はまずこう宣言している。「私は、スポーツ心理学をきちんと学問的に学び、研究し、そこから導き出され、確立された理論を体系立てて理解して」おり、世に蔓延する科学的理論に基づかない自己啓発やハウツーとは一線を画しているのだと。根拠のない経験や感覚でメンタルコーチングは行えないと言い切っているのだ。そもそも「心理学」という言葉が独り歩きして、人を安易にカテゴライズしてわかったような気にさせたり、簡単に人を変えられるといったハウツー本が目に余るのも事実だ。人の心、脳の働きはまだまだ未知の部分が多く、現状わかっていることだけが全てではないが、「人々のスポーツや運動の場面における行動を心理学的側面から研究」し、「様々な実験を行い、統計をとり、ときにはコーチやアスリートにインタビューをして、パフォーマンスと心理的傾向の関係などについて検証する」ことを今なお続け、常に世界の最新の情報を得ることにより、新しい手法を創造していく作業も怠っていない」と声を大にして言い切れる人がどれだけ存在するかは疑問である。
 実は10年ほど前、社会人ラグビーのトレーナーを務めていた私はチームへの心理学の専門家導入に失敗した経験がある。セミナーや心理テストをし、カウンセリングを行うなど、心理学の専門家に定期的に介入してもらったが、選手自身の関心も低く、私自身も無理だと早々に諦めてしまった。トレーナーの立場からアプローチすればいいとタカをくくっていたのかもしれない。選手が自分のことを見つめるための個人日誌も、結局はうまくいかなかった。そのときのチームにおいて選手の自立や自律を高める必要があるとわかっていたにもかかわらずだ。その難しさに毅然と立ち向かえなかった愚かな自分を棚上げして言えることは、もっと若い世代の育成中に様々なベースを作っていく重要性を痛感したことだ。

大きなチャンス
 今回のラグビーW杯で彼女の存在が注目されたことは大きなチャンスだ。ラグビーの世界では、トップチームを中心ではあるがS&Cの存在が当たり前となり、アスレティックトレーナーが普及し、栄養士が関わり、分析担当が配備されるようになるなど、スポーツ科学のそれぞれのスペシャリストがチームをサポートする形が整備されてきた。今回のインパクトにより、スポーツ心理学の専門家が関わる場面も増えてほしいものだ。同時にこれらのサポートが、どのような形であれユース世代に普及することを強く願う。
 たとえば高校世代で各種トレーニングの意義や望ましい身体の使い方を意識する。戦術についての理解を深め、創造することができる。日々食べるものを自己管理する。傷害について理解して予防対策を取り、受傷した場合もそれを克服した上で復帰する。物事の捉え方や考え方のスキルを身につける。そしてこれらを言われたことを鵜呑みにして行うのではなく、自らの考えと判断のもとに望ましい行動に移すことができれば、ラグビー選手としてのみならず、人としての成長に非常に効果的な触媒になることが期待できるのではないだろうか。これは結果的にトップの代表チームの底上げにつながるはずだ。
 それぞれのスペシャリストを各チームに配備するのはまだまだ現実的でないが、高校レベルでも優秀な指導者の方々はこういったことを意識して選手の自主性を高めることに成功しているのではないかと思う。そうして成長してきた選手が、若いときの成功に驕ることなく、レベルが上がるに伴いその知見にさらに磨きをかけるべく自らを鍛錬することができれば、素晴らしい人材育成になるように思う。そのためには「心を鍛える」ことが不可欠だ。世界と戦える競技として発展することと同時に、どんなレベルであれ人を心身ともに逞しく成長させる素晴らしいスポーツとして、ラグビーが日本文化にさらに広く普及することを願う。
(山根 太治)

出版元:講談社

(掲載日:2016-05-10)

タグ:ラグビー メンタル 
カテゴリ メンタル
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動きを直せば心は変わる メンタルトレーニングの新しいアプローチ
徳永 幹雄

 心と動きは相互に作用し合う。結果が求められるスポーツにおいては、パフォーマンスを変えるべくメンタルを変えることに重点を置くアプローチが多いが、本書は「動き」を直すことに着目している。
 メンタルは実力発揮に関係するが、発揮すべき実力が磨かれている必要がある。動きといっても単なる技術練習ではなく、生活習慣なども含まれる。また、実体のメンタルについても具体的な5因子・12尺度に定義した上で、それぞれの評価とトレーニングの方法を紹介していく。
 方法は多岐にわたり、著者を始めメンタルトレーニング研究に尽力した先人の存在を感じられ、それ自体にも勇気づけられる。
(月刊トレーニング・ジャーナル編集部)

出版元:大修館書店

(掲載日:2016-05-10)

タグ:メンタル 動作 
カテゴリ メンタル
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最強の選手・チームを育てるスポーツメンタルコーチング
柘植 陽一郎

 選手自身のモチベーション・競技力を向上させ、それを本番で発揮できるようにする。さらにはチーム全体としても結果が出せるように持っていく「メンタルコーチング」。
 豊富なエピソードを読むと、柘植氏の言うように人はひとりひとりまったく違うというのがよくわかる。とはいえ、それを踏まえて体系化された手法で十分アプローチできる。付箋を使った内面の整理や、テープを使ったスケジュール感の把握はすぐにでも取り入れられそうだ。
 最終章では、選手と向き合う指導者自身のセルフコーチングについても触れられている。
(月刊トレーニング・ジャーナル編集部)

出版元:洋泉社

(掲載日:2015-12-10)

タグ:メンタル コーチング 
カテゴリ メンタル
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勝負を決する! スポーツ心理の法則
高畑 好秀

 スポーツパフォーマンスを支える「心技体」のうち、「心」は目に見えないために鍛えにくいと言える。そこで多数のアスリートを指導してきた著者は、試合や練習のどの場面でとくに意識すべきかという切り口から、メンタルトレーニングを「イメージトレーニング」「リラックス法」「ストレス対策」など18の要素に分類した。それぞれについて、理論編・実践編・セルフチェックシートの3ステップで解説している。
 このステップを踏むことによって「自分なりの成功の方程式」が確立される、つまりどんな場面でもセルフコントロールが可能になるという仕組みだ。指導者やチームメイトとのコミュニケーションにもふれられているが、根底には「選手の中にもう1人のメンタルトレーナーを育てる」という著者のモットーが全編にわたって息づいており、自分の「心」を鍛えることができるのは最終的に自分しかいないのだとわかる。
(月刊トレーニング・ジャーナル編集部)

出版元:体育とスポーツ出版社

(掲載日:2012-03-10)

タグ:スポーツ心理 メンタルトレーニング 
カテゴリ メンタル
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ブレインスポッティング・スポーツワーク トラウマ克服の心理療法
David Grand Alan Goldberg 久保 隆司

 スポーツは楽しむために行うもので、昨今、娯楽としての需要が増えつつある、そのことに対して異を唱える人は少ないでしょう。
 日常において身体を隅々まで使って生活を営む必要が少なくなった現代において、健康維持のためにスポーツに取り組む意義が大きくなってきているのも間違いないと思います。
 また、競技スポーツにおける成功は、人生における選択肢を増やすための大きな糧となるでしょう。
 しかし、だからといって、スポーツに自分の全てをかけるというのは、いささか行き過ぎなのではないかと感じます。狙ったところにボールを蹴ることができる、遠くまでボールを打って飛ばすことができる、そんな能力が現代の世界で生活していくためにどれほど役に立つというのでしょうか?
 本書は、アスリートの心身の問題がいかにそのパフォーマンスに影響するかを示したものです。その心身の問題というのは、意識できる範囲のものだけでなく、その人が体験してきたすべてのものを指します。つまりは、アスリートのパフォーマンスの問題は、全人間的に捉えていかなければならないということです。
 全人間的ということは、スポーツというものがその人の人生にとってごく一部ということを知ることであり、パフォーマンスのみでその人を判断することは愚の骨頂であるということです。
 本書には、スポーツ活動とともに人生自体がうまくいかなかった例が出てきます。アスリートを機械的に捉え人間としての心や感情を無視した結果起こる悲劇的な出来事は、スポーツに取り組む代償としてはあまりにも大きすぎます。
 昨今叫ばれている「アスリートファースト」を、アスリートの競技環境に配慮することと捉えるだけでは片手落ちとなってしまうでしょう。
 スポーツに関わる全ての人が、アスリートを一人の人間として捉え、関わっていくことが、真のアスリートファーストであると強く思います。
(永田 将行)

出版元:BABジャパン

(掲載日:2018-04-27)

タグ:イップス スランプ 心理療法 
カテゴリ メンタル
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メンタル強化バイブル
高畑 好秀

この本の特徴は、各競技のトップ選手20人が勝つために練り上げた方法論を探り、得られたヒントを紹介していくというところにあるが、その豊富な事例から自分に適した情報を抽出し、アレンジすることも可能である。メンタルトレーニングの方法が、十人十色であることを強調する著者らしい仕立てだ。





(月刊トレーニング・ジャーナル編集部)

出版元:池田書店

(掲載日:2000-02-10)

タグ:メンタルトレーニング 
カテゴリ メンタル
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MT法でなりたい自分になれる
小林 充

「MT」はメンタルトレーニングの頭文字を表す。著者によるその位置づけは、潜在意識にあるマイナスイメージをクリーニングし、代わりにプラスイメージをインプットすることで「なりたい自分になれる」というもの。自分でできるチェック法に“MTテスト”を挙げるが、ゲーム感覚でやると楽しめそう。




(月刊トレーニング・ジャーナル編集部)

出版元:成星出版

(掲載日:2000-02-10)

タグ:メンタルトレーニング 
カテゴリ メンタル
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野球のメンタルトレーニング
高畑 好秀

小誌連載中の「実録メンタルコンディショニング」を担当する高畑好秀氏が、とくに専門とする野球のメンタルトレーニングについてまとめた本。プロ野球選手などのインタビューから成る第1章、具体的なメンタルトレーニング法が紹介されている。




(月刊トレーニング・ジャーナル編集部)

出版元:池田書店

(掲載日:2000-08-10)

タグ:野球 メンタルトレーニング 
カテゴリ メンタル
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スポーツ心理学ハンドブック
上田 雅夫

国際スポーツ心理学会が設立されて35年と、この分野はまだ若い科学であって、科学的解明を必要とする課題が多いのも確かである。そうした課題の解明や用語の統一を図る意味でも、誰もが理解できる形の基礎が必要であると、早稲田大学のスポーツ心理学関係者ほか41名が編んだ“教科書”。



(月刊トレーニング・ジャーナル編集部)

出版元:実務教育出版

(掲載日:2001-01-10)

タグ:スポーツ心理 
カテゴリ メンタル
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5つの診断 自分が見つかるABCDEトレーニング
末松 芳子

フィギュアスケーターの頃には、大舞台で実力を発揮できず精神面の弱さを痛感したという著者が、「ラショナル・エモーティブ・セラピー」と呼ばれる論理療法によって、精神的課題の克服が可能であるとして書き著した本。「5つの診断」とは、出来事、考え方、感情、反論、効果のステップのこと。



(月刊トレーニング・ジャーナル編集部)

出版元:情報センター出版局

(掲載日:2001-01-10)

タグ:メンタル 
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スポーツ心理学 心を強く鍛えるための15の「理論」と「実践法」
高畑 好秀

「心を見つめる」「心を操る」「心を鍛える」という視点で取りまとめた、心を強く鍛えるための15の理論と実践。前半は、陸上競技の高野進氏、飛板飛込の元渕幸氏、野球の辻発彦氏などのインタビューから得られたメンタルマネジメントの神髄について、後半ではそこから得られた理論を体系化した。

(月刊トレーニング・ジャーナル編集部)

出版元:山海堂

(掲載日:2001-01-10)

タグ:スポーツ心理  
カテゴリ メンタル
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その気にさせるコーチング術 コーチと選手のためのスポーツ心理学活用法
高畑 好秀

「スポーツ心理学」を活用して、コーチと選手のコミュニケーション、意識改革、実力を発揮させるための環境づくり、試合中の心理作戦、あるいは選手のこころのケアまで、幅広い内容をテクニックとして著した。これらに付随して、最近注目されつつあるスポーツ(メンタル)カウンセリングについても触れられている。


(月刊トレーニング・ジャーナル編集部)

出版元:山海堂

(掲載日:2001-05-10)

タグ:コミュニケーション スポーツ心理 
カテゴリ メンタル
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勝者の条件 アスリートの“心”をどう鍛えるか
長田 一臣 麓 信義

 スポーツ心理学の第一線で活躍してきた長田、麓両氏が、スポーツにおいていかに“メンタル”が大切であるか、どうすれば心が鍛えられるかを、指導実践に基づき書の中で熱く語り合っている。ほかにも、長田氏が指導した体操の具志堅幸司、柔道の古賀稔彦、恵本裕子らに行った指導実践の記録も掲載されている。






(月刊トレーニング・ジャーナル編集部)

出版元:春秋社

(掲載日:2002-02-10)

タグ:スポーツ心理 
カテゴリ メンタル
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ツキの大原則
西田 文郎

 思考、イメージ、感情のスイッチをプラスにして「成功するソフト」を脳に持つこと、脳にある「失敗の記憶データ」を「成功の記憶データ」に書き換えることが、ツキを呼び込む手段であると西田氏は言う。プロ・アマ選手などに提供してきた能力開発プログラムを、ツキをキーワードに展開していく。







(月刊トレーニング・ジャーナル編集部)

出版元:現代書林

(掲載日:2002-03-10)

タグ:ツキ 
カテゴリ メンタル
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成功するメンタル改造術 トップアスリートに聞いて実践!
高畑 好秀

 小誌で約1年半の間、連載してきた「実録メンタルコンディショニング」に、プロレスの船木誠勝、モータースポーツの片山右京、トライアスロンの宮塚英也などの話を“増量”した本。全体は、トップアスリートにインタビューした第1章、そこからエッセンスを抽出した「メンタルトレーニングの方法と実践」の第2章、そしてスポーツ心理学者・麓信義氏との対談をベースにした第3章から成っている。
 著者が一貫して述べているのは、個別対応の指導である。メンタルトレーニングの方法論自体はたくさんあるけれども、それはあくまでも基本であって、本質は個人とのカウンセリングの中に潜んでいると。『成功するメンタル──』では、選手のカウンセリングの中で頻出する事柄が整理されているため、指導者にも選手にも“使える”内容となっている。例えば、イメージトレーニングやリラクゼーションは、スポーツのどんなときに必要なのか? あるいはミスからの気持ちの切り換え方、マンネリによるパフォーマンス低下を防ぐ法は? さらにはスランプ脱出法や正しい判断を身につける方法など、ゲームや普段のトレーニングの中で陥りやすい心理的不安に対するアプローチ法が盛り込まれている。
 構成は著者の代表作でもある『メンタル強化バイブル』(池田書店)と類似する部分もあるが、過去に100名以上のトップアスリートにインタビューし、メンタルトレーナーとして進化し続ける著者の“メンタルトレーニングに対する解答”が詰められている。

(月刊トレーニング・ジャーナル編集部)

出版元:主婦の友社

(掲載日:2002-04-10)

タグ:スポーツ心理 
カテゴリ メンタル
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桐蔭学園ラグビー部 勝利のミーティング
藤原 秀之 布施 努

 高校ラグビー界で「東の横綱」と称される桐蔭学園。2014年に10年連続花園出場をかけた県大会決勝で敗れたことがきっかけで、スポーツ心理学者の布施氏がメンタルコーチとして関わるようになったという。藤原監督と布施氏の対談の形式で進み、読みやすい。章末のコラムでは、各章で紹介したメソッドをもとにどのような実践を行ったか紹介されている。歴代キャプテンのインタビューも収録され、選手側の感覚も知ることができる。コロナ禍の中でも花園連覇を達成できたのは、ミーティングを通して選手たちが思考力とリーダーシップを身につけていたからだとわかる。

(月刊トレーニング・ジャーナル編集部)

出版元:大和書房

(掲載日:2021-07-10)

タグ:ミーティング 
カテゴリ メンタル
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図解 ここ一番! 1分間メンタル強化トレーニング
高畑 好秀

 プロスポーツ選手やオリンピック選手のメンタルトレーニングの指導をする著者が(1)集中力、(2)イメージ力、(3)リラクゼーション力、この3ステップで手に入れる「最強のメンタル」法を紹介。

(月刊トレーニング・ジャーナル編集部)

出版元:講談社

(掲載日:2004-01-10)

タグ:メンタルトレーニング 
カテゴリ メンタル
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メンタル革命
高畑 好秀

 新しいことに立ち向かうときに、困難を恐れて闘う前に気持ち(精神)で負けてしまう人は多い。自分の弱さと真正面から向き合うための「こころを鍛える方法」を紹介。有名・著名スポーツ選手30人の実践例を収録。

(月刊トレーニング・ジャーナル編集部)

出版元:河出書房新社

(掲載日:2004-05-10)

タグ:メンタルトレーニング 
カテゴリ メンタル
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スポーツメンタル43の強化法
高畑 好秀

 スポーツパフォーマンスに重要な空間認知能力は右脳が司っている。その右脳により刺激を与え「脳力」をアップさせるための、43メンタルトレーニングプログラムをわかりやすく紹介。

(月刊トレーニング・ジャーナル編集部)

出版元:池田書店

(掲載日:2004-07-10)

タグ:メンタルトレーニング 
カテゴリ メンタル
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体育・スポーツの心理尺度
徳永 幹雄

 運動やスポーツ行動を予測するための方法として質問紙を用いた心理尺度化法がある。本書はこれまでに紹介された質問紙を掘り起こし、心理尺度について研究論文などで掲載されていない質問紙の部分を歴史的背景と方法とともに紹介。

(月刊トレーニング・ジャーナル編集部)

出版元:不昧堂出版

(掲載日:2004-12-10)

タグ:スポーツ心理学 質問紙 
カテゴリ メンタル
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体育・スポーツのサイコロジー
豊田 一成

「体育心理学」「スポーツ心理学」「健康運動心理学」に大別される心理学分野。本書は10名の執筆者により、オールラウンド的見地に立ち、体育・スポーツ・運動に関する心理学について紹介。

(月刊トレーニング・ジャーナル編集部)

出版元:アイオーエム

(掲載日:2005-01-10)

タグ:スポーツ心理学 
カテゴリ メンタル
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掟破りのコーチング術 現場ノートが教える選手・コーチの意識改革実践法
高畑 好秀

 スポーツメンタルトレーナーである著者のコーチング術シリーズ第3弾。現場のコーチ経験も豊富な著者が3年間書き留めておいたノートをもとに「選手を変え、成果をあげる72の技術」の説を紹介。

(月刊トレーニング・ジャーナル編集部)

出版元:山海堂

(掲載日:2005-04-10)

タグ:メンタル 
カテゴリ メンタル
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痩せるNo.1理論
西田 一見 西田 文郎

 本書は監修者が開発した「スーパー・ブレイン・トレーニング(SBT)」のダイエット版。つらくて苦しいダイエットを「痩せたくてワクワクする脳」に切り替えて実践する方法を紹介している。

(月刊トレーニング・ジャーナル)

出版元:現代書林

(掲載日:2005-09-10)

タグ:ダイエット 
カテゴリ メンタル
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スポーツ選手よ 強くなるには「哲学」を持て! 折れないこころをつくるメンタルトレーニング
杉浦 健

 強い選手や精神的に安定した選手は自分なりの「哲学」を持っている。自分の目指すべき「哲学」を見いだし、折れない心をつくるための問いと答えのヒントを導く書。

(月刊トレーニング・ジャーナル編集部)

出版元:山海堂

(掲載日:2006-01-10)

タグ:メンタルトレーニング 
カテゴリ メンタル
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根性を科学する
高畑 好秀

 従来の根性論を否定するところからスタートしたメンタルトレーニング。しかし「根性」は本当に不必要なのか。問題点を洗い出し、「根性」の本質をメンタルトレーナーの著者がひも解いていく。

(月刊トレーニング・ジャーナル)

出版元:アスペクト

(掲載日:2006-03-10)

タグ:メンタルトレーニング 
カテゴリ メンタル
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体育教師のための心理学
Y. ヴァンデン‐オウェール S. ビドル R. ザイラー F. バッカー M. デュラン Yves Vanden Auweele Stuart Biddle Roland Seiler Frank Bakker Marc Durand スポーツ社会心理学研究会

 体育教師が身につけておきたい心理学的知識と実践へのガイドラインを紹介するとともに、子どもの体育・スポーツ活動の重要性やその実践におよぼす心理的要因の影響も解説。子どもの体育・スポーツ指導にかかわる方におすすめの一冊。

(月刊トレーニング・ジャーナル編集部)

出版元:大修館書店

(掲載日:2006-07-10)

タグ:体育 心理学 子ども 
カテゴリ メンタル
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スポーツ心理学入門
マット ジャーヴィス 工藤 和俊 平田 智秋

 スポーツを自ら実践する著者が、スポーツ心理学の性格、態度、学習、動機づけ、攻撃性、ストレスなど、選手やコーチの立場から実践的に、わかりやすく解説した入門書。

(月刊トレーニング・ジャーナル編集部)

出版元:新曜社

(掲載日:2006-10-10)

タグ:スポーツ心理 
カテゴリ メンタル
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打たれ強い自分をつくる方法 3分間メンタル・コーチ
高畑 好秀

 メンタルトレーナーとして、数多くの選手と対話してきた著者が、パフォーマンスを最大限発揮するための心のあり方についてまとめている。各章ごとにポイントとなる考え方があげられ頭に入りやすい。たとえば第1章では、思考によって方向が決まり、イメージはそこに向かうパワー。思考×イメージの掛け算でパフォーマンスが決まる、とある。いわゆる「ビジネス本」でもあり、仕事の話もあるが、基本はスポーツ現場での問題を扱っており、ヒントになるだろう。

(月刊トレーニング・ジャーナル編集部)

出版元:中経出版

(掲載日:2008-07-10)

タグ:メンタルトレーニング 
カテゴリ メンタル
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イチローの脳を科学する なぜ彼だけがあれほど打てるのか
西野 仁雄

 イチローのパフォーマンスはどこからくるのか、ということを軸にしながら、どういうメカニズムで脳が発達し、よいパフォーマンスができるようになっていくのか、基礎的な脳の生理学を、数々の実験を紹介しながら、脳の働きや構造、意味について簡潔にわかりやすく説明している。
 そして、遺伝子や環境といった要因まで踏み込んでいく。著者によると、イチローは、「負けず嫌い」な性格をベースとし、幼少から現在にいたるまでよい環境に恵まれたこと、さらに自分の意志で努力を重ね、高いレベルで自分を律しているという。
 なお、「人生万事塞翁が馬」という故事も紹介し、うまくいかないことも多い人生であるが、前もって何が幸せか不幸なのかを知ることはできないという。著者のメッセージは「自分の中に自分自身のイチローを見つけ、自らのスタイルで、それを追求して行きましょう」という最後の文に表現されている。

(月刊トレーニング・ジャーナル編集部)

出版元:幻冬舎

(掲載日:2008-12-10)

タグ:パフォーマンス 
カテゴリ メンタル
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ホイッスル! 勝利学
布施 努

 スポーツの現場において、「本気の火を心に灯す」ということを仕事として、選手たちと日々向き合っている著者。アメリカ留学の際に手元にあったサッカー少年のマンガ『ホイッスル!』の場面を引用しながら、目標を定め、それをクリアしていくための具体的な方法、チームを形づくるためのぶつかり合いの過程、本気でなければ楽しめないスポーツの厳しさなどが丁寧に説明されている。
 選手であれ、スタッフであれ、レギュラーや補欠など、立場を問わず、チームとして一丸となってパフォーマンスを発揮するために何をすべきなのか。今、この瞬間にできることを成し遂げるという力の尽くし方を教えてくれる。

(月刊トレーニング・ジャーナル編集部)

出版元:集英社インターナショナル

(掲載日:2009-10-10)

タグ:指導 メンタル チームビルディング 
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ブレインスポッティング・スポーツワーク トラウマ克服の心理療法
David Grand Alan Goldberg 久保 隆司

 著者らはイップスやスランプなどのRSPP(反復性スポーツ・パフォーマンス問題)の研究を進めている。従来のスポーツ心理学でのアプローチは意識的なテクニックにより状態の改善に導くのに対して、ブレインスポッティングスポーツワークは無意識の原因を取り除く。PTSD治療のフレームワークを応用しており、別の言い方をすれば競技レベルや種目を問わず悩みを抱える人に適用が可能である。
(月刊トレーニング・ジャーナル編集部)

出版元:BABジャパン

(掲載日:2017-01-10)

タグ:イップス スランプ 心理療法 
カテゴリ メンタル
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アスリートのこころの悩みと支援 スポーツカウンセリングの実際
中込 四郎 鈴木 壯

 アスリートへの心理サポートの歴史をひもとき、次いでアスリートが置かれる状況、陥り得る危機を心理面から整理する。それに対してスポーツカウンセラーはどのようにサポートできるか。メンタルトレーニングというと意識レベルのコントロールというイメージが強いかもしれないが、著者らはアスリートがカウンセラーの前で自分について語る意味に着目した。カウンセリングは指導ではなく、当人の成長する力への働きかけだという。さらには身体が語る言葉にも耳を傾け、競技力向上へ後押しする役割を、ジュニア期から引退間近の選手までの豊富な事例とともにまとめた。
(月刊トレーニング・ジャーナル編集部)

出版元:誠信書房

(掲載日:2017-05-10)

タグ:スポーツカウンセリング 
カテゴリ メンタル
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アスリートのこころの悩みと支援 スポーツカウンセリングの実際
中込 四郎 鈴木 壯

関わり方の基礎
 20数年前、鍼灸の勉強をしている頃に心理学の本を読もうと思い立った。いくつか乱読するうちに、河合隼雄という人の本に出会った。直ちにのめり込み、手に入るものは全て読み尽くさねばと思った。専門書として書かれた本は私にとって読み解くにはハードルが高かった。一方で遊び心満載の楽しい文章が並んだ一般書は、楽しめるとともに示唆に富んだものばかりだった。心理学の専門家を目指したわけでもないし、氏の説くユングの考えに深く傾倒することもなかったが、私の選手との関わり方などアスレティックトレーナーとしての立ち位置はその影響を強く受けた。人の心をわかるといったことではなく、「そこにいて」「役に立つ」ことをするという感覚を得たことは、選手との距離感やアスレティックトレーナーとしての仕事のあり方に教えをい ただいたのと同義だった。アスリートの役に立つ存在として、アスレティックトレーナーもカウンセリングマインドというものが必要なのだ。

極限状態の中で
 さて、本書ではスポーツ選手に対するメンタルマネージメントとして、スポーツカウンセリングを題材にそのサポートの歴史やサポート内容の変遷、事例などが述べられている。文中でも引用されているが、およそ50年も前のスポーツ科学研究委員会心理学部会報告書で「スポーツ現場というのは、極端ないい方をすれば、生と死が隣りあっている極限状態における“自己実現の創造性”の闘いであり、“特殊な才能の創造性”の争いなのである。したがって、自分を絶えず極限状態に追い込み、極限状況を日常生活的なものとしなければならない。すなわち、この非常な闘いのなかで、なおかつ人間性の深化への努力を、つねに持続せねばならない。たえず、極限状態に追いつめられる選手が、袋小路に入り込まないように人格的な成長を促進させる援助として、スポーツ・カウンセリングのサービ スが必要なのである。」と述べられている。当時から考えれば驚くほどスポーツ科学が普及した昨今のスポーツにおいても、トップアスリートが「非常な闘いのなか」にあることは想像に難くないし、学生スポーツにおいてもそれぞれのレベルで「極限状態」にあることは間違いないだろう。
 そのようなアスリートが、そのあるべき姿ともされる「明るく、元気、爽やか」に常にいることは自然なことなのだろうか。考えてみると昔のアスリートとも言える武芸者たちは、「明るく、元気、爽やか」というイメージを求められたのだろうか。召しかかえてもらうには愛想のひとつも必要だったかもしれないが、豪快という言葉は似合っても、自分の主義を曲げてまで阿る必要はなかったようなイメージがある。いやこれはあくまで想像だが。現代のプロアスリートなどはファンやスポンサーがいてこそ成り立つ経済構造があるだろうし、子ども達の憧れの対象でもあるわけだから、完璧な 人間であることを求められることは理解できる。それをやり遂げているトップアスリートは立派だと心底思う。しかしそれをやり続けるのは想像し難いストレスになり得るだろうとも感じる。

共通するもの
「競技遂行困難」「ケガ、痛み」「身体の病気」「身体症状」「精神障害」など自身のメンタルに問題がいつ起こるかわからない状況で、彼らはそれほど精神的にタフでいられるだろうか。いや、「壁を突き破り成長していく選手がいる一方で、身体の故障、そして自分自身が抱える問題が表面化し、それによって競技遂行が難しくなる」アスリートが少なからず存在するわけで、彼らをサポートする人間は必要だろう。アスリートのためのメンタルトレーニングが事前に用意されたプログラムを手順に従って指導する、いわば「教える」ことが中心のサポートであるのに対して、本書で主に述べられているスポーツカウンセリングは「自己理解が増し、内的な成長、そして競技姿勢 の変化」を期待して行うものであり、アスリート自身が「自己発見的な歩み」を通じて「育つ」ことに主眼を置いている。
 これはアスリートのすぐそばでサポートするアスレティックトレーナーの心得にも共通する。スポーツカウンセリングマインドともいうべきものが必要なのである。負傷したアスリートが競技復帰を目的に行うアスレティックリハビリテーションにおいても、心理サポートによってリハビリ期間を短縮できるという。それはカウンセリングの形でなくてもできる。傷害に応じたプロトコールを選手にただ指導するのではなく、選手の状態を的確に評価して問題を把握し、その人の「役に立つ」ことを「そこにいて」アスリートと共につくり上げていくのだ。このほうがアスリートの状態をよりよくできるだろうし、リハビリ期間中に自身の身体を再認識し「自己発見的な歩み」を通して「育つ」ことが期待できるように思う。
 本書に河合氏の著書からの引用文がある。「心理療法とは、……可能な限り来談者の全存在に対する配慮をもちつつ、来談者が人生の過程を発見的に歩むのを援助すること」だと。アスレティックトレーナーと置き換えてもいい。
(山根 太治)

出版元:誠信書房

(掲載日:2017-09-10)

タグ:スポーツカウンセリング 
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心理療法入門
河合 隼雄

 心理療法は、医学モデルによる「治療」とは異なるものである。医学の場合は、病気の原因を明確にし、それに対して薬や手術によって、原因を除去するという方法がとられる。これに対して、心理療法の場合は、根本的にはクライアントの潜在的可能性に頼るというところがあり、「病気を治す」というイメージよりも、その人の本来的な生きる道筋に沿ってゆく、というイメージの方が強いという。
 著者は、西洋近代の医学は、こころと身体、医者と患者の区別を明確にすることによって成立したが、実際の医療の場面においては、それらの区別をむしろ明確にせず、「関係性」に注目すべきで、そこに、ホリスティック医学や東洋医学などの有効性が考えられるようになったとし、医療の実際においては、心理療法的な接近法が、身体医学と共に重要である、と語る。
 人間存在は「意識」「言語」によって、自然に反する本性を持っている。
 こんな例を挙げている。人間が一本の糸杉を見る、という体験。他の動物、たとえば、その木にとまっている鳥や、登ろうとしている猫には、その木は、生きるという体験に組み込まれた、多様で多彩なものになるのではないか。他方、人間にとっては「糸杉」として認識され、自分の体験が一義的に限定されてしまう。
 池上嘉彦は「言語は人間の表現、伝達の手段どころか、むしろ知らないうちに人間を支配している君主であるかもしれないのです。この認識は深層心理学における『無意識』の発見にも比することができるでしょう」と述べる。
 言語化し、記憶して、ものごとを判断する主体としての自我が強固につくられてくる。このことこそが反自然の元凶だという。人間は、科学技術を使って、自然を制御、または利用し便利な生活を実現させてきた。自然を対象としコントロールすることで、現実は成り立っている。他方で、人間自身も自然の一部である。自然と人間の自我が著しく乖離したとき、補償作用として、神経症、心身症が生じるともいうことができると、著者はいう。
 本書で説明される心理療法は、無意識、夢、イメージ、物語などを解釈して、気づきを促し、意識の変容を目指すというのが、おおまかな方針だ。物事を「きり」わけて、発展してきた科学とは、逆方向に思われる「つなぐ」ことによって可能性を探る心理療法。
 現代において、医学の大枠は科学によって設計されるべきだが、個別具体的な臨床の現場においては、本書のような内容が、患者さんに資するところが多いように思う。
(塩﨑 由規)

出版元:岩波書店

(掲載日:2022-05-24)

タグ:臨床心理学  
カテゴリ メンタル
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野の医者は笑う 心の治療とは何か?
東畑 開人

 臨床心理士である著者が「野の医者」と呼ぶのは、スピリチュアルや宗教に関わるもの、たとえば占い師やヒーラーなどの、世間一般的にはちょっと怪しいと思われる人たちだ。
 研究助成金を得た著者は、ありとあらゆる「治療」を受けまくる。そのなかで、自身が取り組む仕事、扱っている「こころ」のことを考える。治癒を巡って、あるヒーラーとの対話のなかで出てきたスタンスの違いは興味深い。劇的に良くなる、というヒーラーの主張する対象者の状態は、臨床心理学から見れば、躁状態であるに過ぎず根本から良くなっているとは言い難い。
 それが悪いわけではない。ひとまず、避難先を確保することは大切なことだ、とした上で、しかし対象者が自身の内面を直視し、受け入れていく過程で、振り子の揺れが少しずつ収まるように治っていく、というのが順当なゴール設定ではないか、という主張には、腹落ちするところがあった。「こころ」という、捉えどころのないものに、魔法のような治療法はないらしい。
 翻って、補完代替医療のことを考えてみると、それぞれの立場によって病めるひとに対し、物語を構成する「ストーリーテラー」としての側面がある。
 ただやはり、最後は自分と向き合い、主体性を回復する、というゴールまで、そのひとに伴走するというのが、セラピストの正しい姿勢だと思う。そこに越えてはいけない一線があると思った。
(塩﨑 由規)

出版元:誠信書房

(掲載日:2023-01-05)

タグ:心理学 
カテゴリ メンタル
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多分そいつ、今ごろパフェとか食ってるよ。
Jam 名越 康文

 ひとの悩みは、たいがい人間関係だといわれる。
 振り返ってもそう思う。今でもよく悩む。あのときこう言えば、こうすれば、という場合もあれば、言ってしまったこと、してしまったことを悔やむこともあるし、言われたことやされたことをいつまでも気にしてしまう、ということもある。終わったことを変えることはできない。しかし、そう簡単に割り切ることもできない。頭の中はそのことでいっぱいになり、何度も何度も、思い出さずにはいられない。そんな経験が、多かれ少なかれ、誰にでもあるのだろうと思う。
 著者は悩んでいるときに友人から、タイトルにもなっている「多分そいつ、今ごろパフェとか食ってるよ」と言われたことで楽になったという。本書はSNS、人間関係、職場、自分という4つのモヤモヤという章立てで、猫の4コママンガとともに読みやすい文章が続く。著者の経験も織り交ぜながら、ユニークな解決法も教えてくれる。なんでも、分かり合えないひとのことはチベットスナギツネだと思えばいいそうだ。ぜひやってみようと思う。
 本書をAmazonで注文したのは、あるひとの話を聞いたからだ。それで少し前に話題になった本書を手に取ってみようと思った。あなたが傷ついたり悩んだりしたことは、あなたがセラピストとして痛みを抱えるひとに寄り添うときに、きっと力になるし、無意味じゃない。そんなようなことを言ってあげればよかったのかな、と考えたけれど、いや、それはちょっとな、なんて思い直したりして、やはり逡巡はやまない。
(塩﨑 由規)

出版元:サンクチュアリ出版

(掲載日:2023-08-01)

タグ:人間関係 
カテゴリ メンタル
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NHKテキスト 100分de名著 中井久夫スペシャル
斎藤 環

 著者曰く、中井久夫の功績のひとつは、統合失調症の状態を過程と読み替え、回復の希望を見出したことにある。その「希望」は当時、閉鎖病棟の劣悪な治療環境に絶望しかけていた著者にも「処方」された、ともいう。
 中井久夫が言ったことを復習すると、S親和者、心の生ぶ毛、普遍症候群に対する文化依存症候群や個人症候群、標準化志向型・近代医学型精神医学SMOPなどが特に印象に残っている。
 S親和者は統合失調症的気質を持つひとのことをいう。その微かな兆候を読み取り、感じ取る能力は、時代や状況が異なれば、有益な能力であるという仮説を、中井久夫は提示した。そして誰もがなりうる可能性があり、まるで人類にとっての税のようなものだという。
 この本で読むかぎりでは、当時、統合失調症(分裂病)は不可逆的に進行し心理的に荒廃してしまう、治らない病気としてとらえられていたようだ。そのようなスティグマを取り除くことに、中井久夫は尽力した。
 中井久夫は、普遍や標準化などの医学モデルに異を唱える。精神科医にはどこか“まっとう”でない医療であるという意識があり、だからこそ、そういった医学的な診断法や体系化された方法論に固執する向きがあるという。しかし、それらの考え方は、正常に戻す、あるいは矯正する、という治療方針と結びつきやすいのではないだろうか。それは暴力的に映ることさえある。心の生ぶ毛を守り育て、やわらかく治す、医師に治せる患者は少ない、しかし看護できない患者はいない、いずれも中井久夫の箴言であるが、改めて治療とはなにか、と考えさせられる。
 フロイトは、医者は患者の弁護士である、患者以外の何ものをも弁護してはならない、と言った。徹底的に寄り添うことで、つまり、そのひとの熟知者であるからこそできる治療がある。それが世界の様々な文化とコミュニティのなかで行われていることだ、と中井久夫はいう。著者曰く、中井久夫は一貫して自身の考え方を理論化し体系化することを嫌った。それが権力と結びつくことを懸念したからだ。そのかわり多くの断片的な箴言を残した。体系はしばしば視野を狭くするが、すぐれた箴言には発見的な作用がある。それを著者は、体系知にたいする箴言知、と表現する。
 合気道の高位有段者でもある施術家の先生と、身体の使い方についてよく話す。しかしいつも話題になるのは、こうだ、とした瞬間に、いやそうではないという、禅問答のような事態になってしまうことのむつかしさだ。そのコツやカンについて、その先生によれば合気道という型を共有しているひとたちの間でも、感覚は全然違うのだという。体系化した途端に間違えること、言葉にした瞬間ズレていくこと。それってどうすればいいんだろう、といつも思う。
(塩﨑 由規)

出版元:NHK出版

(掲載日:2023-08-03)

タグ:精神医学 
カテゴリ メンタル
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著者
Mel Boring American Medical Association C.B. Mordan 島沢 優子 日本スタビライゼーション協会 足利工業大学・健康科学研究室 銅冶 英雄Adrian WealeAlan GoldbergAndrea BatesAndrew BielAnne KeilAviva L.E. Smith UenoBernd FalkenbergBoris I.PrilutskyBrad Alan LewisBrad WalkerCarl PetersenCarole B. LewisCarole B.LewisCaroline Corning CreagerChad StarkeyChampagne,DelightCharland,JeffChartrand,JudyChris JarmeyClive BrewerDaniel LewindonDanish,StevenDavid A. WinterDavid BorgenichtDavid E. MartinDavid EpsteinDavid GrandDavid H. FukudaDavid H. PerrinDavid JoyceDavid SumpterDavies,George J.Digby, MarenaDonald A. ChuDonald T KirkendallEddie JonesElizabeth Best-MartiniEllenbecker,Todd S.Everett AabergF. バッカーFrank BakkerG. Gregory HaffG.D.ReinholtzGeorge BrettGray CookGregory D. MyerH・ミンツバーグIñigo MujikaJ.G.P.WilliamsJ.W.SchraderJWS「女性スポーツ白書」作成プロジェクトJacqui Greene HaasJamJames C. RadcliffeJames StudarusJari YlinenJeanne Marie LaskasJeff BenedictJeff CharlandJeff LibengoodJeff RyanJennifer Mather SaulJerry LynchJiří DvořákJohn GibbonsJonathan PrinceJoseph C. MaroonJoshua PivenJulian E. BailesJ・ウィルモアKahleKarim KhanKarin WiebenKim A. Botenhagen-DiGenovaKim A.Botenhagen-DiGenovaL.P.マトヴェーエフLawrence M.ElsonLeon ChaitowLeonhardtLeslie DendyLorne GoldenbergM. デュランM.J.SmahaMarc DurandMarilyn MoffatMark PerrymanMark R. LovellMark VerstegenMattyMcAtee,Robert E.Megan HineMelvin H. WilliamsMichael GleesonMichael J. AlterMiguel Angel SantosMurphy,ShaneM・ポラックNPO法人日本ライフセービング協会Nadia ComaneciNational Strength and Conditioning AssociationNina NittingerNorm HansonOg MandinoP.V.カルポビッチPOST編集部Pat ManocchiaPaul L. GreenhaffPete WilliamsPeter BruknerPeter N. CoePeter TwistPeter WoodPetitpas,Al.PlatzerR. ザイラーR.H.エプスタインR.J.CareyR.N.シンガーRainer MartensRaymond M. NakamuraRein TideiksaarRene CaillietRichard BrennanRichard GoldRobert C. FarentinosRobert E. McAteeRobert MoorRobert S.BehnkeRoger W.EarleRoland SeilerRon MaughanRuben J. GuzmanS. ビドルS.T.FleckSAGE ROUNTREESander L. GilmanSandy FritzSharon MoalemShephard,Roy J.Soccer clinicSports Graphic NumberStephen KieslingSteven J. FleckStuart BiddleSue HitzmannS・パリッシュS・フォックスTerease, AmandaThomas R.BaechleThomas W. MyersThor GotaasTil LuchauTrevor WestonTudor O. BompaVladimir M. ZatsiorskyVladimir M. ZatsiorskyVáclav DvořákW.E.シニングW.J.KraemerWilliam J. KraemerWynn KapitY. ヴァンデン‐オウェールYves Vanden Auweele「運動器の10年」日本委員会いとう やまねかわむら ふゆみけいはんな社会的知能発生学研究会ふくい かなめまつばら けいみづき 水脈みんなのスポーツ全国研究会わたなべ ゆうこアタナシアス テルジスアタナシアス・テルジスアダム フィリッピーアテーナプロジェクトアメリカスポーツ医学会アメリカスポーツ医学協会アメリカ医師会アレックス・ハッチンソンアンゲリカ・シュテフェリング エルマー・T・ポイカー ヨルグ・ケストナーアンドリュー ブレイクアンドリュー・ゴードンアンドリュー・ゾッリアンドリュー・ビエルアンバート・トッシーアン・ケイルアン・マリー・ヒーリーイチロー・カワチイヴ・ジネストウイリアム ウェザリーウサイン・ボルトウドー アルブルエディー・ジョーンズエドワード・フォックスエバレット アーバーグエリザベス ノートン ラズリーカイ・リープヘンカミール・グーリーイェヴ デニス・ブーキンカルロス 矢吹カレン・クリッピンジャーカーチ・キライカール・マクガウンキム テウキャロリン・S・スミスキャロル・A.オ-チスクラフト・エヴィング商會クリス カーマイケルクリス ジャ-メイクリストフ・プノーグレン・コードーザケイトリン・リンチケニー マクゴニガルケネス・H・クーパーケリー・スターレットケン ボブサクストンゲルハルト レビンサイモン・ウィクラーサカイクサンキュータツオサンダー・L. ギルマンサンドラ・K・アンダーソンシェリル・ベルクマン・ドゥルーシルヴィア ラックマンジェア・イエイツジェイ マイクスジェイソン・R・カープジェイムズ・カージェニファー・マイケル・ヘクトジェフ ライベングッドジェフ・マリージェリー・リンチジェームス・M・フォックスジェームス・T・アラダイスジェームズ アマディオジェームズ・アマディオジェーン・ジョンソンジェ-ン・パタ-ソンジム・E. レーヤージャン=マリ・ルブランジュリエット・スターレットジョセフ・H・ピラティスジョン エンタインジョン・スミスジョン・フィルビンジル・ボルト・テイラースタジオタッククリエイティブスティーヴン・ストロガッツステファン 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正岡野 五郎岡野 宏量岩崎 和久岩崎 夏海岩崎 晋也岩崎 由純岩本 紗由美岩本 輝雄岩渕 健輔岩田 健太郎岩田 卓士岩貞 吉寛岸 政彦岸本 健岸田 一隆岸田 昌章岸田 明子峠野 哲郎峯田 晋史郎峰岸 徹島田 一志島田 永和島田 潤一郎崔 仁和嵯峨野 功一嶋井 和世川井 弘子川初 清典川又 政治川口 和久川島 敏生川島 浩平川島 英博川本 竜史川村 卓川津 英夫川田 茂雄川端 理香川西 正志川谷 茂樹川野 哲英工藤 公康工藤 和俊工藤 隆一左 明市川 宣恭市川 忍市川 繁之市村 操一布施 努布施 務師岡 文男帯津 良一常足研究会干場 拓真平 直行平井 伯昌平井 博史平尾 剛平尾 誠二平山 譲平山 讓平山令明平島 雅也平松 洋子平沼 憲治平澤 元章平田 智秋平田 竹男平野 幸伸平野 淳平野 裕一平野 誠一広沢 成山広瀬 一郎広瀬 浩二郎広瀬 統一広瀬 統一 泉 重樹広田 公一廣戸 総一廣戸 聡一廣瀬 俊朗建内 宏重弘田 雄士張 明澄彦井 浩孝影山 徹征矢 英昭後藤 俊一後藤 修司後藤 光将後藤 勝正後藤 新弥後藤 正治徳永 幹雄徳永 明子志々田 文明志村 幸雄志賀 保夫快適スイミング研究会恒川 正志愛知医科大学運動療育センター戸塚 啓戸塚 洋二戸田 裕之手塚 一志手束 仁打越 正行折山 淑美政二 慶文部科学省斉藤 明義斉藤 健仁斉藤 宏斉藤 明義斉藤 秀之斉藤 隆央斎岡 明子斎藤 孝斎藤 恵斎藤 昭彦斎藤 瑞穂斎藤 環新 雅史新井 博新井 節男新宅 幸憲新田 收新開 省二新関 真人方波見 康雄日下 昌浩日向 やよい日向 涼子日暮 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スポーツ法研究部会笹川スポーツ財団筒井 廣明篠原一郎篠宮 龍三篠村 朋樹簱智 健籏智 健米国国立老化研究所米山 公啓籾山 日出樹籾山 隆裕粂野 豊細野 史晃織田 一朗織田 幹雄織田 淳太郎美馬達哉羽生 善治能瀬 さやか臨床スポーツ医学編集委員会臼井 智洋臼井 永男舘野 之男舛本 直文芝崎 美幸花原 勉花戸 貴司花輪 和志芳田 哲也若原 正己若山 章信若松 英輔若林 理砂茂木 健一郎范 永輝茨木 保草野 健次荒井 貞光荒川 裕志荒川 静香荒木 昭好荒木 秀明荒木 茂荒木 香織荻村 伊智朗菅 民郎菅原 哲朗菅原 裕子菅原 誠菅原 賢菅谷 啓之菅野 淳菊 幸一菊地 真也菊地 高弘菊池 雄星萩原 清文萩島 英男萱沼 文子落合 博満葛西 奈津子蒲田 和芳蔦宗 浩二藤井 利香藤光 謙司藤原 勝夫藤原 秀之藤子・F・ 不二雄藤岡 聡子藤島 大藤川 孝満藤本 繁夫藤本 靖藤田 孝夫藤田 真樹子藤縄 理藤野 良孝西 智弘西尾 克洋西山 一行西山 由起西川 千雅西川 右近西村 ユミ西村 典子西村 卓二西村 欣也西田 一見西田 文郎西端西端 泉西薗 秀嗣西谷 修西野 仁雄見田 豊角田 直也角谷 リョウ諏訪 正樹谷 佳織谷 諭谷上 史朗谷口 智哉谷口 正子谷口 源太郎谷口 直之谷口 維紹谷川 啓司谷川 浩司谷本 道哉谷釜 尋徳豊嶋 建広豊田 一成豊福 晋財団法人日本サッカー協会スポーツ医学委員会賀佐 伸省賀来 正俊赤坂 清和赤星 憲広赤羽根 龍夫越智 淳三越田 専太郎跡見 順子跡部 徹輿水 健治辻 亮辻 秀一辻田 浩志近田 直人近藤 四郎近藤 篤近藤 良享近藤史恵近藤等則進藤 貴美子遠山 健太遠藤 俊郎遠藤 保仁遠藤 友則遠藤 敦遠藤 秀紀都竹 茂樹鄭 雄一酒井 瞳重松 清重野 弘三郎野井 真吾野依 良治野口 昌良野坂 和則野川 春夫野村 嶬野村 隆宏野村 雅一野沢 巌野田 哲由野田 隆基野矢 久美子野矢 茂樹野老 稔金 哲彦金子 仁久金子 公宥金子 勇金子 勝金子 明友金子 達仁金本 知憲金栗 四三金澤 良金田 伸夫金田 喜稔鈴川 仁人鈴木 三央鈴木 俊一鈴木 博美鈴木 壯鈴木 宏哉鈴木 岳鈴木 康弘鈴木 彰鈴木 敏和鈴木 正之鈴木 正成鈴木 淑美鈴木 清和鈴木 秀雄鈴木 章史鈴木 聡一郎鈴木 良和鈴木 重行鈴森 康一鎌田 哲郎鎌田 安奈鏑木 毅長友 佑都長尾 光城長尾 真長崎 浩長掛 芳介長澤 純一長濱 隆史長田 一臣長田 渚左長畑 芳仁長谷川 伸長谷川 博長谷川 智長谷川 泰三長谷川 洋介長谷川 滋利長谷川 潤長谷川 英祐長谷川 裕長谷部 誠長野 峻也長野 明紀門田 隆将門脇 正法関口 脩関屋 昇阪本 桂造阪長 友仁阿久津 邦男阿部 珠樹阿部 肇阿部(平石) さゆり阿野 鉱二降旗 学電通総研スポーツ文化研究チーム露久保 由美子青山 晴子青山 清英青木 主税青木 啓成青木 治人青木 紀和青木 純一郎青木 隆明青木 高青柳 いづみこ青柳 まちこ青柳 幸利順天堂大学医学部須川 綾子須永 美歌子須田 万勢須田 芳正須藤 明治類家 俊明飯塚 鉄雄飯島 裕一飯田 潔飯田 聡飯野 勝己養老 孟司饗庭 秀直香取 一昭香山 リカ馬越 博久駱 勤方高子 大樹高尾 美穂高尾 良英高山 信人高山 修高岡 尚司高岡 英夫高岡 裕之高木 徹也高木 應光高松 薫高林 孝光高柳 富士丸高橋 信二高橋 健夫高橋 和子高橋 宣行高橋 惠子高橋 正明高橋 正行高橋 睦子高橋 秀実高橋 結子高橋 豊高橋 雄介高沢 晴夫高瀬 元勝高畑 好秀高草木 薫高西 文人高遠 裕子高部 雨市髙橋 秀実髙橋 雄介鬼塚 純玲魚住 廣信魚柄 仁之助鱸 伸子鳥居 俊鳥巣 岳彦鳥越 規央鵜尾 泰輔鵤木 千加子鶴池 政明鶴田 彦夫鷲田 清一鹿倉 二郎鹿島田 忠史麓 信義麻場 一徳黄 秀一黒澤 和生黒澤 尚黒澤 雄太黒田 あゆみ黒田 善雄黒田 貴臣齊藤 太郎齊藤 愼一齊藤 邦秀齋田 良知齋藤 千景齋藤 孝齋藤 実齋藤 昭彦(財)横浜市スポーツ振興事業団

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BABジャパンBookWayCBS・ソニー出版Chapmans PublishersExecutive Physical Therapy IncHIME企画Human KineticsICインテリジェンス・カウンセルJT生命誌研究館KADOKAWAKADOKAWA/角川書店KKベストセラーズMCプレスNHK出版PCYPCYスポーツプロダクツPHP研究所Peachtree Pub LtdSBクリエイティブTAC出版TBSブリタニカTOKYO FM出版あさ出版あほうせんいかだ社かもがわ出版ぎょうせいさがみや書店じほうせいうんせせらぎ出版たにぐち書店ちとせプレスぴあほるぷ出版みすず書房アイオーエムアスキーアスキー・メディアワークスアスキ-・メディアワ-クスアスペクトアートマン・プロジェクトアートヴィレッジア-ルビ-ズイズムインターナショナルインプレスインプレスコミュニケーションズイースト・プレスイーハトーヴフロンティアウィズダムエイアンドエフエイデル研究所エクシア出版エルゼビア・ジャパンオーエス出版社オーム社カンゼンガイアブックスクラブビジネスジャパンクレオクロスメディア・パブリッシンググラフィック社コトニ社コムネットサイエンティスト社サイマル出版会サウンド球貴サンクチュアリ出版サンマーク出版ザメディアジョンジアース教育新社ジャパンライムスキージャーナルスタジオタッククリエイティブスポーツ教育研究所ソニー企業ソニー企業株式会社アスレチック営業部ソニー企業株式会社アスレティック営業部ソフトバンククリエイティブソル・メディアダイナゲイトダイヤモンド社ディジタルアーカイブズディスカヴァー・トゥエンティワンディレクト・システムトランスビュードリームクエストナイキ・ジャパンナカニシヤ出版ナップナツメ社ニュートンプレスハートフィールド・アソシエイツバジリコバレーボールアンリミテッドバレーボール・アンリミテッドヒューマンワールドフォレスト出版フレグランスジャーナル社ブックハウス・エイチディプレジデント社ベストセラーズベースボールマガジン社ベースボール・マガジン社ベ-スボ-ル・マガジン社ポニーキャニオンポプラ社マイナビマイナビ出版マガジンハウスマキノ出版マッスル・アンド・フィットネス・ジャパンミシマ社ミネルヴァ書房ミライカナイメイツ出版メジカルビュー社メヂカルフレンド社メディアファクトリーメディアート出版メディカル・サイエンス・インターナショナルメディカル出版メディカル・サイエンス・インターナショナルメディカ出版モダン出版ヤマハフットボールクラブライフ出版社ラウンドフラットラクア書店ランナーズリバネス出版ワックワニブックスワニ・ブックスワニ・プラスヴォイス三一書房三修社三天書房三笠書房三輪書店不昧堂不昧堂出版世界思想社世論時報社中外医学社中央公論新社中央労働災害防止協会中央法規出版中山書店中経出版丸善丸善出版主婦と生活社主婦の友主婦の友社九州神陵文庫二見書房亜紀書房人間と歴史社体育とスポーツ出版社保育社健康ジャーナル社光文社全国書籍出版全日本病院出版会八千代出版六甲出版共同通信社共栄出版内外出版社創元社創文企画創栄出版創美社加圧筋力トレーニング指導者交流会化学同人北海道大学出版会北海道新聞社北溟社医学映像教育センター医学書院医歯薬出版医薬ジャ-ナル社医道の日本社千曲秀版社協同医書出版社南江堂厚有出版双葉社叢文社合同出版同成社同文書院同文舘出版同文館出版名古屋大学出版会哲学書房国士舘大学体育・スポーツ科学学会土屋書店地湧社培風館大修館書店大和書房大学教育出版大月書店大泉書店大阪市身体障害者スポーツセンター奥村印刷女子栄養大学出版部学生社学研パブリッシング学研プラス学研メディカル秀潤社学習研究社学芸出版社宝島社実務教育出版実業之日本社家の光協会富士書院専修大学出版局小学館少年写真新聞社山海堂岩波書店嵯峨野書院市村出版平凡社幻冬舎幻冬舎メディアコンサルティング幻冬舎ルネッサンス広済堂出版廣川書店廣済堂出版徳間書店恒文社悠書館情報センター出版局慶應義塾大学出版会成星出版成美堂出版扶桑社技術評論社放送大学教育振興会教育史料出版会文光堂文化書房博文社文學の森文理閣文芸社文藝春秋新星出版社新曜社新潮社新興医学出版社日刊スポーツ出版社日本YMCA同盟出版部日本ウエルネス協会日本エディターズスクール出版部日本バイオメカニクス学会日本プランニングシステム日本医事新報社日本学術協力財団日本実業出版社日本工業新聞社日本放送出版協会日本文化出版日本文芸社日本経済新聞出版日本経済新聞出版社日本経済新聞社日本評論社日東書院日機装ケンコー株式会社日経BP日経BP社日経BP早川書房早稲田大学出版部明和出版明治書院星和書店星海社春秋社春風社昭和堂昭文社時事通信時事通信社晃洋書房晋遊舎晶文社暮しの手帖社有峰書店新社朝倉書店朝日ソノラマ朝日出版社朝日新聞出版朝日新聞社木楽舎未知谷杏林書院東京さくら印刷出版部東京図書東京大学出版会東京新聞出版局東京新聞出版部東京電機大学出版局東北大学出版会東洋経済新報社東洋館出版社東邦出版枻出版社柏書房森永製菓健康事業部森永製菓株式会社健康事業部武田ランダムハウスジャパン毎日コミュニケーションズ毎日新聞出版毎日新聞社水王舎永岡書店求竜堂池田書店河出書房新社法政大学出版局法研泰文堂洋泉社流通経済大学出版会游々舎源草社滋慶出版潮出版社玉川大学出版部現代図書現代書林現代書館生活書院産学社白夜書房相模書房砂書房碧天舎神戸新聞総合出版センター祥伝社福昌堂秀和システム竹書房第一出版笹川スポーツ財団筑摩書房筑波大学出版会築地書館篠原出版新社紀伊国屋書店紀伊國屋書店総合法令総合法令出版緑書房績文堂出版自由国民社舵社花伝社草土文化草思社藤原書店西日本出版社西日本法規出版西村書店西東社角川SSコミュニケーションズ角川マガジンズ角川学芸出版角川書店診断と治療社評論社誠信書房誠文堂新光社読売新聞社講談社講談社インターナショナル講談社サイエンティフィク辰巳出版農山漁村文化協会近代映画社遊戯社運動と医学の出版社道和書院郁朋社金原出版金港堂出版部鉄筆鎌倉書房長崎出版阪急コミュニケーションズ陸上競技社集英社集英社インターナショナル雲母書房電通青土社青弓社青春出版社静風社風雲舎飛鳥新社食品化学新聞社香草社高橋書店黎明書房BABジャパンSBクリエイティブ

書評者
三嶽 大輔(9)
三橋 智広(48)
上村 聡(4)
中地 圭太(19)
久保田 和稔(8)
久米 秀作(53)
今中 祐子(5)
伊藤 謙治(14)
佐々木 愛(4)
加藤 亜梨紗(1)
勝原 竜太(1)
北村 美夏(1)
南川 哲人(10)
吉田 康行(1)
坂口 丈史(2)
塩多 雅矢(2)
塩崎 由規(1)
塩﨑 由規(52)
大内 春奈(1)
大塚 健吾(9)
大槻 清馨(12)
大洞 裕和(22)
太田 徹(1)
安本 啓剛(17)
安澤 佳樹(4)
宮崎 喬平(12)
尾原 陽介(35)
山下 大地(3)
山下 貴司(1)
山口 玲奈(14)
山村 聡(6)
山根 太治(68)
山際 政弘(3)
岡田 真理(1)
島原 隼人(1)
川浪 洋平(19)
平井 優作(7)
平山 美由紀(9)
平松 勇輝(5)
弘田 雄士(4)
戸谷 舞(3)
打谷 昌紀(2)
曽我 啓史(1)
月刊スポーツメディスン編集部(49)
月刊トレーニング・ジャーナル(16)
月刊トレーニング・ジャーナル編集部(758)
服部 哲也(9)
服部 紗都子(11)
村田 祐樹(4)
松本 圭祐(3)
板井 美浩(46)
柴原 容(5)
梅澤 恵利子(1)
森下 茂(23)
椙村 蓮理(1)
榎波 亮兵(3)
橋本 紘希(24)
橘 肇(4)
正木 瞳(1)
比佐 仁(1)
水浜 雅浩(8)
水田 陽(6)
永田 将行(6)
池田 健一(5)
河田 大輔(16)
河田 絹一郎(3)
河野 涼子(2)
泉 重樹(3)
浦中 宏典(7)
清家 輝文(71)
清水 歩(6)
清水 美奈(2)
渡邉 秀幹(6)
渡邊 秀幹(1)
澤野 博(32)
濱野 光太(5)
田口 久美子(18)
石郷岡 真巳(8)
磯谷 貴之(12)
笠原 遼平(2)
脇坂 浩司(3)
藤井 歩(18)
藤田 のぞみ(4)
西澤 隆(7)
越田 専太郎(2)
辻本 和広(4)
辻田 浩志(90)
酒井 崇宏(1)
金子 大(9)
鈴木 健大(6)
長谷川 大輔(3)
長谷川 智憲(40)
阿部 大樹(1)
阿部 拓馬(1)
青島 大輔(1)
青木 美帆(1)
飯島 渉琉(3)
鳥居 義史(6)